2023.02.22 MS&ADHD 22年度第3四半期決算 純利益は57%減879億円、連結正味収保は8%増2.9兆円に

MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が2月14日に発表した2022年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比7.5%増の4兆196億円を計上した。連結正味収入保険料は国内損保子会社、海外保険子会社ともに増収となり、同8.3%(2269億円)増の2兆9740億円。連結生命保険料は同47.2%(1890億円)減の2115億円。経常利益は同46.6%(1410億円)減益の1615億円で、四半期純利益は国内外自然災害ロス、新型コロナ関連ロス、ロシア・ウクライナ関連ロス、海外の資産運用損などのマイナス影響により、同57.0%(1116億円)減益の879億円で、通期予想の1400億円に対する進捗率は63%。異常危険準備金の取り崩しが進んだことや資産運用損益が増加したことなどにより、▲335億円の赤字だった第2四半期からは改善している。

グループ修正利益は前年同期比1948億円減益の812億円。22年度通期の業績予想は11月発表から修正はない。
国内損保主要2社(三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保)の第3四半期業績では、正味収入保険料は、火災保険(22年10月改定前の駆け込み等)や海上保険の増収等を主因に、2社合計で前年同期比3.6%増の2兆2270億円となった。
三井住友海上の正味収入保険料を種目別に見ると、火災が前年同期比16.3%増の2004億円、海上が同28.7%増の576億円、傷害が同1.9%増の1113億円、自動車が同0.2%減の5143億円、自賠責が同5.1%減の1057億円、その他が同2.0%増の2301億円で、合計は同3.5%増の1兆2197億円となった。正味支払保険金は同13.3%増の6989億円、正味損害率は同5.1ポイント上昇し63.6%、正味事業費率は同0.4ポイント低下し32.4%となった。コンバインド・レシオは同4.7ポイント上昇し96.0%。なお、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同7.7ポイント上昇し66.5%。
あいおいニッセイ同和損保の種目別正味収入保険料は、火災が同20.4%増の1762億円、海上が同11.2%増の54億円、傷害が同2.3%増の464億円、自動車が同2.1%増の5724億円、自賠責が同4.2%減の992億円、その他が同1.3%減の1075億円で、合計は同3.8%増の1兆73億円となった。正味支払保険金は同16.2%増の6090億円、正味損害率は同6.5ポイント上昇し66.5%、正味事業費率は同0.3ポイント低下し34.5%、コンバインド・レシオは同6.2ポイント上昇し101.0%となった。なお、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同10.9ポイント上昇して69.9%。
国内損保主要2社の保険引受利益は、国内自然災害ロス(6月の雹災、台風14号、台風15号など)、新型コロナ関連ロス、交通量回復等に伴う自動車保険のロス、火災新種ロス(大口事故)の増加などにより、前年同期比693億円減益の204億円となった。このうち三井住友海上は同327億円減益の180億円、あいおいニッセイ同和損保は同366億円減益の23億円。なお、2社合計の保険引受利益(異常危険準備金反映前)は、1891億円減益の▲400億円で、このうち三井住友海上は同929億円減益の▲24億円、あいおいニッセイ同和損保は同961億円減益の▲376億円だった。
2社の資産運用・その他収支は、有価証券売却損益の増加、有価証券評価損の減少、ネット利息及び配当金収入の増加などにより、合算で前年同期比527億円増の1843億円だった。このうち三井住友海上は同355億円増の1301億円、あいおいニッセイ同和損保は同172億円増の541億円。2社合計の経常利益は、同165億円減益の2047億円を計上。このうち三井住友海上は同28億円増益の1482億円、あいおいニッセイ同和損保は同193億円減益の565億円。2社合計の四半期純利益は同153億円減益の1473億円。このうち三井住友海上は同1億円減益の1101億円で、あいおいニッセイ同和損保は同151億円減益の371億円。
三井住友海上あいおい生命の保険料等収入は、積立利率変動型終身保険の払込満了増加や逓増定期保険の保有減少等により前年同期比96億円減の3611億円となった。新契約年換算保険料は同1.7%減の201億円だった。保有契約年換算保険料は期首比0.6%減の4410億円だった。経常利益は前年同期比32.7%減の184億円、四半期純利益は新型コロナの影響による給付金の増加等により同39.2%(66億円)減益の103億円だった。基礎利益は同35.1%減の165億円を計上した。
三井住友海上プライマリー生命の保険料等収入は、外国金利の上昇による外貨建商品ニーズの高まりや営業活動の積極展開などにより、前年同期比2462億円増収の9798億円。経常利益は同96.1%減の20億円、四半期純利益は金利上昇による債券等の評価損や売却損、外貨建保険の標準責任準備金の積立負担などにより、同100.7%(372億円)減益の▲2億円。
海外保険子会社の業績は、正味収入保険料は新規契約の増加や保険料率の引上げ等によりMSアムリンが増収した欧州をはじめ、アジア、米州ともに増収したほか円安影響もあり、前年同期比1490億円(26.0%)増収の7216億円となった。四半期純利益は、MSアムリンにおけるロシア・ウクライナ関連ロスの見積額の計上や株価下落・金利上昇による資産運用損、台湾現法の新型コロナ関連ロス等により、同451億円(319.5%)減益の▲310億円となった。