2021.10.20 SOMPOHD 豪インシュアテックに55億円出資、アジアで組込型保険を推進

SOMPOホールディングスは9月28日、傘下のSompo Holdings(Asia)Pte. Ltd.(以下、Sompo Asia)が、エンベデッド・インシュアランス(組込型保険)分野のインシュアテックのリーディングカンパニー、 Cover Genius Pty Ltd (本社:オーストラリア・シドニー、以下、Cover Genius)へ約55億円(1ドル=109.9円換算)の戦略的出資を行うことで合意したと発表した。

 エンベデッド・インシュアランスとは、保険商品や延長保証をパートナー企業が提供するサービスに組み込み、顧客の消費行動の中で直接顧客に保険を提供していく仕組みのこと。Cover Geniusは2014年設立で、旅行サイトを運営するBooking HoldingsやSkyscanner、ECサイトを展開するShopeeなどをはじめとするグローバルデジタル企業とAPI提携し、あらゆる国や言語、通貨で顧客ごとに個別設計した保険を提供している。
 また、米国50州と世界60カ国以上で保険ライセンスを取得しており、賃貸人、家主、住宅所有者、企業向けの損害保険、フィンテックと銀行向けの保険プログラム、小売業者、ギグワーカー、物流プラットフォーム、サイバーセキュリティ企業、オンライン旅行会社、レンタカー会社、航空会社向けのソリューションなどに対してグローバルに保険機能を提供している。
 今回の資金調達ラウンド(シリーズCラウンド)は、新規株式の発行(プライマリー)と、投資家間での売買(セカンダリー)によって構成され、世界的に著名なフィンテック投資家であるG Squaredのほか、Cover Geniusの設立初期の支援者であるKing River Capital、 Marinya Capital、 Regal Funds Management も出資した。
 Cover Geniusは、今回の資金調達ラウンドで調達した総額約80億円の資金を活用し海外展開を加速させる。また、Sompo Asiaは、Cover Geniusの提供する保険と延長保証のデジタルプラットフォーム「XCover」(パーソナライズされた保険と優れた購入プロセスを提供する業界不問のグローバル保険流通プラットフォーム)を活用することで、顧客ごとにオーダーメードで設計した保険商品を提供していく。
 Sompo Asiaは現在もCover Geniusと複数のプロジェクトを進めており、Cover Geniusが提供するデータ分析フレームワーク「Bright Write」により、提携パートナーのプロセス最適化を実現する。また、保険金支払いシステム「XClaim」は、提携パートナーがグローバルにエンベデッド・インシュアランスを展開することを支援しており、SOMPOホールディングスは、Sompo Asiaの保険引受能力に、Cover Geniusの保険ライセンスとデジタルテクノロジーを加えることで、急成長中のエンベデッド・インシュアランス市場におけるリーディングポジションを目指す。
 Cover Geniusとの提携は、まずアジア14カ国で開始し、その後グローバルに拡大しSOMPOグループのデジタルトランスフォーメーションを推進していくとしている。
 今回の戦略的出資について、Sompo AsiaのCEO、 Daniel Neo氏は「Cover Geniusと複数のプロジェクトを進めるなかで、同社の組織力とグローバル・ケイパビリティにとても感銘を受けた。また、エンベデッド・インシュアランスの将来性にも強く期待している。Cover Geniusは、この急速に発展する新たな保険市場において、独自の地位を築いている。Sompo Asiaでは、Cover Geniusと共通の価値を創造し、今回の投資を通じて、デジタル・イノベーションを実現することで、顧客満足の向上を目指していく」とコメントしている。
 また、Cover GeniusのCEO共同創業者、 Angus McDonald氏は「この提携を通じてグローバルにお客さまに新たな補償を提供することで、エンベデッド・インシュアランスはさらなる発展を遂げると認識している。今回の資金調達により、革新的なソリューションを新たな市場に展開していくことで、事業を急速に拡大していく」と述べた。