2019.02.14 三井住友海上 「全国通訳案内士賠償責任保険」発売、通訳案内業務に関わる事故補償

 三井住友海上はこのほど、一般社団法人日本観光通訳協会(会長:萩村昌代、以下「協会」)の会員向けに、「全国通訳案内士」の業務に関わるさまざまな賠償リスクを包括的に補償する専用保険制度を立ち上げ、「全国通訳案内士賠償責任保険」の販売を開始した。同商品では、訪日外国人旅行者の増加に伴い、通訳ガイドや旅程管理業務等、全国通訳案内士が担う業務の重要性が増していることを受け、三井住友海上と協会が連携して、これらの業務に関わる賠償事故を補償する。

 全国通訳案内士は、通訳案内士法において「報酬を得て、通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすること)を業とする」とされている。観光庁が実施する国家試験に合格し、高度な外国語能力や日本全国の歴史・地理・文化等の観光に関する質の高い知識を有する者であり、「全国通訳案内士」として都道府県の登録を受けている。
 今回発売した「全国通訳案内士賠償責任保険」では、全国通訳案内士の業務遂行に伴い、協会の会員である加入者が負う賠償責任を総合的に補償する。
 補償の対象となる業務と、想定する事故例は以下の通り。
 【通訳案内業務】
 ▽食品情報を誤って伝え、それを食べた外国人旅行者がアレルギーを発症した。
 ▽横断歩道ではない部分を先導・案内し、外国人旅行者が車両と接触した。
 【旅程管理業務】
 ▽スケジュール管理を誤り航空機に乗り遅れ、追加宿泊・発券費用が発生した。
 ▽道を間違え、演劇の時間に間に合わず返金を求められた。
 【受託物の管理】
 ▽旅行会社から預かったファンド(準備金)や団体乗車券を紛失した。
 ▽外国人旅行者より預かったカバンを紛失し、中に入っていた金銭がなくなった。
 近年、ビザ発給要件の緩和や航空路線の拡充等を背景に、訪日外国人旅行者数は年々増加し、2018年には過去最高の3119万人を記録した。今後、政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される20年に“訪日外国人旅行者数4000万人”の目標を掲げており、これまで以上に、全国通訳案内士等の訪日外国人旅行者に対応可能な通訳ガイドの需要が高まっている。
 一方、全国通訳案内士の業務に伴うミスによって損害賠償を求められる可能性も高まっていることから、今回、三井住友海上は協会と連携し、全国通訳案内士制度の安定的な発展を図ることを目的として、協会会員向けに専用保険制度を立ち上げた。
 日本観光通訳協会(Japan Guide Association:JGA)は、1940年に設立された全国通訳案内士の団体。「会員相互の連絡協調と通訳案内士業務の向上改善を図るとともに、会員の品位と地位の向上につとめ、もって国際観光事業の発達に貢献し、併せて国際親善に寄与することを目的にする」を定款として、研修、就業案内、通訳案内業の普及等に取り組んでいる。18年12月現在の正会員数は897人。