2019.05.31 住友生命 19年3月期決算 連結基礎利益、堅調に推移 海外事業、保険契約の保有増

 住友生命が5月24日に発表した2019年3月期決算によると、連結保険料等収入は国内事業で貯蓄性商品の販売減の影響が大きかったことから、前期比3.1%減の2兆6056億円と前期実績を下回った。連結基礎利益は国内事業で利息および配当金等収入が増加したことなどから、同9.3%増の3976億円と堅調に推移した。

 住友生命グループの新契約年換算保険料は同2.4%減の2099億円となった。国内事業は保障性商品の販売が横ばいで推移したが、貯蓄性商品の販売減の影響等によって減少。海外事業(シメトラ)は、個人保険・個人年金部門の販売増によって増加した。住友生命単体は同3.7%減の1265億円、メディケア生命は同18.4%減の63億円、海外事業(シメトラ)は同1.4%増の770億円だった。
 保有契約年換算保険料は前期末比横ばいの2兆7824億円となった。住友生命単体は同0.2%減の2兆3248億円、メディケア生命は同13.8%増の381億円、海外事業(シメトラ)は同0.1%減の4194億円。海外事業は現地通貨ベースでは増加するも、為替変動の影響によって微減した。
 保険料等収入は前期比3.1%減の2兆6056億円だった。国内事業は、貯蓄性商品の販売減の影響が大きかったことから減少した。海外事業は、保険契約の保有増を主要因として増加した。住友生命は同4.1%減の2兆4053億円、メディケア生命は同21.0%増の355億円、海外事業(シメトラ)は同9.1%増の1648億円だった。
 基礎利益は同9.3%増の3976億円となった。国内事業は利息および配当金等収入の増加等により増加。海外事業はシメトラ等における利益効率の改善などにより増加した。住友生命は同7.0%増の3770億円、メディケア生命は▲115億円、海外事業(シメトラ他)は同8.1%増の332億円だった。
 住友生命単体の利息及び配当金等収入は外国債券の積み増し等によって、同4.1%増の6385億円となった。順ざやは764億円で同122億円増加した。
 連結ソルベンシー・マージン比率は前期末比33.9ポイント上昇して、915.6%となり、十分な健全性を維持している。
 19年3月期決算案に基づく社員配当金は個人保険・個人年金保険で据え置き、団体保険も据え置きとする。団体年金保険は所定の算出方法に基づき配当を割り当て、確定給付企業年金保険(02)等、新企業年金保険で予定利率1.25%(解約控除あり)、0.75%共に責任準備金に対して0.06%を配当、拠出型企業年金保険(02)で予定利率1.25%の責任準備金に対して0.07%を配当する。
 住友生命は17年度から、CSVプロジェクトをスタート。▽顧客に対して健康増進型保険「住友生命『Vitality』」を提供▽社会に対しては健康増進の重要性・価値を啓発▽会社・職員に対しては健康経営を推進―する取り組みで、健康増進を通して、社会価値と企業価値の相互の創造を目指している。
 同プロジェクトの主軸に据えている「住友生命『Vitality』」は18年7月の発売から19年3月末までの販売実績が累計約20万件(19年3月末時点)となった。15年9月に発売した就労不能保険「1UP」は販売累計約130万件(同)となっている。
 今後も「住友生命『Vitality』」を通じた共有価値の創造に取り組むことにしており、6月25日から「住友生命『Vitality』」の対象保険種類を拡大。従来のプライムフィット、ドクターGOに加え、ライブワン、Qパックに加入の顧客も「住友生命『Vitality』」を選ぶことができるようにする。また、Vitality健康プログラムの進化に向けて、リワード面も含め、より魅力的なプログラムの実現を検討していく。