2019.07.04 かんぽ生命 顧客本位の業務運営 さらなる向上へ 保障見直し時等の取組公表

 かんぽ生命では、顧客本位の業務運営の徹底を最重要経営課題の一つとして、日本郵便と連携しながら、保険募集プロセスの品質向上や家族同席などの高齢者募集対応をはじめとした諸課題に取り組んできた。具体的には、2017年4月に「お客さま本位の業務運営に係る基本方針」を策定、公表し、募集品質向上策を「募集品質向上に向けた総合対策」として重層的に取り組んでおり、18年度からの中期経営計画においても、顧客本位の業務運営の徹底をその主要戦略の一つとして掲げている。同社は6月27日、顧客本位の業務運営のさらなる向上を目的として、顧客が保障を見直す際の取り扱い等に関する取り組みを発表した。

 同社では、18年11月に申し込みがあった契約乗換(約2万1000件)のうち、同一商品間等での契約乗換(約5800件)からサンプル抽出した約300件を調査した結果、契約乗換ではなく特約切替等で新しい特約ニーズ等に応えることができた可能性のある事例が判明。また、乗換後の新しい契約(乗換後契約)の申し込みが顧客の健康状態などにより引受謝絶となる事例、乗換後契約の申込時において健康状態が正確に告知されなかったことにより、乗換後契約が解除となり保険金が支払謝絶等となる事例も判明したという。
 これを受け、同社では「保障の見直し時等におけるお客さま本位の業務運営のさらなる向上について」として、以下の通り、これらの事例への対応および取り組みを公表した。
【契約乗換に係る取り組み】
 保障の見直し時におけるお客さま本位の業務運営のさらなる向上を目的として、2019年4月以降判明した、乗換後契約のお申し込みが引受謝絶となる場合、乗換後契約において告知義務違反により契約が解除となり保険金が支払謝絶となる場合、乗換後契約の保障開始前にかかられたご病気のため、保険金が支払謝絶となる場合等については、かんぽ生命の調査スタッフが訪問等の上、お客さまのご意向や不利益事項のご認識等を再確認し、順次、ご確認した結果に基づき、乗換前の契約を復元する、復元後の契約から保険金をお支払いする等の対応をさせていただいております。
 また、次の事例の対象となられているお客さまにも同様の対応をさせていただきます。
 ▽契約乗換に際し、引受謝絶となる事例(対象期間:14年4月~19年3月の申し込み):想定件数1万5800件
 ▽契約乗換後、告知義務違反により契約が解除となり保険金が支払謝絶等となる事例(対象期間:14年4月~19年3月の申し込み):想定件数3100件
 特約切替等でご提案できた可能性のある事例(2017年10月以降想定5000件)についても、同様にお客さまのご意向を再確認し、ご意向に沿った契約内容に変更させていただきます。
 その他、契約乗換に係る前後の契約の保障内容や保険料額などを勘案の上で、お客さまのご意向に沿っているかを再確認する必要がある事例がないかを検証し、必要がある場合は上記と同様の対応をさせていただきます。
 今後、契約乗換に当たっての不利益事項等のご説明が十分でなかったことにより、同様の事案が発生しないよう、保障の見直し等に当たっては、乗換後契約の引受けを条件に既存の契約の解約手続きを行う取り扱いや、契約転換制度等を導入する準備を進めています。
【その他、多数の契約にご加入されているお客さまへの取り組み】
 毎年、契約にご加入されているお客さまには、かんぽ生命から送付しております「ご契約内容の確認」や郵便局社員が訪問する「かんぽつながる安心活動」により、ご加入状況をご確認いただけるサービスを提供しております。
 なお、ご高齢のお客さまなどで、多数のご契約にご加入されることによって保険料の払込みが過大なご負担となる可能性のあるお客さまには、2016年4月から、郵便局等での新規契約のお申し込み後にかんぽ生命から直接ご意向等を確認する取り組みを実施しております。また、2019年4月から、予めかんぽ生命がお客さまのご意向を確認できた場合のみ、新たにお申し込み手続きいただく取り扱いとしております。
 さらに、2019年1月から、新規契約のお申し込みの有無にかかわらず、これまで多数の契約にご加入いただいているお客さまには、かんぽ生命が訪問の上、契約の状況の説明とお客さまのご意向をご家族とともに再確認いただく取り扱いを開始しております。
 これらの取り組みを順次拡大することでよりきめ細やかな対応を実現してまいります。
 同社では今後も、日本郵便との連携をさらに強化しながら、顧客本位の業務運営の徹底を全社一丸となって取り組んでいくとしている。