2020.05.11 ■損保ジャパン スペースシェアリングプラットフォーマー保険提供[2020年4月23日]
損保ジャパンは4月23日、㈱スペースマーケット(東京都新宿区、重松大輔代表取締役社長)と共同で、シェアリングエコノミー業界で初めて(同社による)の被害者補償型の保険となるスペースシェアリングプラットフォーマー専用保険を開発したと発表した。また、同社は、一般社団法人ODR事業者協会に参画する等、デジタル経済の発展に伴い増加しているトラブルの迅速・公正な解決を提供し、トラブルにおける被害者の泣き寝入りをなくす社会を目指すとしており、本保険は、被害者の迅速な救済を可能とするものとして、同社のODR(Online Dispute Resolution:オンラインでの紛争解決)の社会実装に向けた取り組みの第一歩となるとしている。
㈱スペースマーケットは、あらゆる場所を1時間単位から貸し借りできるスペースシェアのプラットフォームサービスを展開している。同社サイトに掲載中のスペースは現在1万2000件以上で日本最大級。スペースのジャンルは、イベントスペース、会議室、撮影スタジオ、飲食店、住宅その他多岐にわたり、さまざまなスペースがシェアされ、需要が高まっている。
本保険は、スペースシェア事業者・ホスト(スペースを貸す人)・ゲスト(スペースを借りる人)が、シェアリングサービス利用中に被った財物の損壊や身体に傷害を被ったことによる損害やトラブルを解決するための費用を補償するもの。また、それぞれが第三者に対して負う法律上の賠償責任や解決費用等も対象とすることで、スペースシェアリングに関わるリスクを総合的に補償する。
また、「LINE」を活用することで、契約者は、事故時の損保ジャパンとのやり取りをチャットで行えるようになるほか、これまで契約者が郵送していた書類(領収証や損害写真等)を、チャット上で画像送信することができ、被害を受けた契約者は保険金請求に必要な情報を同社に迅速・簡便に連絡することが可能になる。保険金請求から損害の確認、支払い手続までに要する期間は従来の2~3週間から最短30分に短縮することが可能になるとのこと。「LINEを活用した保険金請求サービス」は、2020年夏から提供スタートの予定。
シェアリングエコノミーは、ICTの進展や、消費者意識の変化を背景とした新たな経済活性化の取り組みとして注目され、一定の浸透もしてきているが、利用に当たっては補償等による安心・安全の確保が求められている。一方、保険会社は従来の保険の枠組みの範囲で補償を提供していたため、シェアリングエコノミーのシェア事業者や利用する顧客のニーズに応えきれていない部分があった。
この状況を踏まえ、損保ジャパンは、スペースシェア事業者(プラットフォーマー)が契約者となり、スペースシェアリング利用者がトラブルによって被る物の修理費やケガの治療費のほか、収益、その他の費用等も幅広く補償できる保険を開発したもの。
損保ジャパンは、今後もその他のシェアリングプラットフォームに対する専用の保険商品を開発する予定で、さまざまな分野のシェアリングエコノミーに対応した保険商品の開発により、安心・安全・快適なシェアリングエコノミーの発展・推進を支援していく。また、「LINEを活用した保険金請求サービス」と最先端のテクノロジーを組み合わせることで、保険金請求手続きに限らず、ODRの機能の提供をはじめとしたインターネット取引におけるトラブルの早期解決に資するサービスの拡充を行い、安心・安全なデジタル社会の実現を目指すとしている。