2023.06.05 T&D保険グループ 22年度決算 修正利益130%増902億円に、国内3社新契約保険料は23%増1508億円

T&D保険グループが5月15日に発表した2022年度決算によると、グループの経常収益は国内生命保険事業の契約業績好調等による保険料等収入の増加等により前期比22.9%増の3兆2141億円となった。保険金等支払金、資産運用費用の増加に加え、フォーティテュード社での米国金利上昇に伴う会計上の一時的な評価性損失等により、経常利益は同1311億円減の▲741億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同1463億円減の▲1321億円だった。グループ修正利益は昨年度の太陽生命の再保険取引による損失の反動等により同129.9%増の902億円。23年度の通期業績予想については、親会社株主に帰属する当期純利益が870億円、グループ修正利益が1000億円を見込む。

T&D保険グループの経常収益3兆2141億円のうち、保険料等収入は新契約の増加等により前期比22.2%増の2兆1782億円、その他経常収益が国内生保事業の既契約再保険取引実施に伴う責任準備金戻入等により同58.0%増の5351億円だった。経常費用は同28.6%増の3兆2882億円で、このうち保険金等支払金は外貨連動型保険の解約増加、コロナ関連の支払増加等により同17.2%増の2兆5479億円、資産運用費用が為替ヘッジコストの増加等により同132.1%増の1910億円、フォーティテュード社の会計上の一時的な評価性損失等により持分法による投資損失が2173億円などだった。
グループのMCEVは前期末から1771億円減少し3兆3313億円となった。連結ソルベンシー・マージン比率は前期末比106.2ポイント低下して920.1%。
国内3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算の契約業績は、主力商品の販売好調や対面・非対面を融合した営業活動の実践により堅調に推移。3社合算の新契約年換算保険料は前期比23.7%増の1508億円。このうち第三分野は同6.7%増の383億円だった。保有契約年換算保険料は前期末比1.4%増の1兆5650億円で、このうち第三分野は同3.4%増の2870億円。新契約価値は同0.1%増の1670億円だった。3社合算の保険料等収入は前期比22.3%増の2兆1683億円。合算の基礎利益は、コロナ関連の支払増加と為替ヘッジコストの増加等により同46.2%減の930億円となった。
各社の業績では、太陽生命の経常収益は前期比33.2%減の9613億円で、このうち保険料等収入は同7.6%増の6433億円だった。新契約年換算保険料は同2.5%減の333億円、うち第三分野は同5.0%増の207億円だった。年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障性新契約年換算保険料は、インフォマーシャルやインターネット広告等を経由した情報を活用し、対面・非対面を融合させた「ハイブリッド型営業」の推進や「告知緩和型死亡保険」「選択緩和型先進医療保険」等の販売が好調だったことから、同13.4%増の218億円。保障性保有契約年換算保険料についても、第三分野商品の販売好調により前期末比2.2%増の1614億円と、前年度に引き続き上場以来の最高値を記録した。
大同生命の経常収益は前期比19.4%増の1兆2330億円、うち保険料等収入は同0.3%増の8103億円だった。新契約年換算保険料は同10.5%増の670億円、うち第三分野は同11.7%増の173億円だった。新契約高は、前期比で2453億円増加し4兆2872億円となった。対面・非対面を組み合せた丁寧なコンサルティング営業の実践等により顧客の保障ニーズに対し的確に対応したことで、主力の定期保険、特にオーダーメード型商品(αシリーズ)の販売が堅調に推移。また、「就業不能・介護保障商品」の新契約高も前年度から増加した。保有契約高は46兆6838億円と前年度並み(前年度実績46兆7033億円)の水準を確保した。
T&Dフィナンシャル生命の経常収益は前期比102.1%増の9809億円、うち保険料等収入は同94.7%増の7146億円だった。新契約年換算保険料は同86.1%増の505億円、うち第三分野は同56.3%減の3億円。内外金利上昇による商品の魅力度向上等の影響により一時払終身保険「生涯プレミアムワールド5」「生涯プレミアムジャパン5」の販売が堅調に推移した。また、変額保険「ハイブリッドシリーズ」も商品浸透および代理店数の拡大により着実に販売が拡大した。保有契約年換算保険料は前期末比15.9%増の1902億円だった。