2020.08.05 ■あいおいニッセイ同和損保 新型コロナ感染症の利益補償を拡大、飲食店等向け総合パッケージ発売[2020年]
あいおいニッセイ同和損保は7月下旬から、新型コロナウイルス感染症に関連して飲食店や旅館・ホテル等が支出する費用について、アクリル板・ビニールカーテン設置費用や超過人件費など事業者が負担する損害を総合的に補償する新商品の販売を2020年10月以降保険始期契約分から開始した。食中毒・特定感染症利益補償特約に「新型コロナ等対応費用補償」をパッケージした商品。
あいおいニッセイ同和損保が今回、旅館・ホテル、飲食店向けに販売を開始した商品は、①施設の所有・使用・管理もしくは施設の用法に伴う仕事の遂行に起因する対人・対物事故により法律上の損害賠償責任を負担することによる損害②生産物または仕事の結果に起因する対人・対物事故により法律上の損害賠償責任を負担することによる損害―を補償する「基本補償」と、食中毒・特定感染症(新型コロナウイルス含む)の発生による営業の休止・阻害によって生じた損失(喪失利益等)を補償する「食中毒・特定感染症利益補償」、それに「弁護士費用補償」に加え、新たに、保険証券記載の対象施設で新型コロナウイルス感染が発生し保健所等による措置がなされた場合に、事業者が被る9項目の費用損害を定額で補償する「新型コロナ等対応費用補償」をパッケージした商品。
事業者が被る損害として、①来場者が感染したため、施設の消毒を実施したなどの「消毒・清掃費用」②飛沫感染対策のため、アクリル板を設置するなどの「レイアウト変更費用」③従業員が感染し2週間の自宅待機が必要になったため、その間の代替人員を雇用したなどの「臨時雇入費用」④従業員が感染し自宅待機が必要になったため、その間ほかの従業員が残業を余儀なくされたなどの「超過人件費」⑤ホームページへの掲載、新聞広告などの「社告・広告費用」⑥一時的にテイクアウト専門店に変更するため、持ち帰り用の容器、箸(はし)、ビニール袋等を取り揃えるなどの「業態変更に伴う費用」⑦感染により休業したため、仕入れていた食材を廃棄したなどの「在庫品廃棄費用」⑧施設において感染者が発生したことを利用者へ郵送で案内を行うなどの「施設利用者等に対する通信費・郵送費」⑨施設で感染が発生したため、その後の対応策について専門家に相談したなどの「コンサルティング費用」―が示されている。
補償額は、「基本補償」「食中毒・特定感染症利益補償」は契約に応じて個別に設計、「弁護士費用補償」は1事故・保険期間中につき100万円限度で、「新型コロナ等対応費用補償」については、事業者の規模に応じて20万~最大1000万円を契約時に設定(定額)する。
あいおいニッセイ同和損保は、飲食店や旅館・ホテルなどで従業員や来場者が新型コロナウイルス感染症に罹患(りかん)したことが判明した場合に、事業者が被る損害を補償する保険商品として、これまで食中毒・特定感染症利益補償特約を販売しているが、当該特約で補償の対象となる損害は喪失利益と人件費・テナント料などの固定費に限られていた。しかし、新型コロナウイルス感染症の発生により事業者が負担する損害は、これらに限らず店舗のレイアウト変更や来店型店舗から宅配・デリバリー型への業態変更に掛かる費用など多岐にわたり、このような各種費用を幅広くカバーできる保険のニーズが高まっていることから、既に販売している新型コロナウイルスに関する利益補償を拡大した総合パッケージ商品として発売したもの。
同社は、新型コロナウイルスの感染拡大で、厳しい経営環境に置かれながらも日々尽力している事業者を支えるため、事業者が抱えるリスクに対して、本商品の提供を通じて安心・安全な事業活動をサポートしていくとしている。