2008年1月の統計
2007年12月の統計

2007年11月の統計
2007年10月の統計
2007年9月の統計
保険に関連する統計情報です。
各調査についての詳細は、保険毎日新聞から抜粋しております。
◆ INDEX
損保料率機構集計、
07年8月末地震保険
契約件数
生保9社の07年度
上半期業績
日本興亜損保、中間決算説明会開く
生保協会、生命保険料控除制度でアンケート調査
国土交通省、07年9月の住宅着工統計
損保上位9社07年9月中間決算
AIG、07年第3四半期業績を発表
全国生協連、10月の生命・火災共済実績
損保料率機構集計、
07年7月末の自賠責保険・共済成績
本紙調査、
07年10月末の自動車・自賠責9社成績
米ハートフォード、
「5カ国退職後意識調査」結果を発表
本紙調査、
07年9月末の自動車・自賠責保険実績
本紙調査、
07年10月末の損保一般種目速報成績
富国生命、保険金・給付金などの支払い状況に関する調査結果を金融庁に報告
全労済、9月末「こくみん共済」実績
スイス再保険、07年第3四半期純利益は15億スイスフラン
エース・リミテッド、07年第3四半期業績発表
温暖化対策の経産省、
環境省会合で生損保協会が報告
三井ダイレクト損保、
自動車保険の保有契約
60万件突破
生保文化センター、
07年度上期の相談件数1317件に
フィデリティ退職・投資教育研究所、退職前後の経済生活に関する調査リポート発表
T&Dホールディングス、08年3月期中間期連結業績予想を修正
少子化社会白書が
閣議決定
[2007-11-28]
損保料率機構集計、07年8月末地震保険契約件数

主要外資系生保の2007年度上半期業績が1損保料率機構は、2007年8月末現在の地震保険の契約件数をまとめた。
8月末の契約件数は1091万129件となり、前年同期の1043万8448件に比べて4.5%増加した。
07年8月末の実績を都道府県別に見ると、東京都の173万7725件(前年同期比3.1%増)をトップに、神奈川県103万2109件(同3.0%増)、愛知県89万1081件(同4.8%増)、大阪府83万3779件(同5.6%増)となっており、この4都府県が80万件を超えている。
以下、千葉県(63万7972件)、埼玉県(60万8880件)、北海道(48万8333件)、福岡県(47万8949件)が続く。
この集計は、居住用建物と生活用動産を対象として損保会社が扱っている「地震保険」のみの数値であり、各種共済契約は含まれていない。
[2007-11-28]
生保9社の07年度上半期業績

生保大手・中堅9社の2007年度上半期業績が11月27日に出そろった。個人保険・個人年金の保有契約高は前年度末比5.2%減の868兆9822億円と21期連続で減少した。新契約高も前年同期比24.8%減の18兆7743億円と13期連続減少となった。一方、解約・失効高は同14.2%減の29兆7369億円と11期連続で大幅な改善を示した。契約高の減少が続く中、医療保険などの第三分野も新契約年換算保険料で大同生命を除く8社が前年同期に比べて実績を落とした。保険金・給付金などの追加支払い問題で、販売活動や契約面で影響を受けたことは否定できない。その結果、本業の利益を示す基礎利益は4社が2けたを超える伸びとなったが5社が減少、9社で同4.2%減の1兆1313億円となった。
各社の業績(掲載順は総資産の順)を見ると、保有契約高の前年度末比と新契約高で、大同生命が増加しただけにとどまり、8社で減少。死亡保障マーケットが引き続き縮小していることを反映する形になった。また、銀行窓販全面解禁で販売が可能になる第三分野商品も、同様に大同生命だけが新契約年換算保険料で7.1%の伸びを見せたものの、8社は前年同期に比べ実績を落とした。
銀行窓販の主力商品の変額年金で新商品投入が一巡したことが影響し、日本生命と第一生命は前年同期比で50%以上減少、絶対額で最も実績のある住友生命は27%減にとどまった。定額年金では日本生命が同5%伸び、一時払い終身で同17%の伸びを見せた。
基礎利益は4社が増益となった。朝日生命が255億円と前年同期比29.9%の大幅な伸びを示し、富国生命も444億円で同17.9%、大同生命が673億円で同12.8%、太陽生命が305億円で同10.2%と伸展した。現在7社が開示している三利源を見ると、危険差益(主に死差益)のウエートが大きいことは変わらないが、伸展に関しては逆ざや額の減少が寄与している。
経営の健全性を示すソルベンシー・マージン比率は、明治安田生命、住友生命、三井生命、大同生命、朝日生命の5社が前年度実績を上回った。
営業職員数は9社合計で20万7994人となり、前年度より9828人減少(同4.6%減)。銀行窓販、ネットチャネルなど販売チャネルの多様化に向け、若干変化の兆しが見られた。
[2007-11-27]
日本興亜損保、中間決算説明会開く

日本興亜損保は東京都千代田区の本社で11月21日、中間決算説明会を開催した。
正味収入保険料が1.3%減収する一方で正味支払保険金は、自然災害減少などで2%減少、支払備金の大幅な減少によって保険引受利益は1億円の黒字に転換し中間純利益は78億円増益となり118億円を確保した。
説明会では花田秀則経理部長が次の説明を行った。
正味収入保険料は3527億円と1.3%減収となった。主力の自動車保険の台数が0.1%増加したが無事故の進行で単価が1%低下したことによって1.2%減少し1664億円となり、火災保険は積立保険と長期火災の不振で5.4%減収、傷害保険も第三分野の新規販売停止などで3.4%減収したことが要因だ。
正味支払保険金は1988億円と2%減少した結果、正味損害率は61.5%と0.1ポイント改善した。火災保険などにおける自然災害による支払いが36億円減少したことが大きい。
事業費については、人件費は信頼回復に向けた各種施策の実施により7億円増加したが、物件費が6億円減少したことで、正味事業費率は0.3ポイント改善して34.6%となった。
支払備金積増額は、前期は統計的手法によるIBNR備金の適用初年度対応で97億円の積み増しから2億円と大幅に減少。
収支残高は11億円増加し、保険引受利益は131億円の赤字から1億円の黒字に転換した。
資産用収益は27億円減少し312億円。政策株式売却益103億円を含む有価証券売却益は14億円減少し151億円。
資産運用費用は、連結子会社の株式にかかる投資損失引当金が30億円減少したことなどで39億円減少し62億円にとどまっり、資産運用関係ネットでは12億円増加した。
経常利益は216億円(247%増)で中間純利益は118億円と78億円の増益を確保。なお連結ベースでの連単差はほとんど生じていない。「上半期の新車登録台数は8.1%減少しており、軽自動車も6.8%減少するなど業界全体がアゲンストな状況にある」(藤井康秀常務執行役員)。
通期業績予想は正味収入保険料を100億円下方修正し、7000億円とした。経常利益と当期純利益は据え置き、連結業績は変更なし。
[2007-11-26]
生保協会、生命保険料控除制度でアンケート調査

生保協会は、生命保険料控除制度に関する幅広い国民の意識を調査・分析するため、生保労連との共催で、9月3日から18日にかけて、生命保険料控除制度に関するアンケートを実施したが、11月16日、集計結果をまとめた。
今回の調査は、129万5115人から回答を得た。調査対象は全国47都道府県の男女個人(生命保険の加入・未加入の制限なし)。
調査方法はアンケート用紙(マークシート方式)への記入。用紙の配布・回収は、全国の生保職員や代理店が実施した。
同協会は、集計結果から、自助努力支援税制としての生命保険料控除制度に対する国民の高い支持が確認できるとしている。
主なアンケート集計結果は次のとおり。
▽生命保険料控除制度を総合的な制度にしてほしい:74.8%
▽生命保険料控除制度を拡充してほしい:81.0%
▽遺族保障は必要であり、支援を拡充してほしい:94.9%
生保協会は、2008年度税制改正要望における重点要望項目として、現行の生命保険料控除と個人年金保険料控除制度を統合・一本化し、総合生命保険料控除制度へ改組することを掲げており、このアンケート結果も踏まえ、国民の要望実現のために、関係各方面に訴えていく構えだ。
そのほかのアンケート結果では、約85%が、自分の判断で必要な備え(保険など)を準備できるよう、自助努力のための支援の充実を望んでいる。
制度が統合されるなど拡充された場合、今後の生命保険への加入について、約90%が、生命保険への加入について前向きにとらえると回答している。
[2007-11-22]
国土交通省、07年9月の住宅着工統計

国土交通省がまとめた2007年9月の新設住宅着工統計によると、持家、貸家、分譲住宅ともに減少したため、全体で減少となった。
9月の新設住宅着工戸数は6万3018戸。前年同月比で44.0%減、3カ月連続の減少。新設住宅着工床面積は587万2000平方メートル、前年同月比38.4%減、3カ月連続の減少。季節調整済年率換算値では72万戸。
持家は2万5431戸で前年同月比21.6%減、8カ月連続の減少。このうち民間資金による持家は2万3192戸で21.3%減、8カ月連続の減少、公的資金による持家は2239戸で24.2%減、22カ月連続の減少となった。
貸家は2万2749戸で51.3%減、3カ月連続の減少。このうち民間資金による貸家は2万314戸で52.6%減、3カ月連続の減少。公的資金による貸家は2435戸で36.5%減、3カ月連続の減少。
分譲住宅は1万4531戸で55.6%減、3カ月連続の減少。このうちマンションは5328戸で74.8%減、3カ月連続の減少。一戸建住宅は9129戸で18.7%減、5カ月連続の減少。
地域別では、首都圏が総戸数で前年同月比54.2%減となった。内訳は持家25.4%減、貸家53.4%減、分譲住宅66.5%。中部圏は総戸数で36.7%減、うち持家25.6%減、貸家50.8%減、分譲住宅17.7%減。近畿圏は総戸数で48.0%減、うち持家24.5%減、貸家58.5%減、分譲住宅52.5%減。その他地域は総戸数で35.4%減、うち持家18.1%減、貸家48.0%減、分譲住宅39.8%減。
持家、貸家、分譲住宅ともにすべての地域で減少した。
建築工法別には、プレハブは1万772戸で3カ月連続の減少。ツーバイ・フォーは7671戸で6カ月連続の減少となった。
[2007-11-22]
損保上位9社07年9月中間決算

損保上位9社が11月20日までに発表した2007年9月中間決算によると、当期利益(単体ベース)は全社合計で1730億円となり、前年同期と比べて72.3%の大幅な増益となった。保険金不払い問題も落ち着きを見せて、積立保険を除く正味収入保険料が全社合計で前年同期比0.1%の微減にとどまった。保険事業の収支を示す保険引受利益が全社合計で130億円の損失を計上したが、自然災害の少なかったことや景気回復の影響などを受け、利息配当金収入は3514億円と前年同期比21.4%増、有価証券の含み益は全社合計で前年同期比1割弱増加し、8兆7749億円に膨らんだ。損害率は4社で悪化、事業費率も1社のみが改善を見せるにとどまった。
正味収入保険料は9社合計で3兆5685億円となり、前年同期比0.1%減となった。あいおい損保が0.4%増と増収率でトップ、続く東京海上日動が0.2%増と2社が増収となったが、三井住友海上が0.0%のほか、6社が減収となった。種目別では、主力の自動車保険をはじめ、火災、傷害保険は前年同期比でマイナスの会社が約半数を占め、自賠責保険にいたっては全社が減収となった。
その一方で海上保険は8社が増収。前年同期比53.1%増の1584億円の伸びを示した。トップは共栄火災の31%増で、以下、富士火災が18.9%増、ニッセイ同和損保が13.2%増、東京海上日動が12.8%増、三井住友海上が7.8%増、日本興亜損保が7.0%増、損保ジャパンが2.8%増、あいおい損保が2.2%増、日新火災が0.3%増と続いた。
医療保険やがん保険などの第三分野商品では、本体と子会社の合計販売件数でトップとなったのが東京海上日動の約28万件。損保ジャパンが23万件で続き、この2社が突出した実績を挙げた。
一方、損害率は4社で悪化した。最も低かったのが日新火災と富士火災の58.4%。以下、あいおい損保の58.8%、東京海上日動の59.8%、共栄火災の60.4%、損保ジャパンの60.8%と続き、4社が60%を下回った。最も高かったのはニッセイ同和損保の64.1%。事業費率は1社のみが改善。最も低かったのは三井住友海上の30.8%で、東京海上日動の31.0%、ニッセイ同和損保の32.0%、損保ジャパンの32.4%と続く。
この結果、収益性の目安となるコンバインド・レシオ(損害率と事業費率の合算)が最も低かったのが東京海上日動の90.8%。以下、あいおい損保の91.5%、損保ジャパンの93.2%と続く。最も高かったのは共栄火災の97.7%。保険事業の収支を示す保険引受利益(保険引受収益から保険引受費用と営業費・一般管理費を控除)は、東京海上日動、損保ジャパン、あいおい損保、日本興亜損保、共栄火災の5社でプラスとなったが、4社で損失を計上した。
利息配当金収入は日本興亜損保を除く各社が伸びを示し、特にあいおい損保、損保ジャパン、富士火災、ニッセイ同和損保、東京海上日動、日新火災は2けたの伸びとなった。絶対額では東京海上日動が958億円、損保ジャパンが706億円、三井住友海上が704億円の高水準となった。
ソルベンシー・マージン比率は6社が1000%を超え、全社で800%を上回る水準となった。
この結果、税引後損益で日新火災を除き、8社で増益となった。
[2007-11-21]
AIG、07年第3四半期業績を発表

AIGは11月7日、2007年第3四半期の純利益が前年同期の42.2億ドル(4684億2000万円、1ドル=111円換算。希薄化後1株当たり1.61ドル)に対し、30.9億ドル(3429億9000万円、以下換算略。希薄化後1株当たり1.19ドル)になったと発表した。この純利益には、FAS第133号(デリバティブとヘッジ活動の会計処理)の規定により、ヘッジ会計処理を行う要件を満たしていない為替差損益などに関する経済的に有効なヘッジ活動の影響が含まれている。
第3四半期の修正純利益は、前年第3四半期の40.2億ドル(希薄化後1ドル当たり1.53ドル)に対し、34.9億ドル(希薄化後1株当たり1.35ドル)となった。
第3四半期と今年初めから9カ月間の純利益と修正純利益には、AIGファイナンシャル・プロダクツ・コーポレーション(以下AIGFP)のスーパーシニア・クレジット・デフォルト・スワップ(以下スーパーシニアCDS)ポートフォリオに関連した正味未実現評価損の税引前費用、約3.52億ドル(税引後2.29億ドル)が含まれる。
AIGFPがこれらのデリバティブに関して決済を求められる可能性は依然として極めて低いと同社は見ている。
今年初めから9カ月間の純利益は、前年同期の106.1億ドル(希薄化後1株当たり4.04ドル)に対し、114.9億ドル(希薄化後1株当たり4.40ドル)となった。また年初から9カ月間の修正純利益は、前年同期の115.5億ドル(希薄化後1株当たり4.40ドル)に対し、125.1億ドル(希薄化後1株当たり4.79ドル)となった。
9月30日時点の総資産は1.072兆ドル、株主資本は1040.7億ドルとなった。
株主資本は今年6月30日時点からわずかに減少したが、これは主として、純利益が、自社株の買い戻し、そのほかの包括的利益に計上された税引後未実現投資評価益24.5億ドルで相殺されたことによるもの。
今年第3四半期の1株当たり帳簿価額は、12.7億ドルの株式買い戻しの前払いに関連した1株当たり0.50ドルの減少を含め、40.81ドルに増加した。
今年第3四半期中、AIGは普通株式3061万1884株を買い戻した。11月5日までにさらに1396万4098株を購入したことで、現時点での購入株式総数は6906万7943株となった。
今年第3四半期の業績について、同社社長兼CEOのマーティン・J・サリバン氏は次のように述べている。
「多くの金融機関に難題を投げ掛けた不安定な市場環境の中、今年第3四半期も、同社は多角的な国際ビジネス・ポートフォリオの恩恵を実感できる、素晴らしい結果を達成した。第3四半期、修正純利益は34.9億ドルを達成し、1株当たり帳簿価額は40.81ドルとなった。米国の住宅モーゲージ金融市場の状況が当社の結果にマイナスの影響を与えたが、積極的で強固なリスク管理が、リスクの抑止に貢献した。当社のバランスシートは堅調を維持しており、引き続く先行き不安な状況を乗り越え、魅力的な新しい市場機会を活用するのに十分な財源を確保している」。
「米国内企業向け損害保険グループ(DBG)、航空機リース事業、そして資産運用事業が営業利益を大きく伸ばした。当期、市場の変動が特定の資産クラスの投資リターン、あわせて厳しい市場条件に直面する日本および米国の事業にマイナスの影響を及ぼしたことで、生保とリタイアメント・サービス事業の営業利益は減少した。反面、アジアでは生命保険の販売が好調に推移したことに加え、米国内生保事業部門のユニバーサル生命保険と変額ユニバーサル生命保険の販売も上向き、米国内リタイアメント・サービス事業部門の団体向け退職年金商品や個人向け変額年金商品の預かり金も増加した」。
「モーゲージ証券保証事業は、引き続く米国住宅市場の低迷により、営業損失を計上した。アメリカン・ゼネラル・ファイナンス(以下AGF)は、厳格な引受け基準を守ることで、不動産ポートフォリオの高い信用度を保持している。当期、AIGFPは、主としてスーパーシニアCDSポートフォリオに関連した未実現評価損により営業損失を計上した。一般会計原則(GAAP)では、当社がこれらのデリバティブに対する評価額の変動を計上することを求めているが、わたしどもは引き続き、AIGFPがこれらのデリバティブに関して決済を求められる可能性は極めて低いものとみている」。
「今年第3四半期中、当社は8723億ドルの現金と投資資産合計に対し、8.64億ドルの税引前正味実現キャピタル・ロスを計上した。正味実現キャピタルのうち、損失は当社の住宅ローン担保証券に関連する約1.49億ドルの損失を含めた、一時的でない価値の減損に対する費用5.29億ドルだった。不安定な状況の中、投資ポートフォリオ中の住宅ローン担保証券市場に対するエクスポージャーは引き続き高い品質を保持しており、担保の劣後化を通じ、十分な保護を提供している」。
「全体として、当社は多角的な国際事業展開により、厳しい状況にも、チャンスにも対応することができる優位な立場にある。今後も慎重にリスクを管理し、株主の価値を高めるという長期的な戦略を、自信を持って推進していくつもりだ」
【損保事業】
今年第3四半期、実現キャピタル・ゲイン(ロス)調整前の損保事業部門の営業利益は、前年同期から3.4%減少し25.1億ドルとなった。米国内企業向け損害保険グループ(DBG)の事業利益の伸びは、モーゲージ証券保証事業部門の2.15億ドルの営業損失と個人向け損保事業部門、また米国外損保事業部門の営業利益の減少により相殺された。当期のコンバインド・レシオは前年同期の89.10に対し、90.17となった。今年第3四半期の損保事業の正味投資利益は、前年同期から1.8%増加した。前年同期の損保事業の正味投資利益には、ユニット型投資信託事業とパートナーシップ事業からの期間外修整増益分2.13億ドルが含まれている。
今年第3四半期、米国内企業向け損害保険グループ(DBG)の営業利益は、前年同期から24.5%増加し18.9億ドルになった。引き受け結果の改善は、大半の事業分野での近年の異常災害に関する良好なロス・トレンドを反映している。当期、DBGが厳しい引き受け方針を保持したことを受け、正味収入保険料は、前年同期の60.7億ドルに対し、60.1億ドルとわずかながら減少した。リスク管理、医療・傷害保険、プログラム事業分野の堅調な伸びは、財物保険、および大半の災害保険分野における競争の激化と料率引下げにより相殺された。
今年第3四半期、個人向け損保事業の営業利益は、前年同期の1.33億ドルに対し、2800万ドルとなった。営業利益の減少は主として、過去の事故年度の事業撤退に関連した当期の準備金の減額ならびに、21st・センチュリー・インシュアランス・グループの少数株主持分の取得に関連した取引・統合費用によるもの。当期、個人向け損保事業の正味収入保険料は、AIGプライベート・クライアント・グループの継続的な伸び、エージェンシー・オート事業部門、新たに加わった自動車保険直販事業のaigdirect.comの堅調な伸びを受け、前年同期から7.8%増加した。
当期、ユナイテッド・ギャランティー・コーポレーションの営業利益は、引き続く米国住宅市場の悪化から損失を被り、前年同期が8500万ドルの利益だったのに対し、2.15億ドルの損失を計上した。当期、欧州、カナダ、オーストラリアの事業の堅調な伸びで米国外の収入保険料が伸びたことを受け、正味収入保険料は前年同期から30.6%増加した。
今年第3四半期、米国外損保事業の営業利益は前年同期から12.4%減少し、6.31億ドルとなった。これは主として過去の事故年度に関する損失の拡大、昨年6月に英国で発生した洪水からの損失、さらに重大ではあるものの異常災害には該当しない災害損失が増加したことが原因している。当期、現地通貨での正味収入保険料は、中南米、アジア、欧州での個人向け商品の伸び、欧州と英国での商業向け商品の伸びを受け、前年同期から11.0%増加した。
今年9月30日時点で、損保事業の正味支払備金は、今年6月30日時点から17.4億ドル増加し、総額669.4億ドルに達した。前年度以前の異常災害に関する今年第3四半期の準備金の純増額は約3.37億ドルとなった。04年から06年までの異常災害に関連する、約7.64億ドルという準備金の純増額は、それ以前の年度の異常災害に関連した準備金の純減額で部分的に相殺された。
【生保とリタイアメント・サービス事業】
今年第3四半期、生保とリタイアメント・サービス事業の実現キャピタル・ゲイン(ロス)調整前の営業利益は、前年同期から6.0%減少し、24.9億ドルとなった。
米国内生保とリタイアメント・サービス事業の営業利益は前年同期から11.8%、米国外生命保険とリタイアメント・サービス事業の営業利益は前年同期から2.4%減少した。
米国内生保の営業利益は、配当型年金商品事業での期間外費用、3000万ドル、SOP第05―1規定(保険契約の改定または切り換えに関連する繰り延べ保険契約獲得費用の会計処理)に関連した繰り延べ買収費用(DAC)償却の増加分、1800万ドル、団体向け生保/医療保険事業の保有契約の収入保険料の減少分を含んでいる。この減少は、生保の保有契約の伸び、配当型年金事業の準備金の増加、両事業での正味投資利益の増加、ならびにスーペリアー・ナショナルとの再保険をめぐる和解に関連した団体向け生保/医療保険事業における5200万ドルの利益により、部分的に相殺された。
今年第3四半期、米国内リタイアメント・サービス事業では、団体向け退職年金商品事業からの手数料収入の増加が正味投資利益の減少で相殺されたことで、営業利益が前年同期を下回った。当期、個人向け変額年金事業でも手数料収入の増加と正味投資利益の減少が見られた。営業利益は、実現キャピタル・ロスの影響による繰り延べ買収費用償却の減少の恩恵を受け増加した。個人向け定額年金商品事業の営業利益は、パートナーシップ事業からの利益の減少、解約の増加、さらに主としてシステム変換に関連した保険数理推定変更のための修整に関連した繰り延べ買収費用償却の増加により、減少した。
今年第3四半期、米国外生保とリタイアメント・サービス事業の営業利益は、パートナーシップ事業、ユニット型投資信託とそのほかの投資からの正味投資利益の減少の影響を受け、前年同期から減少した。これらの正味投資利益の減少は、英国での変額年金商品に関連した運用勘定の損失分7400万ドル、日本における過去に販売した給付保証付き変額商品が日経平均株価の低下の影響を受けた準備金の繰り入れによる損失3600万ドルが含まれている。さらに日本市場では、競争の激化や、事業環境の変化を受けての組織構造強化に関連した経費の増加の影響を受けている。
昨年第3四半期の正味投資利益と営業利益には、ユニット型投資信託事業からの期間外修整に関連した増益分2400万ドルが含まれている。
台湾をはじめとしたアジア地域での生保商品の好調な販売、日本における積立利率変動型終身保険と欧州における投資志向型商品の一時保険料の堅調な伸びは、課税方式の見直しによる影響が出た逓増定期保険の初年度保険料収入の減少を相殺した。日本では競争力のある新しい生前給付付き商品の好調な販売により、変額年金商品の販売が堅調だったが、継続する円安環境が定額年金商品の販売と、その解約に影響を与えている。当期、韓国、台湾および英国での定額年金事業の預かり金は前年同期から増加した。
【金融サービス事業】
今年第3四半期、金融サービス事業の実現キャピタル・ゲイン(ロス)とFAS第133号(デリバティブとヘッジ活動の会計処理)に従った、現在はヘッジ会計処理を行う要件を満たしていない、経済的に有効なヘッジ活動の影響額調整前の営業利益は、前年第3四半期から46.3%減少、3.07億ドルとなった。
当期、航空機リース事業の営業利益は、前年同期の1.57億ドルに対し2.69億ドルとなった。この好結果は、インターナショナル・リース・ファイナンシャル・コーポレーション(ILFC)の保有航空機数の増加、リース料の上昇、利用の増加、航空機資産の売却の収入からもたらされた。
今年第3四半期、キャピタル・マーケット事業部門は、主としてAIGFPのスーパーシニアCDSポートフォリオに関連した3.52億ドルの未実現評価損とリース取引に関連した5100万ドルの期間外修整費用で、5800万ドルの営業損失を計上した。これらの項目は、AIGFPのクレジット商品、金利商品、コモディティーと通貨関連商品分野での好調な取引、さらに特定のクレジッド・デリバティブに対する1.31億ドルの未実現評価益を相殺した。
同社は、AIGFPのスーパーシニアCDSポートフォリオに対し、今年10月時点でさらに約5.5億ドル(税引前)の未実現評価損が出ると推定している。
今年第3四半期、消費者金融事業の営業利益は、前年同期の2.2億ドルに対し8000万ドルとなった。当期、AGFの営業利益は、モーゲージ・バンキング事業でのオリジネーション量(ファイナンススキームの組成量)の減少と保証引当金の増加、さらに貸付損失引当金の増加により、減少した。ただし、厳格な引き受け基準を守ったことで、AGFの不動産ポートフォリオの信用品質の維持ができた。当四半期中、不動産ポートフォリオは主として資産の成熟と現在の市況により、わずかながら低下した。当期、主としてポーランド、タイ、アルゼンチン市場での融資の伸びが、消費者金融事業の利益の伸びに貢献した。
同社消費者金融グループの営業利益は、支店の拡大、買収、販促活動に関連して経費が増加したことで減少した。
【資産運用事業】
今年第3四半期、少数株主持分損益と正味実現キャピタル・ゲイン(ロス)の項目の中で相殺される、同社が管理するパートナーシップとファンドへの投資の影響額調整前の資産運用事業における営業利益は、前年同期から31.1%増加し、3.58億ドルとなった。営業利益の大きな伸びは、主にスプレッド投資の好調な結果によるもの。当期、機関投資家向け資産運用事業の結果は、前年同期と比べた不動産投資関連の利益の減少、ファンド開始に関連した3000万ドルの販売費用、さらに同社が管理する投資商品に移転されるまでの間、同社のバランスシートに一時的に保持されているプライベート・エクイティ投資に関連して生じた5200万ドルの費用により、減少した。
これらの項目は、プライベート・エクイティ投資の繰越持分の増加と機関投資家向け資産運用の増加に関連した管理手数料の増加を相殺させる結果となった。
【そのほかの事業】
今年第3四半期、そのほかの正味実現キャピタル・ゲイン(ロス)と会社間連結・消去調整前の事業からの営業利益は、前年同期が2.71億ドルの損失であったのに対し、4.28億ドルの損失となった。結果は、親会社の借入れ増加による金利負担の上昇、非連結子会社の経費の増加、FAS第133号規定の影響を反映している。
[2007-11-21]
全国生協連、10月の生命・火災共済実績

全国生協連は、2007年10月末の「生命共済」と「火災共済」の加入状況をまとめた。それによると、「生命共済」の当月加入者数は合計で12万1456人となり、この結果、累計加入者数は1352万8169人となった。一方、「火災共済」の当月加入件数は1万4156件で、累計では260万6602件となった。
【生命共済】
「生命共済」の10月単月の加入者数を会員生協別に見ると、埼玉が1万4456人(占率11.90%)、次いで、大阪1万1141人(同9.17%)、東京1万633人(同8.75%)、千葉7198人(同5.93%)、福岡6712人(同5.53%)、愛知5558人(同4.58%)、神奈川4473人(同3.68%)、静岡4154人(同3.42%)、広島3811人(同3.14%)、宮城3294人(同2.71%)、兵庫3268人(同2.69%)、茨城3187人(同2.62%)で、この12単組が3000人を超えている。
累計加入者数では埼玉が224万3993人(占率16.59%)でトップとなり、以下、東京133万5495人(同9.87%)、大阪117万941人(同8.66%)、千葉101万1341人(同7.48%)、愛知66万6840人(同4.93%)、福岡58万9362人(同4.36%)、兵庫49万2779人(同3.64%)、広島46万7281人(同3.45%)、神奈川44万8916人(同3.32%)、静岡42万3534人(同3.13%)、茨城37万8030人(同2.79%)、宮城31万6409人(同2.34%)と続く。
【火災共済】
「火災共済」の10月単月の加入件数を会員生協別に見ると、大阪の1232件(占率8.70%)を最高に、福岡1197件(同8.46%)、東京1189件(同8.40%)、埼玉1130件(同7.98%)、千葉972件(同6.87%)、兵庫745件(同5.26%)、神奈川568件(同4.01%)、北海道461件(同3.26%)、愛知455件(同3.21%)、新潟430件(同3.04%)の順になっている。
累計加入件数では、埼玉が34万1377件(占率13.10%)でほかを大きくリード。以下、東京25万7772件(同9.89%)、大阪24万971件(同9.24%)、千葉21万2360件(同8.15%)、兵庫15万8370件(同6.08%)、福岡15万2925件(同5.87%)、神奈川10万3729件(同3.98%)、新潟9万1109件(同3.50%)、茨城7万5106件(同2.88%)、群馬7万664件(同2.71%)、広島7万347件(同2.70%)、宮城6万4495件(同2.47%)、静岡6万3022件(同2.42%)と続く。
[2007-11-20]
損保料率機構集計、07年7月末の自賠責保険・共済成績

損保料率機構が集計した2007年7月末の自賠責保険・共済成績(速報ベース)によると、内国社、外国社、JA共済、全労済、全自共、交協連トータルで、台数1711万3797台、保険料(掛金)4906億7438万円となった。前年同期からは横ばい。
このうち、内国社は台数1553万2535台、保険料は前年同期から横ばいの4509億6447万円を計上し、シェアは前年度から0.04ポイントアップして、91.91%となった。外国社は9万4832台、3.3%減の24億1859万円で、シェアは0.49%と前年度から0.02ポイントダウン。
AIUが外国社全体の93.19%を占める。この結果、損保合計では1562万7367台、前年同期から横ばいの4533億8306万円となり、全体の92.40%を占めた。一方、共済は合計で148万6430台で、掛金は0.4%減の372億9131万円となった。シェアは7.60%と前年度から0.02ポイントダウンした。
保険・共済合計に占める内国社のシェアは次のとおり。( )内は前年同期。
 ▽東京海上日動
  =23.00(23.55)
 ▽損保ジャパン
  =19.84(19.58)
 ▽三井住友海上
  =14.54(14.29)
 ▽あいおい損保
  =13.89(13.83)
 ▽日本興亜損保
  =8.87(8.77)
 ▽富士火災
  =3.81(3.81)
 ▽ニッセイ同和損保
  =3.07(3.10)
 ▽共栄火災
  =1.95(2.03)
 ▽日新火災
  =1.98(1.93)
 ▽朝日火災
  =0.45(0.46)
 ▽大同火災
  =0.24(0.23)
 ▽セコム損保
  =0.19(0.19)
 ▽エース保険
  =0.05(0.05)
 ▽セゾン自動車火災
  =0.03(0.04)
【原付自賠責】
原付自賠責はこのうち、112万4299台、保険料(掛金)129億638万円で、7.0%の減収。自賠責全体に占める割合は2.63%で、前年度より0.20ポイントダウンした。
[2007-11-20]
本紙調査、07年10月末の自動車・自賠責9社成績

本紙調査の2007年10月末の任意自動車・自賠責保険9社成績(営業保険料の速報ベース)がまとまった。
自動車保険は不払い問題による影響などもあり単月・累計ともに減収基調となっている。単月の9社合計は収保2823億円、0.7%減となり、累計の9社合計は1兆9615億円、0.9%減となった。
一方、自賠責保険の単月の9社合計は収保936億円、6.1%増となり、累計の9社合計は6202億円、1.2%増となった。
[2007-11-20]
米ハートフォード、「5カ国退職後意識調査」結果を発表

欧米やアジアの先進諸国では、既に退職している世代やこれから退職を迎えるベビーブーマー世代が数億人規模に達し、高齢化が進んでいる。多くのシニア世代が老後のゴールデン・エイジを余暇活動や旅行、慈善活動でおう歌したいと考えている反面、退職後も働き続けたいと望んでいる人も増えている。ただ、その現実は容易ではない。
ザ・ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループ・インク(以下「ハートフォード」)が今夏に実施した調査から、中高年層の多くが退職後の生活資金に大きな不安を抱いているにもかかわらず、より豊かな老後の資産形成のために積極的に対策を講じている割合は低く、また、資産形成のアドバイスをどこに求めればいいのか分からないと回答していることが明らかになった。
ハートフォードでは昨年の3カ国退職後意識調査(日本、米国、英国)に続き、今回はドイツと韓国を加えた5カ国で、45歳以上の男女6500人強を対象に意識調査を実施した。同調査は外部調査機関オピナウリ社への委託によりインターネットで行われた。
今回の調査を受け、ハートフォード・ライフの共同最高業務責任者兼インターナショナル・ウェルス・マネジメント&グループ・ベネフィット統括総責任者のリズ・ズラトカス氏は「調査で明らかになったのは、退職後のセカンドライフについてさまざまなビジョンを思い描いているものの、それをどのように実現するかが分からないという各国に共通した傾向。この結果から、長期的な資産目標を達成するために、投資教育や専門家による資産形成のアドバイスの必要性が高まっていることが分かる」と述べている。
ハートフォードは、事業展開する各国・地域で金融の専門家と協力し、退職後に向けた資産形成について、商品の提供だけでなく、資産計画のための教育支援も行う。
「その一環として、米国では、金融専門家や投資家を対象に退職後の備えについてRSC(リタイアメント・ソリューションズ・コンサルタント)と呼ばれるチームを組織し、総合的な資産設計の支援を行っている」という。
主な調査結果は次のとおり。
1.退職後、快適かつ経済的に安心して過ごすための資金について、不安を感じているにもかかわらず、多くは資産状況を向上させる対策を講じていない。
▽日本では、退職後の生活資金に「不安」と回答した87%のうち、「非常に不安」または「かなり不安」と回答した人は52%にのぼる。
▽日本の71%、韓国の68%が過去12カ月で退職後に向けた資産状況が「向上していない」と回答。
2.多くの人が退職後の備えに不安を感じながらも対策を講じていない理由は、資産形成に対する「自信のなさ」と考えられる。
▽日本では69%、韓国では47%が資産形成に対する「自信がない」と回答。
▽資産形成のアドバイスについて、「どこに求めればいいのか分からない」という回答が日本では44%と高い。
▽3カ国(日本、米国、英国)とも、その割合が昨年に比べて上昇傾向にある。
▽日本では、信頼できるアドバイスを求める先として、最も多かったのが「マスコミ」、次に「友人・親戚・知人」が続く。
▽投資リスクを避ける傾向が強かったのは、韓国、ドイツ、日本。
3.退職後、経済的に「最も懸念していること」については、各国で相違がみられる。
▽最も懸念していることとして、「人生を楽しむのに十分な資金の確保」と回答した人は、英国では46%、米国では43%と高い割合が示されたが、日本では25%にとどまった。
▽日本では、43%が「生活水準維持の資金の確保」を最も懸念している。
4.退職後は余暇活動や旅行を楽しむことを思い描く人が多い反面、何らかの形で働き続けるとした割合も高い。
▽日本では、62%が「ペースは落とすが働き続ける」(31%)、「可能な限り現在の仕事を続ける」(20%)、「事業などを始める(11%)と回答。
▽一方、日本でも一番多い回答は「余暇活動」(58%)。
[2007-11-19]
本紙調査、07年9月末の自動車・自賠責保険実績

本紙調査による2007年9月末の自動車・自賠責の実績がまとまった。任意自動車保険(国内16社合計)の9月累計は16社中14社が減収で、合計0.9%減となった。単月での増収は1社にとどまり、16社合計で1.6%減となった。
自賠責保険の保険料の9月末累計は15社合計で0.3%増、単月では3.9%減となった。自賠責保険の件数は累計で0.2%増、単月で3.9%減となった。
一方、人身傷害補償保険の付帯率は累計の15社合計で74.5%、単月は74.0%となった。対物保険金額無制限の付帯率は累計で80.7%、単月で80.9%となった。
[2007-11-15]
本紙調査、07年10月末の損保一般種目速報成績

本紙調査による2007年10月末の損保一般種目9社成績(速報ベース)がまとまった。累計の一般種目合計は収保4兆1747億円、対前年同期から0.3%減となった。一方、単月の収保は5996億円、対前年同期から0.4%減となった。
【自動車】
累計の収保は1兆9615億円、0.9%減。単月の収保は2823億円、0.7%減。
【自賠責】
累計の収保は6202億円、1.2%増。単月の収保は936億円、6.1%増。
【火災】
累計の収保は5976億円、1.2%減。単月の収保は909億円、4.8%減。
【新種】
累計の収保は4700億円、前年度から横ばい。単月の収保は611億円、前年度から横ばい。
【傷害】
累計の収保は3345億円、2.1%減。単月の収保は442億円、3.7%減。
【海上】
累計の収保は1909億円、7.0%増。単月の収保は275億円、3.1%増。
*下表中、傷害保険・一般種目合計の集計数値における「医療・がん保険などの第三分野商品」の加算状況は次のとおり。
▽「1年もの」「長期」とも加算…損保ジャパン、あいおい損保、ニッセイ同和損保、富士火災
▽「1年もの」だけ加算…日本興亜損保、共栄火災
▽「長期」だけ加算…三井住友海上
▽加算なし…東京海上日動、日新火災
[2007-11-15]
富国生命、保険金・給付金などの支払い状況に関する調査結果を
金融庁に報告

富国生命は、2月1日付の「保険金の支払い状況に係る実態把握について」に基づく金融庁の報告徴求に基づき、10月末をもって調査を完了、11月9日、金融庁に調査結果などを報告した。
その結果、追加で保険金などを支払いすることが確定したもの(保険種目ベース)は、2万5947件、13億2600万円となった。このうち2万5111件、12億4300万円の支払いが完了している。
2001年度から05年度の5年間に保険金などを支払った検証対象件数は、個人保険103万2284件、団体保険1万2634件、合計で104万4918件。
支払いに当たって査定を要しない満期返戻金や解約払戻金などの返戻金などについても支払い事務や案内事務のプロセスを検証。現物検証すべきと判断したプロセスについて、同期間に支払った全件の現物検証を行った結果、追加支払いを要すると判断したものは、満期返戻金や遅延利息などで126件(1100万円)、失効返戻金で95件(400万円)、合計で221件(1500万円)が判明した。220件(1500万円)の支払いが完了しているが、支払いが完了していないものについては、引き続き、速やかに手続きを進めていく。
また、同社は再発防止策も提示、各種対策に取り組み、適正な業務運営に努めることを発表した。
同社の再発防止策は次のとおり。
▽顧客からの請求が漏れなく行われるための方策として、「保険金などの支払いに関する情報提供の充実」「顧客自身で確認が可能な仕組みの構築」「請求案内態勢の強化とシステム対応」「請求時の利便性の向上」「営業職員の顧客対応力の向上」を挙げている。
▽請求に対して正確かつ漏れなく保険金などを支払うための方策として、「保険金などの支払い管理部門への経営資源の投入」「支払い査定担当者の人材育成と査定能力の維持・向上」「支払い査定の正確性の向上」「事後検証機能の充実」「苦情処理体制の充実」を挙げている。
▽保険金など支払い管理態勢への経営陣の関与の強化を図るために、「保険金など支払いに関する規定の整備状況への関与」「保険金などの支払い状況などについての経営陣への報告体制充実」などを挙げている。
▽商品開発部門と保険金などの支払い管理部門などとの連携の強化を図るとともに、「顧客に、分かりやすく利便性の高い商品体系の構築」を挙げている。
[2007-11-13]
全労済、9月末「こくみん共済」実績

全労済の2007年9月末「こくみん共済」県別加入状況がまとまった。
全国合計の9月末の被共済者数は540万5491人(契約件数689万3144件)で、契約件数は、06年度末(07年5月末)と比べて、1万6102件の純増となり、増加率は0.23%(当月は4966件の純増)。
被共済者数を地域本部別に見ると、北日本地本63万6882人(契約件数80万4152件)、東日本地本214万8353人(同274万5614件)、中日本地本154万7059人(同194万6335件)、西日本地本97万4226人(同127万6729件)、職域本部962人(1080件)〈森林労連962人(同1080件)とたばこ0人(同0件)の合計〉で、統合部全体では530万7482人(同677万3910件)。一方、単協(新潟)は、9万8009人(同11万9234件)となっている。
[2007-11-13]
スイス再保険、07年第3四半期純利益は15億スイスフラン

スイス再保険は11月6日、過去数年間の精力的な引き受けにより、2007年第3四半期も好業績を維持したと発表した。金融市場が混乱する中、07年第3四半期の同社の純利益は15億スイスフラン(1500億円、1スイスフラン=100円、以下換算略)となった。これは、絶好調だった前年同期と比較して5%減少したが、9カ月累計では23%増加した。この利益を株主資本利益率(年率)に換算すると、第3四半期は18.8%、9カ月累計では17.2%となる。第3四半期の1株当たり利益は3%減の4.2スイスフランとなったが、9カ月累計では17%も増加した。
スイス再保険の最高経営責任者であるジャック・エイグレイン氏は「当社は好業績を維持している。損害保険と生命・医療保険の業績は目覚しいものだ。今期は自然災害クレームの減少により恩恵を受ける形となったが、われわれの業績の強みは統制のとれた引き受けにある。当社は質の高い引き受け、積極的なサイクル・マネジメント、収益を最大にし、利益成長を高めるための資本展開に引き続き注力していく」と述べた。
同社の07年第3四半期の純利益は、06年同期から5%減の15億スイスフランとなったが、9カ月累計では23%増加した。1株当たり利益は、3%減の4.2スイスフランとなった。株主資本利益率(年率)は、07年第3四半期では18.8%、9カ月累計では17.2%となり、同社の当期目標とする13%を継続的に上回っている。継続的な自社株買い戻し、第2四半期の配当金支払い、スイスフランに対する米ドル安などが強固な収益力を一部相殺したものの、株主資本は06年末に比べ、5%増の324億スイスフランに達した。1株当たり帳簿価額は、06年12月31日の86.21スイスフランから92.35スイスフランへ増加した。
同社の投資収益は、17億スイスフランに達し、投資利回り(年率)は、第3四半期が4.6%、9カ月累計では5.3%となった。投資ポートフォリオに対するスイス・リーの慎重な姿勢により、金融市場の混乱による深刻な影響を免れた。株式ポートフォリオが好調であったこと、そして低金利が債券のスプレッド拡大を十分に補ったことなどから、含み益は20億スイスフランから42億スイスフランへと大幅に増加した。
損保事業は好調に推移した。過去数年間の入念かつ集中的な引受業務を明らかに反映して、今期のコンバインド・レシオは過去最低水準の83.4%にとどまり、9カ月では89.7%だった。自然災害保険のクレームと準備金の取り崩しが少なかったことも業績に寄与した。
営業利益は、前年の14億スイスフランから12%増の15億スイスフランに達し、9カ月累計では06年の36億スイスフランから25%増の45億スイスフランに達した。
生命・医療保険事業は成功への道筋を着実にたどっている。死亡保障が今期予測を下回り年初来の推移に沿う形で、従来の事業も好調な動きを見せた。旧インシュランス・ソリューションズ社の上質な引受とGEライフUKアドミン・リーの買収により、営業利益は前年同期比60%増の7.01億スイスフランに上った。営業利益は、9カ月累計で、06年の13億スイスフランから7%増の14億スイスフランに達した。
ファイナンシャル・サービス事業は、好調だった06年第3四半期と比較して、113スイスフランの営業損失となった。その結果、営業成績は、9カ月累計で06年と比較して13%低下した。運用活動はすべて損益計算書上時価評価されるので、運用市場の悪化は直ちに営業成績に反映する。実質的には、同社の積極的な投資により、第3四半期の投資収益への負の影響は比較的軽微にとどまった。
【展望】
ジャック・エイグレイン氏は「当社の年初来の純利益は前年同期比23%増の40億スイスフランとなり、自然災害が平均にとどまれば、好業績の1年が期待される」と述べている。
上質な引き受け、積極的なサイクル・マネジメントへの重点的な取り組みにより、同社は自社株買い戻しによる事業分野への資本配分、また配当金を通じた株主への利益還元を行う姿勢である。同社が変額年金、長寿商品などの新商品に投資を行う一方で、アドミン・リーでのチャンスの継続により、早期の成功と継続的な可能性がもたらされた。
[2007-11-12]
エース・リミテッド、07年第3四半期業績発表

エース・リミテッドは10月23日(バミューダハミルトン)、07年第3四半期(9月30日期末)において、優先配当金支払い後の純利益が前年同期の5億7800万ドル(普通株式1株当たり1.73ドル)に対し、13%増の6億5600万ドル(普通株式1株当たり1.95ドル)となったと発表。
純実現利益(損失)を除いたこの四半期の税引後利益は、前年同期の6億5200万ドル(1株当たり1.96ドル)から6%増の6億9200万ドル(1株当たり2.06ドル)となった。また、純資産はこの四半期に8億5100万ドル増加。
07年1月〜9月期の純利益は、前年同期の16億4000万ドル(1株当たり4.92ドル)に対し、22%増の20億600万ドル(1株当たり5.98ドル)となった。
また、純実現利益(損失)および会計原則変更による累計影響額を除く1月〜9月期の税引後利益は、前年同期の17億800万ドル(1株当たり5.13ドル)から、20億1900万ドル(1株当たり6.02ドル)と18%増加し、純資産は17億ドルと12%増加した。
エース・リミテッドの社長兼CEOのエバン・グリーンバーグ氏は「この四半期は、純資産も増加するなど非常に良好な業績を達成。昨年の第3四半期も記録的な成果を遂げたが、この四半期はそれを上回る好業績となった。1月〜9月期には営業利益、純利益ともに18%、22%とそれぞれ増加。純資産も20億ドル近く増加し、06年末比で12%の増加となった。価格や条件が当社の基準に満たない地域での引受けは見合わせているが、エースは、グローバルな拠点網、幅広い商品、そして引受業務における見識における強みを基に、世界各地で収益機会を確実にとらえている」と述べている。
[2007-11-09]
温暖化対策の経産省、環境省会合で生損保協会が報告

経済産業省と環境省は10月23日、各業界団体における地球温暖化対策における自主行動計画の策定と強化を求める合同会合を開き、金融庁とともにすでに自主行動計画策定済みの生損保協会から取り組み状況が報告された。その直後の10月26日、財務省が現在の目標達成計画でのCO2削減の不足分について、排出権クレジット購入で対応した場合2008年〜12年までの5年間に最大約1.2兆円となるとし、巨額なために納税者の理解が得られないとの見通しを示した。来年6月の洞爺湖サミットでも主要議題になる国内対策が今後一層注目されてくることが予測される。
合同会合では金融庁と生・損保両協会から取り組み状況が報告され、損保協会は、経団連の自主行動計画に基づき、2010年度における電力使用量を対2000年度比で18%削減するという自主目標を理事会で決定。各保険会社における社用車に低排出ガスの導入を促進している。また、都内に所在する自社ビルのオフィスから出る廃棄物を2000年度を基準として2010年度には20%以上削減し、業界全体で最終処分量の数値の把握ができるように努める、廃棄物処理管理体制を確立するなどの目標を立てている。
損保協会は「環境に配慮した事業活動が重要であるという認識のもと、環境保全活動に関する取り組みを積極的に進めている」とし、1996年11月に「損害保険業界の環境保全に関する行動計画」を制定(2006年3月に改定)。1998年から「環境講座」と題した講演ほか、環境にやさしく、交通事故を減らす効果のある「エコ安全ドライブ」を推進してきている。
一方、生保協会は「生命保険業界の環境問題における行動指針」を策定。これを実践するために「生命保険業界の環境行動計画」を定め、電力使用量の削減、ペーパーレス化の推進などに努めている。
しかし、その直後の10月26日、財務省の財政制度審議会財政制度分科会財政構造改革部会で「財政の持続可能性についての分析」の結果が発表された。
地球温暖化対策について現在、政府の目標達成計画の見直し作業で不足見込み分(1.5〜2.7%)の埋めきれない分をクレジット取得で補完しようとすると、過去のEU排出権取引市場にクレジット価格を用いて機械的に試算した場合に、すでに取得している1.6%分と合わせて約2200億円(3.1%分、9ドル/トン)〜約1.2兆円(4.3%分、36ドル/トン)の負担になることが試算された。
財務省はこれだけ「巨額な財政負担は、納税者の理解を得られないことから、国内対策により確実に6%削減約束を達成する必要がある」と対策強化を促している。
国内対策以外にも金融商品取引法内閣府令では、排出権取引に保険会社の子会社や保険持株会社の証券子会社と金融関連子会社などが参入できることになり、市場メカニズムを利用した保険会社の動きが注目されている。
[2007-11-08]
三井ダイレクト損保、自動車保険の保有契約60万件突破

三井ダイレクト損保は10月23日、自動車保険の保有契約数が60万件を突破した。同社は2000年6月の開業以来、主に通信販売により自動車保険を販売、特にインターネットを有効活用することで、顧客の利便性の向上や事務効率化による低価格の保険料の実現、また事故対応サービスなどのサービス強化に努めてきた。
国内の自動車保険市場は、02年度以降減収傾向が続いており、06年度は対前年比増収率0.4%とほぼ横ばいの状況。そのような中、通販型自動車保険を販売する6社(同社ほかソニー損保、チューリッヒ保険、アクサ損保、アメリカンホーム、そんぽ24)の増収率は8.9%と着実に成長を続けている。その6社の中でも同社は40億円の増収により増収率21.9%とトップ、損保業界全体でもトップクラスの成長を遂げている。
今年度上半期末においても、業界大手9社合計の増収率はマイナス0.9%と減収に転じているが、同社は増収率18.6%と好調だ。
同社は成長の要因として次の点を挙げている。
1.通販型自動車保険の浸透
自動車保険を顧客に直接販売する通販型自動車保険が国内に登場して10年が経過する。自動車保険の新しい契約手段として着実に拡大し、06年度末における通販型自動車保険6社合計の保険料は1445億円となっている。
2.インターネットサービスの充実
インターネット利用人口の急速な拡大に伴い、保険もインターネットで見積もり・契約する顧客が着実に増加している環境下、同社はいち早くインターネットサービスの充実に注力してきた。例えば、昨年度以降の取り組みとして、(1)損保業界初のインターネット専用商品を発売(06年11月「e入院保険スーパープラス)、07年6月「eドライバー保険」(2)保険証券を請求しない顧客に対する保険料の割引制度(「eサービス割引」)を業界で初めて導入(06年2月)(3)顧客一人ひとりに用意する「Myホームページ」の中に、事故に関する連絡・相談の履歴表示が可能な顧客と担当者専用の連絡ツール「安心メッセージボード」を開設(06年7月)と積極的だ。同社のインターネットでの契約の割合は06年度末で90.6%にまでのぼる。さらに12月には、顧客がより見やすく使いやすく利用できるようウェブサイトのリニューアルも予定。
3.事故対応サービス態勢の強化
開業当初から「あなたの安心が、いちばん」をコンセプトに親身で誠実な事故対応サービスの提供に努めてきた。顧客との重要な接点であるサービスセンターの態勢強化は顧客への安心の提供に不可欠と位置付け、契約の伸びに先行したサービスセンターの要員数ならびに拠点数の拡大を進めてきた。
付随的な保険金の支払い漏れの調査や支払い漏れのあった保険金の支払いは完了し、現在は教育・研修態勢の再構築、ツールの整備、支払い漏れ警告機能を追加したシステム投資などによりチェック態勢を整備し、再発防止策を徹底していくという。また、顧客の安心と利便性をより一層向上させるためのウェブを活用した新しい事故対応サービスの開発にも取り組み中。
[2007-11-06]
生保文化センター、07年度上期の相談件数1317件に

生保文化センターは、2007年度上期(同年4月〜9月)に受け付けた生命保険の相談に関するリポートを作成、発表した。
それによると、同期間に受け付けた一般消費者からの生命保険に関する相談件数は、1317件と前年同期(06年度上期)に比べ若干減少(67件減、4.7%減)した。
このうち「一般相談」は1294件(06年度上期:1339件)となり、前年度を下回った。
相談件数の推移を見ると、05年度上期の1069件(うち「一般相談」1023件)から05年度下期は1461件(同1361件)と大幅に増加、その後、06年度上期1384件(同1339件)、06年度下期1168件(同1135件)と減少傾向にあったが、07年度上半期は再度増加した。
「一般相談」の主な特徴は、相談者の意向別に見ると、「生命保険の仕組みに関する相談」(279件、21.6%)、「各種手続きに関する相談」(179件、13.8%)、「告知義務についての相談」(104件、8.0%)が上位を占める構成に変化はなかった。
第5位は、06年度上期・下期は「保険料負担を減らしたい」だったが、07年度上期は「商品選択のポイントについて教えてほしい」と入れ替わった。
「保険料負担を減らしたい」という相談は、03年度第1位(483件)、04年度第3位(245件)だったが、年々減少しており、06年度上期は第6位(70件)だった。
相談者の意向をより明確に把握するため、具体的相談内容別に見てみると、「保険金不支払い」報道などから、「不支払い」に関する直接的な相談は若干の増加だったが、給付金が支払われる条件や通算限度などの一般的な問い合わせが増えた結果、「保険金・給付金の支払い基準について」が106件と、06年度に引き続き増加した。
満期や払込満了を迎えた人などから配当金の仕組みを中心とした「保険料・配当金について」の相談が70件と若干増加した(06年度上期41件、同下期44件)。
生命保険加入検討の相談は221件で、加入を検討している保険の内容は、医療保障(92件、41.6%)、死亡保障(80件、36.2%)、老後準備(16件、7.2%)、契約条件緩和型商品(15件、6.8%)の順となった。加入を検討している保険の種類のトップは医療保険(特約含む)だった(39.4%)。
「生命保険会社の経営に関する相談」は23件(占率1.8%)となり、06年度上期(45件、占率3.3%)と比べ、約半分の水準となった。
同センターへの相談の理由を見ると、「客観的・中立的な意見を聞きたい」が768件(58.3%)、「保険の専門家に相談したい」が454件(34.5%)など(理由の判明分のみ)。
相談者の属性は、女性が多く63.2%を占めた。年代別には、女性は40代、男性は50代が多い。被保険者の属性は、男性が女性を上回り58.0%を占めた。年代別には男性・女性ともに50代が多い。
[2007-11-05]
フィデリティ退職・投資教育研究所、
退職前後の経済生活に関する調査リポート発表

フィデリティ退職・投資教育研究所は10月30日、主に50歳代から80歳代までを対象に行った退職前後の生活費にかかわる実態や退職準備の意識に関する調査リポートを発表した。リポートによると、66.2%の人が退職を境に必要経費が下がると考えていたのに対し、実際「下がった」と答えたのは全体で56.2%にとどまり、逆に「変わらない」もしくは「上がった」という回答が合わせて43.8%と、退職後の生活費は一般の認識に反して意外に下がらないということが分かった。また、退職後の資金準備に対し「満足している」と答えたのはわずか16%にとどまり、不満の要因として「もっと勉強しておけばよかった」が56%と最も多く、次に「もっと早くから始めるべきだった」「計画性がなかった」など、計画的な資金準備の遅れを指摘する声が多く挙がった。実際、別々の設問で聞いた「年金以外に必要と考える資金総額(3044万円)」を、「年金以外に必要と考える毎年の資金(186万円)」で割ってみるとわずか16.4倍にとどまり、60歳定年を前提とすると76.4歳までの資金計画しかできていない計算になる。それゆえに準備額が不十分かもしれないとの懸念からか、68%が「資産の取り崩しに関して抵抗がある」と答え、この傾向は高齢になるほどより高くなることが今回の調査で明らかになっている。
 【調査結果ポイント】
 ○退職前後の生活費について、66.2%の人が退職を境に必要経費が下がると考えていたのに対し、実際「下がった」と答えたのは全体で56.2%。逆に「変わらない」もしくは「上がった」という回答が合わせて43.8%と、退職後の生活費は一般の認識に反して「思ったより減らない」ことが明らかに。
 ○具体的な支出では退職前に比べ上がった支出項目として「趣味(58.3%)」「旅行費(53.6%)」「医療費(49.3%)」が上位3位を占め、逆に下がった項目として「交際費(58.8%)」「食費(47.6%)」「交通費(40.3%)」が挙げられた。
 ○退職後、年金以外に必要な資金の総額(3044万円)を年金以外に毎年必要とする金額(186万円)で割ったところ、平均で16.4年分、50歳代では13.8年分となった。60歳定年を前提に考えると、平均で77歳、50歳代では74歳までを前提に計画しているということになる。
 ○退職に向けた準備に「満足している」と答えたのはわずか16%、不満の要因としては「もっと勉強しておくべきだった」が最多。
 ○生活費のために資産を取り崩すことに「抵抗がある」と回答したのは全体の68%。「抵抗なし」は31.9%。
 ○「子どものために取り崩しを控える」と回答したのはわずか7.2%、自分(と伴侶)の生活を優先するという回答は全体の92.8%。
 ○万が一金融資産が不十分であった場合、保有土地や相続税など退職準備以外の資産を使う余地のある人を除くと「年金の範囲内でやりくりする(67.7%)」が最も多い。
 【調査結果解説】
 雇用者数がほかの世代と比べ2割から5割多いといわれている団塊世代の退職が2007年から本格的に始まり、退職人口の増加に伴う社会や経済への影響について現在各方面から議論が行われている。フィデリティ退職・投資教育研究所でも、幅広い世代へ退職後の資産形成に関する情報発信を行うに当たり、その影響や実態を調査することは不可欠と考え、今回その動向を把握するため調査を行った。
 (1)退職後の必要経費:退職後の生活費は思ったより減らない
 今回の調査で、退職後の生活費が退職前と比べどのように変化するか対象者全員に聞いたところ、「(退職前に比べ)下がると思った(66.2%)」が最も多く、続いて「変わらない(28.8%)」「上がると思った(5%)」となった。
 そこで退職した人に実態を聞くと、実際に「下がった」と答えたのは全体で56.2%となり、逆に「変わらない(36.6%)」もしくは「上がった(7.2%)」という回答が合わせて43.8%と増え、退職後の生活費は一般の認識に反して「思ったより減らない」ことが明らかになった。
 特に年齢別では60歳から64歳が退職前後で「下がると思った(69.3%)」→「実際下がった(54.7%)」、「変わらない、もしくは上がる(30.6%)」→「実際変わらなかった、もしくは上がった(45.3%)」と、予想と現実のギャップが最も顕著となった。
 具体的な支出を見てみると、退職前に比べ上がった支出項目として「趣味(58.3%)」「旅行費(53.6%)」「医療費(49.3%)」が上位3位を占め、逆に下がった項目として「交際費(58.8%)」「食費(47.6%)」「交通費(40.3%)」が挙げられている。
 調査時に寄せられた自由回答の中でも、老後の楽しみや自由を求める声と合わせ、「退職後の国民健康保険料の負担を考えていなかった」「医療費がかさむ」といった医療費に関する懸念や、全体の10%が自身の親、36%が子どもの面倒をみているなど、世代間扶養にかかわる出費も含め、想定外の出費があったことが今回の調査から明らかになった。
 (2)退職資金準備:予想した金額はほぼ達成、ただしもともとの必要資金の見積もりが甘く実際は足りないという懸念も
 次に、年金以外に必要な退職後の資金準備額の予想を聞いたところ、回答者の平均は約3044万円、退職時点で達成した資産額は平均3626万円で、57%が1000万円から4999万円となり、平均的には必要と認識している目標額以上の準備ができていることが分かった。
 しかし、退職後の年金以外に必要な資金総額については、年金以外に毎年必要な金額の16.4倍(全体の平均)にとどまっている。また、50歳代でその数値は13.8倍となっており、60歳定年を前提とすると、全体平均で76.4歳、50歳代では73.8歳までしか資金計画ができていない計算となる。
 また、退職後の準備について自己評価してもらうと、「満足している」と回答した人はわずか16%で、「満足していない」が37%と、3人に1人が退職準備に満足していないことが明らかになった。
 その不満の要因について聞いてみると、満足していないと答えた人のうち半数以上の56%が「もっと勉強すべきだった」と答え、17%が「もっと早めに始めるべきだった」と回答。そのほか(19%)の中には「計画性がなかったと反省」「出費を抑えるべきだった」「年金をあてにしすぎた」など、計画的な資金準備不足と無駄な支出に関する反省が多くみられた。
 (3)不十分な準備に対する対応:資産の取り崩しには抵抗感、「年金の範囲内」で何とかするという考えが多数
 さらに今回の調査からは、退職の備えが不十分であるという意識からか、現在の資産を取り崩すことに対し慎重な姿勢も見られた。資産の取り崩しに関する質問では、68%の人が生活費のために資産を取り崩すことに抵抗があると回答しており、その傾向は高齢になるほど強いという結果が出た。
 また、相続に関する設問でも、「子どものために取り崩しを控える」と回答したのはわずか7.2%で、「自分(と伴侶)の生活を優先する」という回答が92.8%と、現在の資産額が自身の生活に十分であるか自信が持てずにいる退職者層の姿がみてとれる。
 また、万が一金融資産が不十分であった場合の対処として、保有土地を売却する(19.8%)、相続税を受け取る予定(2.2%)といった退職準備金以外の資産を使える余地のある場合を除き、「年金の範囲内でやりくりする」といった回答が67.7%と、全体の3分の2を占めることが分かった。
 【所長のコメント】
 今回の調査結果について同研究所の野尻哲史所長は次のように述べている。「今回の調査で明らかになった退職後に思いのほか経費がかさむという事実、また、これまで退職準備をした人の多くが、結果に不満足と感じていることを考えると、今、退職に向けた準備をしている人、またこれから準備をする人も、今後、より綿密・計画的に対策をとることが必要であるといえるだろう。今後は調査の実態を通じ各方面の有識者にこうした課題を投げかけることで、老後の備えに関する議論がますます活性化することを期待している」
 【調査概要】
 ▽調査期間:07年6月22日から7月24日
 ▽実施者:フィデリティ退職・投資教育研究所
 ▽調査対象:全国の主に50代から80代の退職前、もしくは既に退職した男女
 ▽調査方法:インターネット
 ▽有効回収数:724
 ※調査結果サマリーおよび調査リポートはフィデリティ退職・投資教育研究所が運営する『フィデリティ・リタイアメント情報ポータル』www.retirement.fidelity.co.jp上で10月30日から公開している。
[2007-11-05]
T&Dホールディングス、08年3月期中間期連結業績予想を修正

T&Dホールディングスは10月31日、2008年3月期中間期連結業績(07年4月1日〜9月30日)予想を次のとおり修正した。
 前回発表予想は07年5月17日。
 【経常収益】
 ▽前回発表予想(A):1兆1000億円
 ▽今回修正予想(B):1兆1380億円
 ▽増減額(BマイナスA):380億円
 ▽増減率(%):3.5%
 【経常利益】
 ▽前回発表予想(A):700億円
 ▽今回修正予想(B):1010億円
 ▽増減額(BマイナスA):310億円
 ▽増減率(%):44.3%
 【中間純利益】
 ▽前回発表予想(A):220億円
 ▽今回修正予想(B):330億円
 ▽増減額(BマイナスA):110億円
 ▽増減率(%):50.0%
 当初予想に比べ、投資信託やプライベートエクイティの分配金の増加などにより利息及び配当金等収入が約230億円増加したこと、国内株式の売却などにより有価証券売却益(ネット損益)が約140億円増加したことなどにより、経常利益が310億円の上方修正、中間純利益が110億円の上方修正となる見込み。
[2007-11-02]
少子化社会白書が閣議決定

政府はきょう2007年版「少子化社会白書」を閣議決定し、国会に提出する。第4回目の提出となるこの白書は、保険商品の設計にも大きくかかわる「新人口推計」について、2055年まで見通した場合に単純に人口規模が縮小するだけでなく、労働力、世帯、地域などの「姿」そのものである「人口構造」が大きく変化することにも注目する必要があると指摘。ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた働き方改革などの課題を整理した。また、日本だけではなく、海外の少子化の状況も報告している。
少子化社会白書は、少子化社会対策基本法第9条により、毎年国会に提出されている年次報告書で、今回が4回目の提出になる。第1部は、少子化の現状、新人口推計について記述するとともに、少子化対策の重点戦略の基本的方向性として、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた働き方の改革、多様な働き方を支える子育て支援サービスの実現などについて課題を整理している。第2部は2006年度に講じた少子化対策を「少子化社会対策大綱」の項目順に記述している。
「新人口推計」について2055年には日本の合計特殊出生率は1.26、総人口は9000万人を下回り、4割が65歳以上の高齢者で1年間に生まれる子どもの数が50万人を下回るという見通しを示した。
厚生労働省の社会保障審議会「人口構造の変化に関する特別部会」における「出生等に対する希望を反映した人口試算の公表に当たっての人口構造の変化に関する議論」を記載し、人口ピラミッドの変化について05年実績と30年、55年という3段階を図で記述した。05年の人口が多いピークは30代前半と50代後半になるが、30年には50代後半とともに80代前半にピークがきており、さらに、55年にはピークは80代前半の一本に絞られる見通しが示された。20〜64歳の人口と65歳以上の人口を比較すると、05年は3対1になるが、30年は1.7対1、55年は1.2対1となった。
白書ではまた、今年2月に政府が設置した「子ども家族を応援する日本」重点戦略検討会議の状況を紹介した。会議は2〜5月まで各分科会を3〜5回開催し、各分科会の論点を整理。6月にまとめた中間報告では、少子化を解決するためにワーク・ライフ・バランス実現のための働き方改革を最優先課題と指摘した。多様な働き方ができるよう、子育て支援サービスを再構築するとし、実効ある対策を進めていくための一定規模の税制投入に必要な財源を税制改革や社会保障制度の中で総合的に検討することなどが報告されている。
このほかにも白書では世界の人口について、世界全体としては急激に増加していることを記述。しかし、国連推計の合計特殊出生率によると、05年〜10年平均で2.55となる出生率は低下傾向が続き、45年〜50年平均では2.02となることが示されている。特に日本を含めて欧米諸国などの先進地域の国々では2.1を下回り、アイスランドと米国が2.05ともっとも高いが、フランス、アイルランド、ノルウェー、オーストラリア、デンマーク、フィンランドが1.8〜1.9台、次いでスウェーデン、イギリス、ルクセンブルク、オランダが1.7台となった。さらに、ギリシャ、イタリア、スペイン、ドイツなどは1.2〜1.3台の低い水準で推移している。
一方、アジアでは、ラオスが4.6、パキスタン4.0、カンボジア3.9などと高い国がある一方、香港0.98、台湾1.12、韓国1.13など東アジアの国や地域では「超少子化」といえる状況が浮上していることを報告した。
白書は、アジアの主な国の少子化対策の動向を紹介し、韓国では低出産対策として今後5年間に約19兆ウォン(約2.5兆円)を投入、10年までにOECD諸国の平均である1.6まで回復させることを目標に、産前、産後90日間の出産休暇や子どもが1歳まで取得可能な育児休暇のほか、保育サービスとして公営と民間の保育所、事業所内保育所と家庭型保育所を制度化している。
また、シンガポールでは、独身者対策として国営の「お見合いセンター」が知られていたが、今後はそれを廃止し、民間のお見合い産業に対して補助金などにより、間接的に支援する仕組みに以降する予定であることを紹介した。
内閣府は「年々少子化は厳しくなるが、見通しは少しずつ変化している。今回の特徴は、重点戦略会議の中間報告を盛り込んだことで、今後の少子化の課題として働き方改革を挙げている」(共生社会政策担当)としている。
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