2022.02.17 アイアル少短 変形性関節症PFC―FD療法カバー「バイオセラピー費用(運動器)保障条項」開発

住友生命グループのアイアル少額短期保険は2月3日、住友生命と再生医療関連事業のセルソース㈱(東京都渋谷区、裙本理人代表取締役社長CEO)との3社で、「ひとの保険『バイオセラピー費用(運動器)保障条項』」(ペットネーム:セルソースPFC―FD保険)を開発したと発表した。

 セルソース社は再生医療の産業化推進を目的とし、再生医療を提供する医療機関への法規対応サポートと、脂肪由来幹細胞や血液の加工受託を行う再生医療関連事業を展開している。再生医療等安全性確保法に基づく特定細胞加工物製造許可施設(施設番号:FA3160006)で3万1000件以上の細胞等加工を受託しており、豊富な実績をもとに医療機関へのサービス提供と、研究・技術開発を行っている。
 PFC―FDは、患者自身の血液から、人体の組織の修復等を促進する成長因子を含有するPRP(多血小板血漿)を作製し、さらに成長因子の濃度を高め、凍結乾燥させて無細胞化の処理を施したもののこと。その調製方法についてセルソース社が特許を取得している。
 セルソースPFC―FD保険は、PFC―FD療法をカバーする日本初の保険で(アイアル少短による)、アイアル少短が引受会社となる。対象となるPFC―FD療法の主な適用疾患である変形性関節症は、関節の変形と炎症により、立つ・座る・歩く等あらゆる日常の動作に困難が生じる疾患。変形性関節症のうち、日本では膝関節における有病者数だけでも約2530万人と推定されており、高齢者では他の年代よりも多く発症するといわれている。
 同保険の補償内容は、被保険者が、①初年度契約の保険始期日以後の保険期間中に発病した疾病または発生した不慮の事故による傷害を原因とする治療②被保険者以外の医師の判断に基づく、血小板由来因子濃縮液を凍結乾燥保存した自己血液生成物を用いた療法(PFC―FD療法等)を用いた運動器の治療―以上の条件をすべて満たす治療を行ったときに、運動器治療費用保険金を支払うというもの。保険金額は最大20万円で、保険期間は1年間で更新可能。
 PFC―FD療法はスポーツ傷害等の治療にも効果が見込まれるため、アイアル少短ではアスリートのコンディション維持・選手寿命の延伸に資する商品として、アスリート団体への導入も積極的に推進していく予定だ。保険料例として、保険金額20万円・10人のアスリート団体の合計月払保険料が2000円―と示されている。
 現在、人々の健康寿命の延伸・QOLの向上に向けた健康増進活動として、体を動かすことやスポーツ活動が非常に重要視されているが、住友生命グループでは保険事業を通じて、豊かで明るい長寿社会の実現に貢献すべく、さまざまなサービスの開発を行っている。一方、セルソース社は、運動器の疾患等に対する再生医療やPFC―FD療法の普及と、より患者に治療を受けてもらいやすくなるような仕組みづくりを検討してきたところから、両者の理念が一致したことにより、保険商品の共同開発に取り組むこととなったもの。
 アイアル少短では、保険を通じて新しい治療の選択肢を提供することで、健康寿命延伸という社会的課題解決の一助となることを目指していくとしている。