2020.10.28 ■損保ジャパン 受託品損壊も賠責の補償対象に、1月から個人賠責特約を改定[2020年]

 損保ジャパンは2021年1月に個人賠償責任特約を改定し、被保険者が他人から預かって管理している物を壊した場合などに、その持ち主に対して生じる損害賠償責任を新たに補償することにした。

 個人賠償責任特約は、日常生活の偶然な事故によって、他人にケガなどをさせた場合や他人の財物を壊した場合などに被保険者に生じる損害賠償責任を補償する特約だが、「他人の財物を壊した場合」であっても、その財物が他人から預かって管理している物(以下、受託品)である場合は、補償の対象外としていた。このようなケースに対応し、顧客の日常生活での安心感を高めるため、受託品の損壊等による損害賠償責任が補償の対象となるように個人賠償責任特約を改定する。
 改定内容としては、個人賠償責任特約において、これまで補償の対象外としていた受託品の損壊等による、その受託品について正当な権利を有する者への損害賠償責任を補償対象に追加する。財物は日本国内で受託したものに限られ、受託品の価額が100万円を超える物、自転車、動物・植物等の生物、貴金属、宝石等、一部対象外となる財物がある。
 補償の対象となる事故例としては、▽旅行中に友人から借りたカメラを落として壊してしまった▽子どもが友人から借りてきたゲーム機を壊してしまった▽シェアリングで借りた傘を折ってしまった▽ゴルフ場敷地内で使用中のゴルフカート自体を壊してしまった―などがあるとのこと。
 今回の補償範囲拡大に至った背景として、同社では今後、CtoC間のシェアリングが拡大していくにつれ、利用者間のトラブル防止のために受託物の損害に対する補償の必要性が高まることが予想されること、また、「受託物」の損害が個人賠償責任特約で補償対象外となることが顧客に対して分かりづらさを与えていたためとしている。
 21年1月1日以降を保険始期日とする次の商品に付帯する個人賠償責任特約が対象。
 ▽自動車保険:THEクルマの保険(個人用自動車保険)、SGP(一般自動車保険)、ドライバー保険
 ▽火災保険:THEすまいの保険(個人用火災総合保険)、THE家財の保険(個人用火災総合保険)、マンション総合保険
 ▽傷害保険:傷害総合保険、新・団体医療保険、所得補償保険など