2021.10.19 朝日生命 各疾患の要介護リスク研究成果活用、引受基準緩和型介護年金を発売

朝日生命は10月4日から、「かなえる介護年金(正式名称:5年ごと利差配当付引受基準緩和型介護年金保険(返戻金なし型))」の販売を開始した。持病(既往症)があるなど健康上の理由で、これまで介護保険への加入が難しかった人向けに提供するもので、五つの告知事項に当てはまらなければ申し込みができる。同社は2018年4月から東京大学大学院医学系研究科糖尿病・生活習慣病予防講座と共同研究を行っており、各疾患の要介護状態に至るリスク評価に関する研究の成果を、保険引受基準の拡大に活用することで開発した。

 高齢化に伴い、要支援・要介護の認定者数は今後も増加することが予測され、「介護の備え」に対するニーズもさらに高まっている。また、要介護認定者の介護期間は長期にわたるケースが多く、継続的にかかる介護費用の準備は不可欠だ。介護サービスを受けた場合、利用したサービスには自己負担が発生するため、介護にかかる経済的な負担に備える必要がある。しかし、介護保険への加入を希望しても、持病(既往症)等の理由によって加入できないケースも多いことから、朝日生命はより多くの人が介護に備えることができる保険を開発した。
 「かなえる介護年金」は、①最近3カ月以内に、医師から入院、手術もしくは放射線治療をすすめられたことがあるか。または、最近3カ月以内に、医師から入院、手術もしくは放射線治療の説明をうけたことがあるか②過去2年以内に、所定の傷病(注)またはその疑いで医師の診察・検査・治療・投薬をうけたことがあるか③過去5年以内に、アルツハイマー病、軽度認知障がい(MCI)、認知症またはその疑いで医師の診察・検査・治療・投薬をうけたことがあるか④過去5年以内に、公的介護保険制度の要介護・要支援の認定をうけたことがあるか。または、現在、公的介護保険の申請中か⑤現在、障害程度等級1~4級で身体障害者手帳の交付をうけているか。または、現在、身体障害者手帳の申請中か―の五つの告知事項に当てはまらなければ申し込みができる。
 介護年金は、公的介護保険制度に基づく要介護3以上の状態に該当していると認定されたときに第1回介護年金額を支払う。第2回以降は、第1回介護年金の支払日の毎年の応当日に生存していたときに第1回と同額を支払う。また、第1回介護年金の支払開始前に死亡したときは、死亡給付金として第1回介護年金額を支払う。なお、災害による高度障害状態、災害による身体障害状態のときは、以後の保険料払込みを免除する。
 介護年金の種類は、契約時に、有期年金(5年・10年・15年)と終身年金の計4種類の中から選択することができる。
 契約年齢範囲は40歳~79歳で、介護年金額は10万~200万円(1万円単位)。定期タイプの保険期間・保険料払込期間は70~80歳(5歳きざみ)、終身タイプの保険料払込期間は60歳~90歳(5歳きざみ)、終身。
 保険料例(月払口座・クレジットカード料率)は、保険期間・保険料払込期間:終身、介護年金額60万円の場合、40歳男性・有期年金5年で6120円、同10年で9342円、同15年で1万1640円、同終身年金で1万5492円。40歳女性の場合、有期年金5年で6042円、同10年で9912円、同15年で1万3014円、同終身年金で2万1480円。
 また、介護年金額30万円の場合で、60歳男性・有期年金5年で5886円、同10年で8385円、同15年で9792円、同終身年金で1万1079円。60歳女性の場合、有期年金5年で5493円、同10年で8919円、同15年で1万1457円、同終身年金で1万5594円などとなっている。
 (注)がん(悪性新生物、肉腫、白血病、上皮内がん含む)、脳梗塞、脳出血、一過性脳虚血発作(TIA)、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、肺気腫、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アルコール依存症、統合失調症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、脊髄小脳変性症、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症、骨折を伴う骨粗鬆症、後縦靭帯骨化症、脊柱管狭窄症、両下肢変形性関節症、脊髄症、脊髄損傷、慢性心不全、慢性腎不全、肝硬変、関節リウマチ、ウェルナー症候群。