2020.10.26 ■あいおいニッセイ同和損保 電磁誘導線活用自動運転サービスへ 低廉な自動車保険提供を開始[2020年10月9日]
あいおいニッセイ同和損保は10月9日、日本工営㈱(東京都千代田区、有元龍一代表取締役社長、以下、日本工営)が社会実装の運営をサポートする道の駅「かみこあに」(秋田県北秋田郡上小阿仁村)で、業界で初めて電磁誘導線を活用した自動運転車(低速EV)に対し、低廉な保険料による自動車保険の提供を開始したと発表した。
内閣府・国土交通省・NEDOが推進する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動運転(システムとサービスの拡張)」の枠組みの中で、高齢化が進行する中山間地域における生活の足の確保等のため、「道の駅」等を拠点とした自動運転サービスの実証実験が2017年度から全国18カ所で実施されている。秋田県の道の駅「かみこあに」では19年11月に全国初となる自動運転サービスを本格導入し、日本工営がその運営サポートを行っている。
道の駅「かみこあに」を拠点とした自動運転サービスでは、低速の自動運転車両が路面に敷設された電磁誘導線の磁力を感知して既定ルートを走行している。日本工営は、17年度の実証実験段階から積雪時の技術課題の検証や地域ボランティアによる安全な運行体制の構築など、地域住民と一体となり課題を解決しながら、安全・安心な自動運転サービスを実現した。
一方、過疎地等において事業化に向けた多くの実証実験が行われる中、自動運転サービスを持続的に維持するためには、採算性をいかに確保していくかが大きな課題となっている。そこで、低廉な自動車保険の必要性を強く感じていた日本工営と自動運転サービス向けの商品開発を検討していたあいおいニッセイ同和損保のニーズが合致し、あいおいニッセイ同和損保が、走行環境や最高速度が限定されることによるリスク削減効果を踏まえ、リスク実態に合わせた低廉な保険料を実現する自動車保険を提供することで、保険面から自動運転サービスの運営をサポートすることにしたもの。
日本工営は、今後も事業者や自治体に対し、自動運転サービスの課題抽出、採算性やニーズの分析、地域の実ニーズや課題に対応した新たな移動サービスのあり方や事業性のコンサルティングを通じて、自動運転サービスの実用化に取り組んでいく。
また、あいおいニッセイ同和損保は、低廉な保険料の提供を通じて、電磁誘導線を活用した自動運転サービスの普及をサポートしていくとともに、これまでテレマティクス自動車保険で培ったデータ分析の技術や安全運転のメカニズムを解析するノウハウなどを活用することで、社会の要請に応える。
なお国は、こうした道路側の補助機能を利用した自動運転を、過疎地等で公共交通として普及させる方針であり、30年末までに全国100カ所以上でのサービスの展開を目指すとしている。