2023.12.14 T&D保険グループ 23年度第2四半期(中間)決算 中間純利益1913億円増の430億円、新契約年換算保険料は3社合算で20%増

T&Dホールディングスが11月14日に発表した2023年度第2四半期決算によると、同グループの連結経常収益は前年同期比0.2%増の1兆5000億円、経常利益は同1857億円増の707億円(前年同期実績は▲1149億円)、親会社に帰属する中間純利益は前年同期に海外再保険関連会社(フォーティテュード社)で米国金利上昇に伴う多額の一時的な評価性損失等が発生した反動により、同1913億円増の430億円(前年同期実績は▲1483億円)だった。グループ修正利益は同93億円(14.2%)減の560億円と、為替ヘッジコストの増加等により前年同期から減少したものの、国内生命保険の契約業績は主力商品の販売好調により堅調に推移した。業績予想については直近の予想から変更はない。株主還元では1株当たり35円の中間配当を実施。年間配当は9期連続の増配となる1株当たり70円を予定している。

グループのMCEVは、新契約価値の積み上げと内外株価上昇・国内金利上昇等により前年度末から3378億円増の3兆6691億円。今期に販売した保険契約(転換契約を含む)から将来生じる利益を現在価値に換算した新契約価値は、2022年度末に実施した終局金利の変更等により3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算で前年同期から119億円減の883億円だった。
契約業績は、一時払商品の販売増加や対面・非対面を融合したハイブリッド営業、および顧客ニーズに丁寧に対応したコンサルティング営業の推進等による主力商品の販売好調により、新契約年換算保険料は3社合算で前年同期比20.9%(163億円)増の945億円で、このうち第三分野は同2.1%増の213億円。保有契約年換算保険料は3社合算で前年度末比2.1%(331億円)増の1兆5981億円で、このうち第三分野は同1.9%増の2925億円だった。
保険料等収入は、3社合算でおおむね前年同期並みの前年同期比0.2%増の1兆1163億円。基礎利益は、新型コロナ関連の支払いが減少した一方、為替ヘッジコストの増加等により、3社合算で同13.7%(89億円)減の567億円となった。
健全性に関する指標では、グループ連結のソルベンシー・マージン比率は内外金利上昇等により前年度末比41.6ポイント低下し878.5%。同グループの内部モデルに基づき算出したグループ連結のESRは、同21ポイント上昇して251%だった。
中核生保の業績を個社ごとに見ると、太陽生命の経常収益は前年同期比11.0%減の4606億円で、このうち保険料等収入は同9.6%減の2920億円だった。新契約年換算保険料は同17.2%減の155億円、うち第三分野は同14.0%減の99億円。年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障性新契約年換算保険料は、前年の新型コロナウイルス感染症拡大による医療ニーズの高まりの反動により前年同期比12.7%減の105億円。保障性保有契約年換算保険料は上場以来最高だった前年度末からさらに0.4%増加し1620億円だった。保障性新契約年換算保険料は、インフォマーシャルやインターネット広告等を経由した情報を活用した対面・非対面を融合させた「ハイブリッド型営業」の推進、営業職員数の増加、顧客ニーズの高い新商品の発売等に伴い、新型コロナウイルス感染症の影響が軽微だった21年度からは増加している。保障性保有契約年換算保険料についても、新契約業績の好調を受けて、上場以来最高だった前年度末から増加している。
大同生命の経常収益は前年同期比12.8%増の5924億円で、このうち保険料等収入は同4.5%増の4138億円だった。新契約年換算保険料は同6.8%増の364億円、うち第三分野は同3.8%増の94億円だった。新契約高(注)は、死亡保障・就業不能保障・介護保障など顧客の幅広い保障ニーズに応える丁寧なコンサルティング営業を実践し、就業不能・介護保障商品が増加したことから、前年同期から1768億円(8.1%)増の2兆3655億円となった。保有契約高(注)は顧客である中小企業の資金需要が増加していることに伴い「解約失効高」が増加したものの、「新契約高」が堅調に推移したことにより、前年度末比0.1%減の46兆6596億円と前年度末並みの水準を確保した。
T&Dフィナンシャル生命の経常収益は前年同期比0.2%減の4832億円、うち保険料等収入は同3.9%増の4104億円だった。新契約年換算保険料は今年4月にリニューアルして円貨プランを追加した一時払個人年金保険「ファイブテン・ワールド3」の販売が好調に推移し、同68.1%増の424億円。保有契約年換算保険料は前年度末から18.6%増加し2255億円だった。
クローズドブック事業(T&Dユナイテッドキャピタル連結)の修正利益はおおむね前年同期並みとなる149億円。中間純利益は、前年同期にフォーティテュード社で米国金利上昇に伴う多額の一時的な評価性損失等が発生した反動により、前年同期比1966億円増の▲11億円だった。
損害保険(ペット保険)事業(ペット&ファミリー損保)は、新契約件数が好調に伸展したことにより保有契約件数が増加し、経常収益は前年同期差609億円増の5474億円と拡大。経常利益は同555億円増の862億円、中間純利益も同410億円増の630億円と増加した。
なお、T&Dホールディングスは同日、同日開催の取締役会で自己株式の消却に係る事項について決議したことを発表。普通株式4500万株(消却前の発行済株式総数に対する割合7.64%)を11月30日に償却した。消却後の発行済株式総数は5億4400万株となる。
(注)「新契約高」「保有契約高」には、「Jタイプ」の重大疾病保険金額、「Tタイプ」の就業障がい保険金額、「介護リリーフα」等の介護保険金額および「一時金型Mタイプ」の入院一時金額を基準として計上した金額を含む。