2019.05.22 三井住友海上 AIがドラレコ映像から自動作成、事故状況説明システム導入
三井住友海上は5月10日、イスラエルのスタートアップ企業であるネクサー社と提携し、ドライブレコーダーの映像から事故状況を自動かつ正確に文章や図で説明するシステムを開発したことを発表した。5月から試行的に開始するとともに、AIが数千件の裁判例から最適な事故の責任割合を自動検索するシステムとの連携も進め、2019年度中の本格展開を目指す。同システムにより、万一自動車事故が発生した場合に、顧客や代理店の事故連絡に係るロードを大幅に削減することに加え、「GK 見守るクルマの保険(ドラレコ型)」と連携することで、顧客と同社のつながりを一層強め、より迅速かつ高品質な事故対応サービスを提供する。
同システムでは、AI技術の活用により、ドライブレコーダーの映像から事故状況を自動かつ正確に文章や図で説明する。事故が起きた際、顧客は「道路状況」「信号機の色」「交通標識の有無」など、詳細な事故状況を保険会社へ説明する手間が省かれる他、事故報告に係るロードが大幅に削減されるため、事故時に不安を抱える負担が軽減される。また、既に導入している、AIが数千件の裁判例から最適な事故の責任割合を自動検索するシステムとの連携も検討する。
同社では、同システムの導入により、自動車事故が発生した際に事故報告に要する時間を70%程度短縮することを見込んでおり、事故に遭った不安や動揺で、顧客が事故受付オペレーターへうまく状況を伝えられないストレスも少なくなるとしている。
さらに、同システムと、同社が1月から販売している通信機能の付いた専用ドライブレコーダーがセットになった新しい自動車保険「GK 見守るクルマの保険(ドラレコ型)」の事故映像自動送信サービスを組み合わせることで、より迅速かつ高品質な事故対応サービスを提供し、同商品の付加価値向上によってさらなる販売促進を目指す。
昨今、「あおり運転」による重大事故の発生を契機として、ドライブレコーダーのニーズが高まっている。17年度のドライブレコーダーの販売台数は前年度比138%と急増している他、MS&ADインシュアランスグループが実施した顧客アンケート調査でも、67%が「ドライブレコーダー付きの自動車保険があれば加入したい」と回答。同社では、こうしたニーズの高まりを受け、1月から「GK 見守るクルマの保険(ドラレコ型)」を販売している。
また、AIやIoT等、先進デジタル技術の急速な進展は、社会生活に大きな変化を与えており、日本でもデジタル技術を活用する動きが高まっている。こうした中、同社は今回、万一の事故の際に顧客を支える損害保険会社として、顧客サービスの飛躍的な向上を図るため、同システムの導入を決定した。
同社では、同システムも活用し、事故受付から保険金支払いまでの一連のプロセスをAI技術により自動化することで、事故受付当日の保険金支払手続き完結を目指すとともに、将来的には、グループ共通で顧客に最適で有益な先進デジタル技術を活用した事故対応サービスの提供を進めていくとしている。