2021.11.01 損保6社・損保協会ほか 保険料控除証明書で共同システム開始、電子化とマイナポータルへの連携に対応
あいおいニッセイ同和損保、共栄火災、損保ジャパン、東京海上日動、日新火災、三井住友海上の損保6社、損保協会およびトッパン・フォームズ㈱は、保険契約者の所得控除の対象となる地震保険および傷害・疾病・介護保険などの第三分野保険における保険料控除証明書の発行で、電子化とマイナポータルへの連携に対応した業界横断型の共同システム「保険料控除証明書発行サービス」(以下、本共同システム)を構築し、10月18日からサービスの提供を開始したと同日発表した。
本共同システムは、今回先行して参加する損保6社(以下、参加会社)が提供する地震保険および傷害・疾病・介護保険などの一部保険(第三分野保険)において、保険料控除証明書の発行業務を一元化するシステム。対象となる契約に加入している契約者は、契約が複数の参加会社にわたる場合も本共同システム内で保険料控除証明書をハガキと電子データのどちらでも受け取ることができるようになる。また、マイナポータル上でのデータ取得も可能となる。来年以降、本共同システムへの参加損保会社は順次拡大していく予定だ。
2018年度の税制改正により、それまで保険契約者が保険料の所得控除の適用を受けるためには書面で交付を受けた保険料控除証明書による申告が必要であったものが、一定の要件を満たす電子データで交付された保険料控除証明書による年末調整および確定申告が可能となった。損保会社が作成している保険料控除証明書のほとんどが地震保険料控除証明書であり、地震保険制度の公益性の高さから、契約先の保険会社によらず業界として可能な限り同質なサービスを契約者に届けることが望ましいと検討された結果、今回の税制改正への対応に際して、業界横断型の共同システムを構築することになったという。また、最近のマイナポータル利用に関する社会的ニーズを踏まえ、本共同システムは、㈱野村総合研究所が提供している官民連携クラウドサービス「e―私書箱」を介したマイナポータルへの連携にも対応するようにした。
損保協会では本年度の重点課題として、「非対面・非接触・ペーパーレスの推進」を挙げている。新型コロナウイルスまん延への対策として社会のデジタル化が加速し、損保各社の手続業務等も非対面・非接触・ペーパーレス化へとシフトしている中で、日々の業務にかかるプロセス、帳票、システムなどの共通化・標準化・共同化を一段と進め、業界全体としてさらなる効率改善を図ることを狙いとしている。保険料控除証明書の電子発行やマイナポータル連携は、その具体的取り組みとしても検討されてきていた。
保険料控除証明書の電子化によるペーパーレス化の推進は、顧客の利便性の向上、年末調整の実務に携わる各社担当者の業務量の低減等、手続きの電子化による社会コストの低減や、環境負荷軽減にも寄与するものとなる。