2021.07.01 第一生命 限定告知型入院一時金保険発売、顧客の多様性踏まえた医療保障提供

 第一生命は6月21日、2項目の告知に該当しなければ誰でも加入できる「入院一時金保険(限定告知型)(正式名称:入院一時金保険(限定告知型)(無解約返還金)(2021))」の販売を開始した。同社では入院日数の短期化などによる一時金給付への顧客ニーズに応え、本年1月に「総合医療一時金保険」を発売、5月末時点で約40万件の契約を計上、4月末時点で入院時の給付金を約2.5億円支払ってきているが、今回の限定告知型によって、これまで健康上の理由で加入できなかった顧客にも安心を届けることができるとしている。

 「入院一時金保険(限定告知型)」は、疾患などの健康状態や年齢などの顧客の多様性を踏まえた“一時金の医療保障”として開発したもので、①最近3カ月以内に、医師により入院・手術をすすめられたことがあるか②過去2年以内に、入院をしたことがあるか―の二つの告知項目が「いいえ」であれば、持病があっても加入することができる。
 保障内容は、入院の短期化に対応し日帰り入院からまとまった一時金を総合入院給付金として支払うもので、基準給付金額は10万円から最大50万円まで契約時に選択可能。新型コロナウイルス感染症による入院にも備えられる。
 持病など責任開始期前の病気で、責任開始期以後に症状が悪化したことなどにより入院した場合でも、責任開始期前も含めてはじめて医師からその入院が必要であると指示されたときは、総合入院給付金を支払う。
 総合入院給付金は、病気・ケガによる1回の入院につき、入院日数が、①1回型:1日②2回型:1日・30日③4回型:1日・30日・60日・90日―の支払限度の型に応じた各日数に達したとき、通算100回を限度に基準給付金額を支払う。ただし、入院日数が5日以内の場合は、基準給付金額×50%となる。
 また、災害救助法が適用された災害(特定自然災害)により、その発生した日から数えて180日以内に死亡したときは、特定自然災害死亡給付金を支払う。
 契約年齢は、3歳~85歳で、保険期間は終身のみ。
 保険料例は支払限度1回型、基準給付金額30万円、保険料払込期間終身の場合、30歳男性7524円、同女性7146円、40歳男性9102円、同女性7776円、50歳男性1万1529円、同女性9357円、60歳男性歳1万4871円、同女性1万1748円、70歳男性1万8960円、同女性1万4880円となっている。
 一般的に生命保険商品は、その性質上、「持病がある」「〇〇の数値が高い」など健康状態により加入できないケースがある。第一生命の推計によるとそうしたケースは、50~70代を中心に、10代からの若年層も含む幅広い年代でおよそ600万人超となるとしており、同社は高齢化を踏まえると今後も多くの顧客がそのような状態になると推測している。
 また同社は「SDGsの一つである『すべての人に健康と福祉を』の実現に向け、先天的な疾患などを患っている10代・10代未満の子どもとその家族の経済的な負担・将来の不安を和らげ、安心して生活してほしいと考える」としている。このような顧客は、持病の重症化リスクに加え、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高いことが示されるなど、生涯にわたって健康に関する不安が伴う可能性があるとされているところから、同社は、今回の新商品を「健康状態により保険に加入できない」顧客も加入できる「広い引受範囲」としたことで、多くの顧客のQOL向上に貢献していくことができるとしている。