2021.11.05 東京海上HD マイクロモビリティのLuupと資本業務提携、電動キックボードの社会的受容へ協業

東京海上ホールディングスは10月13日、電動キックボードや小型電動アシスト自転車など「マイクロモビリティ」のシェアリングサービス「LUUP(ループ)」を展開する㈱Luup(東京都渋谷区、岡井大輝代表取締役社長兼CEO)と資本業務提携を行ったと発表した。両社は、安心・安全なマイクロモビリティの利用環境の構築に向けて、共同で電動キックボードの安全性・社会受容性向上のための協業を開始する。

 電動キックボードは、2017年から世界中で普及し始めた新しいモビリティで、電動かつ小型であるため、通常の自動車に比べて移動に伴うCO2排出量が大きく削減される点が注目されている他、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、密を避ける移動手段としても普及が加速している。新しいモビリティであるため、各国で適切な走行ルールの模索が進んでおり、その国の公道の環境に合わせた規制が設けられている。日本では電動キックボードは原動機付自転車に該当するが、より安全に走行することができるルール整備のための実証実験が進んでいる。
 Luupは「街じゅうを『駅前化』するインフラをつくる」をミッションに、マイクロモビリティのシェアリングサービスを展開しており、電動アシスト自転車や電動キックボードだけでなく、電動・小型・一人乗りのマイクロモビリティを包括的に取り扱い、全ての人が自由に移動できる未来を目指している。東京と大阪で電動キックボードのシェアリングサービスを実証実験として開始しており、サービス開始から30万キロメートル以上の総走行距離を記録、国内事業者において最も多くの電動キックボード走行データを保有している。
 今回の提携で東京海上HDは、電動キックボードを含めた新たなモビリティに関して、国が検討している交通ルールの内容や被害者救済の観点等を踏まえながら、電動キックボードの社会受容性向上に資するサービスや適切な補償の提供方法を検討する。また、将来的には、取得する走行データを活用した新たな商品・サービスの研究等も行っていく。
 電動キックボードは手軽に移動できるモビリティである一方で、社会全体の交通ルールの認知が十分とはいえない状況であり、一部のユーザーの違反走行が社会問題化するなど、現時点では十分に安心・安全な乗り物としての評価が確立されていない。Luupでは、これまで数多くの実証実験等を通じて、電動キックボードをシェアリングサービスとして安心・安全な形で提供するノウハウを蓄積してきたが、今回、東京海上HDが参画することで、安全性・社会受容性をさらに高めていくことを目指すとしており、Luupのサービスを含む電動キックボード全般について、包括的なリスクアセスメントを行った上で、危険走行を減らすためのユーザーコミュニケーションのあり方の検討や、より安全度の高い機体の開発を共同で実施していく。
 両社では、マイクロモビリティの安心・安全な形での活用を通じて、ファーストワンマイル・ラストワンマイルを結ぶ持続可能な移動手段の普及をともに目指していくとしている。