2018.11.07 東京海上ホールディングス 東京海上日動の再保険子会社2社、RenRe社へ売却で合意
東京海上ホールディングスは10月31日、東京海上日動の再保険子会社Tokio Millennium Re AG(以下「TMR」)およびTokio Millennium Re(UK)Limited(以下「TMR(UK)」)の両社(以下「TMR両社」)の全株式を、バミューダ再保険会社RenaissanceRe Holdings Ltd.(以下「RenRe社」)に売却することで、RenRe社と合意した。売却は、関係当局の承認を条件に、2019年3月末までの完了を予定している。今回の売却により、東京海上ホールディングスは、元受保険事業によりフォーカスするとともに、RenRe社との関係強化を図る。
TMRは2000年3月15日に設立され、資本金は2億2767万5000スイスフラン(約265億円、1スイスフラン=116.22円〈18年9月末〉)。TMR(UK)は1990年10月30日に設立され、資本金は1億2500万英ポンド(約186億円、1英ポンド=148.53円〈18年9月末〉)。両社とも東京海上日動の100%子会社。
譲渡株式数は、東京海上日動が所有するTMRの全株式2億2767万5000株およびTMR(UK)の全株式1億2500万株。
取引総額は、TMR、TMR(UK)両社合計の有形純資産簿価の1.02倍の金額で、18年6月末時点では約15億米ドル(約1685億円、1米ドル=112.36円〈18年10月29日〉)。
譲渡価額は、取引総額から売却前配当(関係当局の承認が条件)等を除いた額で、現金とRenRe社普通株式(最大2億5000万米ドル)の組み合わせによる。株価は同件クロージング日の5営業日前から起算して30日間のニューヨーク証券取引所終値の加重平均値で算定され、12カ月間譲渡が制限される。
東京海上ホールディングスは、今回の売却による同社業績への影響は軽微だとしている。
東京海上ホールディングスグループは、2000年にTMRを設立し、海外再保険事業に本格参入した。それ以来、TMR両社は、海外自然災害リスクをはじめ幅広い再保険引受による事業を展開し、グループの収益に貢献してきた。
一方、グローバル再保険市場を取り巻く事業環境は、料率競争の激化や再保険会社以外の資本の継続的流入によりソフトマーケットが常態化し、収益性は悪化傾向にある。また、東京海上ホールディングスは、07年以降にキルン、フィラデルフィア、デルファイ、HCCといった大型買収を実施し、スペシャルティ種目を中心とした元受保険事業主体の分散が効いたポートフォリオを構築してきた。これに伴い、海外保険事業の収益における再保険の割合は、この10年の間に50%程度から10%未満に低下した。
同社ではこうした状況に鑑み、より収益性が高く安定した元受保険事業をさらに拡大するという観点から、再保険事業を専業とするTMR両社の戦略的位置付けを見直した結果、両社を売却することとした。
TMR両社を売却することによって、先進国や新興国における元受保険事業を主体に事業展開していくこととし、これにより現在のグローバル事業環境と同社海外保険事業の戦略に適合したポートフォリオの戦略的見直しを図る。
株式譲渡の相手先であるRenRe社は、バミューダ大手再保険会社。保険業界では優良な再保険会社の一つと高く評価されており、東京海上ホールディングスは長年にわたり、再保険取引を通じて同社と良好な関係にある。今回の売却に際し、同社との再保険取引を拡大させ、関係強化を図る。
RenRe社の会社概要は次の通り。
▽名称:RenaissanceRe Holdings Ltd.
▽所在地:Renaissance House 12 Crow Lane, Pembroke HM19, Bermuda
▽代表者の役職・氏名:President&Chief Executive Officer・Kevin O,Donnell
▽事業内容:再保険会社の持株会社
▽資本金:4億4000万米ドル(約500億円、1米ドル=113.57円〈18年9月末〉)
▽設立年月日:1993年6月7日
▽連結純資産:43億9100万米ドル
▽連結総資産:152億2600万米ドル
▽大株主および持株比率:Vanguard Group―10.26%、BlackRock―10.14%