2022.02.18 明治安田生命 21年度第3四半期決算、グループ基礎利益は0.8%増、通期業績見通し「増収・増益」に引上げ

明治安田生命が2月10日に発表した2021年度第3四半期決算によると、グループ連結の保険料は、明治安田生命単体における一時払保険の販売量増加を主な要因に、前年同期比875億円の増加となった。グループ基礎利益は、明治安田生命単体での利息及び配当金等収入の増加を主な要因に、同30億円増加した。連結ソルベンシー・マージン比率は前年度末差10.1ポイント低下の1142.4%、単体のオンバランス自己資本は同2267億円増の4兆1322億円となり、健全性を表す指標はいずれも高い水準を維持した。21年度通期の業績見通しは、上半期報告時の「増収・減益」の見通しを上方修正し、グループ・単体ともに「増収・増益」の見通しとした。

 グループ保険料(連結損益計算書上の保険料等収入)は、前年同期比4.4%増の2兆733億円となった。明治安田生命単体が3.7%増の1兆8069億円、海外保険事業等(国内生命保険事業以外の合算)が同9.5%増の2663億円の内訳で、海外保険事業等のうちスタンコープ社は同10.2%増の2493億円だった。
 グループ基礎利益は、前年同期比0.8%増の4082億円。明治安田生命単体が同5.2%増の3859億円、海外保険事業等が同27.5%減の298億円の内訳で、スタンコープ社は同31.8%減の195億円。
 連結の経常収益は前年同期比3.3%増の3兆135億円、経常費用は同5.6%増の2兆8540億円となり、経常利益は同25.2%減の1595億円だった。親会社に帰属する四半期純剰余は同25.7%減の1308億円となっている。
 明治安田生命単体の業績は、保険料等収入が一時払保険の販売量増加と団体年金保険の増加を主因として、前記の通り前年同期から3.7%増の1兆8069億円となった。内訳は個人保険・個人年金保険が同5.3%増の1兆1985億円、団体保険が同1.7%増の2166億円、団体年金保険が同2.1%増の3638億円。
 新契約年換算保険料は、20年4月~6月まで対面営業を自粛していた前年同期に比べ15.7%増の778億円。19年同期との比較では2.3%増で、コロナ禍前の水準を確保した。チャネル別内訳では、営業職員チャネルが同13.2%増の674億円、銀行窓販チャネルが同42.9%増の93億円となっている。第三分野の新契約年換算保険料は同30.7%増の332億円だった。
 保有契約年換算保険料は、前年度末比1.0%減の2兆1737億円。このうち第三分野は同2.8%増の4715億円と増加した。団体保険の保有契約高は同0.1%増の116兆440億円。団体年金保険の保有契約高は同0.8%増の7兆9092億円となった。
 基礎利益は、前記の通り利息及び配当金等収入の増加を主因として、前年同期比5.2%増の3859億円。
 ソルベンシー・マージン比率は、前年度末差0.8ポイント上昇し1069.9%となり、引き続き高い健全性を維持している。
 一般勘定資産全体の含み損益は、内外株価上昇による外国証券および国内株式の含み益の増加を主因に、前年度末から1700億円増加し6兆6925億円となった。
 明治安田生命単体の経常収益は前年同期比2.5%増の2兆6557億円。経常費用は同4.0%増の2兆4915億円で、このうち保険金等支払金は同2.1%増の1兆7394億円、責任準備金等繰入額は同40.9%増の2166億円、資産運用費用は同2.3%減の1640億円となった。経常利益は同16.3%減の1641億円、四半期純剰余は同22.6%減の1280億円となった。
 契約クオリティを示す指標は、引き続き良好に推移。解約・失効・減額率(個人保険・個人年金保険)は、前年同期差0.34ポイント増加して3.20%となり、前年同期と比べやや悪化するも、主力商品はコロナ禍以前の19年同期より良好な水準となっており、依然として低位な水準を維持している。
 総合継続率は、13月目が同0.2ポイント低下の95.1%、25月目が同1.0ポイント上昇の89.8%、61月目が同0.4ポイント上昇の71.2%と、ともに高水準を維持している。
 米国子会社のスタンコープ社については、保険料等収入は、主力である団体保険事業の新契約および既契約更新がともに順調に推移したことなどにより、前年同期比10.2%増の2493億円となった。基礎利益相当額は、コロナ起因の保険金等の支払い増加を主因に同31.8%減の195億円、当期純利益は同29.7%減の110億円となった。
 21年度の業績見通しでは、グループ保険料は、明治安田生命単体の一時払商品を含めた販売量回復等により「増収」となる見通しで、前年度比6%増の2兆8200億円程度と見込む。うち明治安田生命単体は、同4%増の2兆4500億円程度、スタンコープ社は同15%増の3400億円程度の見通し。
 また、グループ基礎利益の業績見通しは、明治安田生命単体における株式および投信の「利息及び配当金等収入」の増加等により、これまでの「減益見通し」から「増益見通し」へ上方修正し、同2%増の5900億円程度を見込むとした。うち明治安田生命単体は、同5%増の5800億円程度、スタンコープ社は同41%減の200億円程度の見通しとしている。