2023.01.23 東京海上日動 募集・契約管理・請求手続までウェブで完結、ドローン保険プラットフォーム構築へ メーカー・販売店・業界団体等に提供

東京海上日動は2022年度内に、ドローン保険の募集から契約管理、保険金請求までをウェブで完結させるプラットフォームを構築する。ドローン保険に関する手続きを全てオンライン上でできるシステムは損保業界初となる。国内で販売される全てのドローンメーカーの製品が対象となり、メーカーや販売店、業界団体などへの提供を通じて、今後、発展が見込まれるドローン産業を支援していく考えだ。
同プラットフォームは、保険募集、保険料決済、契約管理、保険金請求、加入者向けマイページなどの基本機能を備えるシステムとして開発を進めている。現在もドローン購入者に保険を提供する企業や団体はあるが、保険募集や契約管理、保険金請求などの手続きに紙の書類を使っているケースが多い。
ドローン保険は主に、機体の損壊リスクに備える動産総合保険と、第三者への損害賠償リスクに対応する施設賠償責任保険や賠償責任保険特約を組み合わせたもので、他にドローン特有のリスクをカバーする特約などを付帯する。保険料は個人向けだと数万円~数十万円、事業者用だと数十万円~数百万円になる契約もある。
同プラットフォームで提供するドローン保険の対象は、基本的に国内で販売される全てのメーカーの製品で、顧客の運行形態や使用目的に応じて補償内容を選択できるようにするなど、抜け漏れのない最適な保険提案を可能にするものとなる。メーカーや販売店、業界団体、UTM事業者などにプラットフォームを提供し、それらの企業・団体を通じて加入を募っていく。
航空法の改正で22年6月にドローンの登録が義務化され、7月末までに約29万台のドローンが登録されている。12月には、有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行、いわゆるレベル4が実現しており、今後のさらなる利用拡大が期待されている。
同社は19年10月からドローン保険を販売しており、21年度の契約件数は前年度対比で1.4倍に増えている。プラットフォーム構築に当たってはドローンメーカーなどの意見を取り入れており、顧客や事業者の利便性を重視している。現在は開発の最終段階で、22年度中にはリリースする。ドローン利用の規制緩和に合わせてプラットフォームを提供することにより、事業者の保険募集による保険加入機会の増加とともに、ドローン運航者の賠償資力の確保等を通じて安心・安全なドローン活用社会の実現に寄与していく考えだ。
プラットフォーム開発に携わる担当部署では、「今後、レベル4の実現によって人の上を多くのドローンが飛行するようになるとドローン運航者の保険加入が不可欠になる。当プラットフォームを利用する事業者の方を通じて保険をしっかりお届けすることによって安心・安全なドローン利用を浸透させ、ドローン市場全体の活性化を支援していければと考えている」として、今後のプラットフォームの普及に意欲を示している。