2022.06.02 ソニーフィナンシャルグループ 21年度末決算、ソニー生命 基礎利益は3%減の1322億円

 ソニーフィナンシャルグループが5月24日に発表した2021年度末決算によると、連結経常収益は損害保険事業と銀行事業で増加したものの、生命保険事業で減少した結果、前年度比0.8%減の2兆1900億円だった。連結経常利益は損害保険事業で減少したものの、生命保険事業と銀行事業で増加した結果、同3.3%増の798億円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が増加した一方で、第1四半期にソニー生命の子会社における一時的な損失を特別損失として計上したことにより、同11.8%減の416億円となった。

 ソニーフィナンシャルグループの業績のうち、ソニー生命は、経常収益は特別勘定における運用益が減少したものの、一時払保険料の増加などに伴う保険料等収入の増加や為替差益の増加などにより、前年度比4.0%増の2兆234億円となった。保険料等収入は一時払保険料の増加に加え、ソニーライフ・ウィズ生命の吸収合併に伴う再保険契約の解約で生じた解約返戻金受取により再保険収入が増加したことなどにより、同13.6%増の1兆3773億円となった。
 新契約高は29.8%増の6兆6552億円、新契約年換算保険料は41.4%増の1054億円と、緊急事態宣言の発令に伴う営業活動自粛の影響を受けた前年度比で共に過去最高を記録した。新契約年換算保険料のうち、第三分野は同9.8%増の129億円。保有契約高は同7.5%増の57兆6000億円、保有契約年換算保険料は同10.6%増の1兆540億円だった。うち、第三分野は同2.4%増の2137億円。
 基礎利益は、新型コロナウイルス対策関連費用の減少や保有契約高の積み上がりによる利益の増加があったものの、変額保険等の最低保証に係る責任準備金繰入額が増加したことなどにより、前年度比3.2%減の1322億円となった。
 経常利益は、危険準備金328億円の積立を21年度第1四半期に一括で行ったことにより、同19.3%減の536億円となった。当期純利益は同56.0%減の190億円。総資産は前年度末比15.1%増の14兆4896億円となった。ソルベンシー・マージン比率は同64.5ポイント上昇して2191.1%だった。
 ソニー損保は、経常収益は、自動車保険と火災保険の保有契約件数が堅調に拡大し正味収入保険料が増加したことなどにより、前年度比6.4%増の1409億円。正味収入保険料は同7.6%増の1395億円だった。新型コロナの影響で自動車事故が大幅に減少した前年度に比べEI損害率が上昇したことにより、正味事業費率は低下したものの、EI損害率と正味事業費率を合わせた合算率は同4.4ポイント上昇し86.6%となった。
 経常利益は前記増収の効果や事業費率の低下があったものの、自動車保険の損害率が顕著に低かった前年度からは上昇したことに加え、火災保険の保有契約数の伸長などに伴い異常危険準備金繰入額が増加したことにより、同38.3%減の90億円。当期純利益は同36.8%減の64億円だった。ソルベンシー・マージン比率は前年度末比48.4ポイント低下し813.3%。
 なお、コンバインド・レシオは前年度から0.8ポイント低下し78.0%だった。また、異常危険準備金の繰入額・戻入額の影響を除いた修正経常利益は、前年度から22.5%減少し148億3100万円だった。