2023.02.24 SOMPOHD 22年度第3四半期決算 修正純利益59%減834億円に、正味収保は海外増収で22%増

SOMPOホールディングスが2月14日に発表した2022年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比16.9%増の3兆6897億円となった。このうち正味収入保険料はSompoインターナショナルのコマーシャル部門(以下、SIコマーシャル)の大幅増収を主因に同22.0%増、5410億円増収の2兆9961億円を計上した。生命保険料は同31億円減収の2353億円。連結経常利益は同78.3%減の567億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同79.5%減の376億円だった。修正連結利益は同59.3%減の834億円となったが、ハリケーン・イアンの損失を含め通期予想に沿った進捗としている。グループの通期予想には変更はない。

SOMPOグループの連結純利益376億円の内訳は、損保ジャパンが前年同期比727億円減の338億円、海外保険事業が同140億円減の331億円、SOMPOひまわり生命が同188億円減の▲47億円、SOMPOケアが同5億円減の39億円、その他・連結調整等が同399億円減の▲294億円。
国内損保事業のうち損保ジャパン単体の業績では、保険引受利益は自然災害のほか、自動車保険や傷害保険における新型コロナ影響を主因に▲388億円(前年同期実績602億円)。増減要因は、前年同期の保険引受利益602億円から、国内自然災害を除く影響が▲750億円(うち自動車保険コロナ影響の剥落が▲323億円、コロナ給付金の影響が▲156億円、その他大口事故の増加影響など)、国内自然災害影響が▲734億円、異常危険準備金が494億円だった。なお、保険引受利益から異常危険準備金に係る影響を除いたコア保険引受利益は前年同期比1484億円減益の▲412億円だった。国内自然災害の影響は▲1000億円で、それを除くと587億円となる。異常危険準備金は23億円で前年同期から493億円増加した。
正味収入保険料は引き続き火災保険・新種保険が好調で、自賠責・家計地震を除く正味収入保険料は同708億円(4.8%増)増収の1兆5372億円。自賠責・家計地震を含む合計正味収入保険料は同3.8%増の1兆6942億円。なお、種目別内訳は、火災保険が同24.7%増の3058億円、海上が同16.8%増の422億円、傷害が同2.0%増の1194億円、自動車が同0.5%減の8096億円、自賠責が同5.4%減の1568億円、その他は同2.5%増の2600億円を計上した。
自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は、自然災害影響(+4.9ポイント)、新型コロナ影響(+3.3ポイント)を受けて、前年同期比9.6ポイント上昇して67.7%。除く自賠責・家計地震のW/P損害率は同4.5ポイント上昇の61.3%。中間期から火災保険を中心に損害率は改善、通期業績予想に向けては計画線で推移しているとした。
正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は前年同期比0.1ポイント低下し34.0%、社費率も0.2ポイント低下し12.8%と計画対比で良好に推移している。コンバインド・レシオ(E/I、除く自賠責・家計地震)は同9.5ポイント上昇し101.7%で、同(W/P、除く自賠責・家計地震)は同4.4ポイント上昇の95.3%となった。
資産運用損益は前年同期比62億円減の895億円となったが、企業業績改善による株式配当増によりネット利息及び配当金収入が同82億円増と好調。通期に向けては、政策株式削減による有価証券売却益、好調な利配収入などによる上積みを見込む。
経常利益は前年同期比1011億円減益の394億円で、当期純利益は同727億円減益の338億円となった。修正利益は同1084億円減益の211億円。
国内生保事業で、SOMPOひまわり生命は、がん保険などのインシュアヘルス(R)商品の販売が引き続き好調で、新契約年換算保険料は前年同期比10.5%増の249億円。保有契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は前年度末比0.7%増の3851億円だった。
保険料等収入は同0.4%減の3199億円、責任準備金繰入等は同3.0%減の1987億円、保険金等支払は同60.9%増の934億円、事業費は同5.4%増の718億円、資産運用損益は同20.1%増の446億円、基礎利益は同328億円減益の▲81億円となった。経常利益(連結様式とは異なる)が同259億円減益の▲28億円で、当期純利益は同188億円減益の▲47億円。修正利益は同66.8%減益の89億円。
海外保険事業では、SIコマーシャルの保険引受利益は、ハリケーン・イアン等の自然災害影響をトップライン増収で一部オフセットし、前年同期比7.1%減の2億5600万ドル。22年度通期では、増収によるコンバインド・レシオ改善を主因に対前年25%増の5億3200万ドル(速報)を見込む。正味収入保険料は前年同期比22.5%増の75億6100万ドルで、プライシング効果、農業保険の保有増加、カジュアルティ種目での増収のトレンドは通期に向けても継続するとの見方を示す。コンバインド・レシオは自然災害の影響(+8.5ポイント)により、同1.2ポイント上昇して95.9%。22年度通期のコンバインド・レシオは自然災害影響の平準化、増収効果により93.5%(速報)を見込む。当期純利益(現地IFRS会計により未実現損益を含む)は同11億1600万ドル減の▲7億9400万ドル。修正利益は同4000万ドル減の3億4400万ドルだった。
介護・シニア事業は、ネクサスケアの買収効果に加え入居率の改善を主因に、売上高は前年同期比101億円増の1120億円だった。第4四半期はさらなる入居率改善を見込むとしている。