2020.05.08 ■AIG損保 飲食事業リスクを包括補償、「新パッケージソリューション」提供[2020年]

 AIG損保は4月下旬から、飲食産業を対象に「新パッケージソリューション」の提供を開始した。レストランなど外食チェーン事業者にリスクコンサルティングを行った上で、保険商品や事故防止サービス、事故解決サポートなどで包括的に支援する。同社がもともと強みを持つ飲食産業を皮切りに、今後、同様のパッケージプランをさまざまな業界に順次展開していく。

 「新パッケージソリューション」では、同社のプロ代理店や営業社員がリスクコンサルティングによって外食チェーン事業者を取り巻くさまざまなリスクを洗い出し、豊富なラインアップの中から必要となる補償を、事故や損害を防止するサービス、事故解決に導くサポートとともに提案する。既に代理店向けのオンライントレーニングを進めており、その後、顧客のニーズに合わせて同ソリューションを順次展開していく予定だ。
 補償内容は、企業の事業活動に伴って発生した第三者に対する事故を包括的にカバーする事業総合賠償責任保険を中心に、業務災害総合保険、クライムマネジメント保険(身元信用保険)、雇用管理賠償責任保険、生産物品質保険、環境汚染賠償責任保険、個人情報漏洩保険、CyberEdge(サイバー保険)、マネジメントリスクプロテクション保険(D&O保険)などを組み合わせる。事業形態に応じて、フランチャイズ一括担保特約、連結子会社一括担保特約、借家人賠償責任担保特約も付帯できる。
 事故防止支援では、衛生管理やハラスメント防止などの従業員教育、施設の安全診断の他、改正食品衛生法に基づいて制度化されるHACCPシステムに対応するための衛生管理簡易診断サービス(HACCP―RAS)などを用意する。また、実際に事故が発生した際には、事態を迅速に収束させるためのサポートも行う。
 近年、飲食産業はマーケットが急成長する一方で、衛生管理の厳格化や人材不足、風評被害、インバウンド旅行者への対応など、社会環境の変化とともにさまざまなリスクにさらされており、リスク管理が追い付いていない現状がある。もともと飲食産業の顧客が多く、知見を蓄積している同社では、社内にライン横断のワーキンググループを立ち上げ、飲食事業者へのヒアリングなどを基にニーズの高い商品や必要となるサービスを検討した結果、今回の「新パッケージソリューション」を開発した。4月中旬以降に販売チャネルのプロ代理店や営業社員に研修を行い、募集文書やツールを配布して営業推進を図っていく。
 また、今後は飲食産業の他にも同社が強みを持つマーケットなどに対して同様のパッケージソリューションを展開していく。
 同社の大谷洋喜企業賠償保険部長は「新パッケージソリューションは、万一のときの補償だけでなく、事故や損害を未然に防ぐ支援を行う『アクティブ・ケア』という当社の事業戦略コンセプトを形にしたものであり、今後もさまざまな業界のリスクやニーズを確認してコンサルティングを行った上で、豊富な商品やサービスのパッケージの中から最適なソリューションを提供していきたい」として、今後の進展に意欲を示している。