2021.04.05 JA共済連 医療共済を一時金保障に改訂、ニーズに応じて自由な設計可能に
JA共済連(全国共済農業協同組合連合会)は4月1日から医療共済の仕組改訂を行い、一時金保障タイプの新しい医療共済「メディフル」へリニューアルを行った。また、市中金利動向等を踏まえ、予定利率変動型年金共済の共済掛金率の変更を行った。
これまでJA共済では、入院日数に応じて共済金を支払う日額保障タイプの医療共済を提供してきた。しかし、入院の短期化が進み、入院患者のうち約8割が1カ月以内、約7割が2週間以内に退院している一方で、入院前後の通院・在宅医療の患者数は年々増加するようになり、入院だけでなく、通院・在宅医療への備えの重要性が高まってきた。このような医療環境の変化に対応した最良の保障を提供するため、今回、医療共済の仕組改訂を行った。
医療共済「メディフル」は、日帰り入院からまとまった額の一時金を「治療共済金」として支払うようにし、入院中の費用だけでなく、入院前後の通院・在宅医療の費用にも活用できるようにした。契約時に選択する3タイプの「共済契約の型」により、所定の日数の入院に応じて「治療共済金」を支払う。共済契約1回型が入院日数1日、4回型が同1日、同30日、同60日、同90日、7回型が、同1日、同30日、同60日、同90日、同120日、同150日、同180日となっている。例えば、共済金額30万円、共済契約4回型の場合、入院日数が1、30日、60日、90日の各日数に達するごとに治療共済金30万円を支払い、合計の支払額は120万円となる。
また、契約時には、「手術・放射線治療保障」「入院時諸費用保障」「先進医療保障」を選択することができる。
手術・放射線治療保障は、入院中・外来を問わず手術を受けたときに手術共済金を共済金額の30%、放射線治療を受けたときに放射線治療共済金を共済金額の60%支払う。
入院時諸費用保障は、保障額を自由に設定でき、入院したときに入院時諸費用共済金を入院日数分支払う。
先進医療保障は、先進医療による療養を受けたときに、技術料に応じた額の先進医療共済金を支払う。先進医療共済金を支払う先進医療による療養を受けたときには、先進医療共済金の額の10%に相当する額または30万円のうち、いずれか小さい額の先進医療一時金も支払う。今回の改訂で先進医療共済金の支払限度が1000万円から2000万円に拡大された。
そのほか、契約時に「健康祝金支払特則」を付加すると、所定の期間ごとに治療共済金が支払われた入院をしなかった場合に、「健康祝金」として共済金額の30%を支払う。共済金額30万円、共済期間が終身の場合、契約日から3年ごとに所定の入院をしなかった場合に健康祝金9万円が支払われる。
加入年齢30歳、共済期間終身、共済契約4回型、共済金額30万円、共済掛金払込終了年齢99歳、手術・放射線治療保障なし、入院時諸費用保障なし、先進医療保障ありの場合、共済掛金(月払、口座振替)は、健康祝金支払特則なしで男性7139円、女性6959円、健康祝金支払特則がある場合、男性9110円、女性8939円となっている。
予定利率変動型年金共済の掛金率変更
JA共済では4月1日から、市中金利動向等を踏まえ、予定利率変動型年金共済の共済掛金率を変更した。加入年齢30歳、共済掛金払込終了年齢65歳、年金支払開始年齢65歳、定期年金タイプ、年金支払期間10年、共済掛金月払い1万円(払込共済掛金累計額420万円)の場合の契約時の最低保証年金額は、男性が45万6355円から43万7615円に、女性が45万6266円から43万7742円に変更となった。