2020.05.14 ■日本郵政 増田社長記者会見、契約調査進捗状況報告[2020年4月27日]

 日本郵政の増田寛也社長は4月27日、記者会見を開き同社と日本郵便、かんぽ生命の3者が実施している「お客さまの信頼回復に向けたご契約調査」の進捗状況について報告した。増田社長は、特定事案と全契約調査については、顧客都合のものを除いて、3月末に対応が完了したことを報告し、「引き続き、全役職員が一丸となり信頼回復に向けて、全力で取り組んでいく」と述べた。この他、グループの新型コロナウイルス感染症問題に対する取り組みなどを報告した。

 特定事案調査の募集人調査は、4月末でほぼ判定が終了した上で、法令違反・社内ルール違反に該当した対象募集人442人(4月20日時点)に対して順次研修を開始している。
 また全契約調査では、契約内容の説明や各種手続きの希望の他、苦情なども多く寄せられ、そのうち3158件(4月13日時点)が法令違反や社内ルール違反に該当していたことから、これらについて募集人調査や利益回復に向けた対応を実施した。
 4月22日時点の募集人調査(特定事案調査)件数は、特定事案調査の対象事案18万3000件のうち、募集人調査の対象事案が1万3396件で、そのうち判定完了が1万2980件で、その内訳は、法令違反が308件(関与人数380人)、社内ルール違反3300件(同2239人)となっている。
 深堀調査は、多数契約調査の中で優先的に対応を実施する897人の顧客について、4月22日時点で約94%の契約内容確認が完了した。また、優先対応以外の顧客5532人については、約81%の契約内容確認が完了し、引き続き4月末をめどに確認を進めていくとした。
 多数契約調査のうち昨年から実施している事案については、現時点で75人に対して業務廃止処分を行った(退職者5人の業廃相当を含む)。この他、2人に対して厳重注意処分を予定している。
 多数契約以外の調査では、高額な保険料を支払っていたり、被保険者や保険種類を変更して新規契約に加入したことがあるといった顧客に対し、かんぽ生命の支店社員の訪問や案内状を送付する取り組みを3月から実施した。今後は、保険期間等短縮変更制度を利用した乗換契約などで加入した残りの顧客についても6月末をめどに契約内容の確認を進めていくとした。
 この他、信頼回復・契約内容確認の訪問活動を通じて、顧客の意見や要望を聞き、顧客の意向に沿わず不利益が発生している場合には、誠実に解消を図る取り組みを行うとした。その一環として、契約乗換のある法人の顧客のうち約1800社に対して契約内容確認(アンケート)を実施するとしている(新型コロナウィルス感染症の影響を踏まえ20年5月に郵送で実施予定)。
 同社は、今後も継続的な契約内容の確認活動や「ご契約内容のお知らせ」の改善といったさまざまな機会を通じて顧客からの声を集め、顧客の意向に寄り添った活動を継続していくとしている。
 記者会見ではこの他に、日本郵政グループの新型コロナウイルス感染症問題に対する主な取り組みについて、国民への支援として、日本郵便では、政府の要請によるマスクの配布や特別定額給付金関係郵便物の取り扱い、かんぽ生命では、感染症で死亡した場合の死亡保険金の倍額支払いや、医療施設外の療養で入院保険金を支払うことなどを説明した。