2020.10.09 ■あいおいニッセイ同和損保 AIによる相手車両の速度解析など導入[2020年9月25日]

 あいおいニッセイ同和損保は、「テレマティクス損害サービスシステム」(以下、テレマ損サシステム)に、ドライブレコーダーなどのデバイスから得られるGPS情報(位置情報)や事故場所、相手車両の速度などをAIで解析・判定し、事故状況を機械的に導出する「相手車両・周辺環境を含む事故状況の把握」機能と、AIによって判定された事故状況を基に過失割合の判定をサポートする「過失割合の判定サポート」機能を9月25日から実装した。同社では以上二つの機能に関する特許を取得しており、AIによる速度解析を含むテレマ損サシステムによる事故対応は業界初(20年9月時点、同社調べ)。
 「相手車両・周辺環境を含む事故状況の把握」システムには、富士通の車載カメラ映像解析プラットフォーム「FUJITSU Future Mobility Accelerator Digital Twin Analyzer」を導入している。約30万件の映像シーンを学習させたAIを搭載しており、自動車・歩行者・道路等の位置や軌跡を立体的に把握し、事故状況の可視化や相手車両の速度推定が可能となる。テレマ損サシステムに実装することで、AIにより事故の状況図を自動で作成する。また、人の目では確認することができない相手車両の速度をAIで解析することにより、これまで困難だった相手車両の速度超過による過失割合修正の主張が可能になる。解析結果や解析動画を同社の事故担当者が活用することのできる機能については、同社が特許を取得した独自の技術を採用している。
 「過失割合の判定サポート」システムは、ドライブレコーダーの動画解析結果について、位置情報や加速度情報などの事故状況を反映させることで、約1万件の事故パターンを基にAIが過失割合の判定を支援するもの。この過失割合の判定サポートシステムは、過失割合の判定結果の表示に関する特許を取得した同社独自の機能を有している。同社では、事故受付から過失割合判定までがシステム的に行えるようになることと、すでに導入しているAIを活用した事故検知システムと合わせて、先進的かつ革新的な事故対応を実現するとしている。
 事故の60%以上が夜間・休日に発生していることを踏まえ、同社では夜間・休日の事故について事故受付のみではなく、示談交渉等の事故対応を24時間365日、同社社員が行っている。AIが解析した映像を活用した示談交渉と24時間365日事故対応サービス「I’m ZIDAN」を合わせ、同社独自の事故対応サービスの充実化を図る。
 自動運転社会へのシフトが加速する中で、同社が取り組んでいるコネクティッドカーのデータを活用した事故対応など損保会社の事故対応も変化していく。同社は常に最先端技術を活用し、顧客へ安心を届ける事故対応を追い求め、今後も安全・安心なクルマ社会の実現に向けサービスを提供するとしている。