2020.05.13 ■三井住友海上 「未来ソリューション・プログラム」導入[2020年]

 三井住友海上は本年度から、新たな社内組織評価制度「未来ソリューション・プログラム」(「ミラプロ」)を導入した。これまで本社が設定していた定量的な目標だけでなく、部支店自らが設定する地域・マーケットの課題解決に向けた中長期的な取り組み目標を評価項目に組み込む。事業環境が急速に変化する中、顧客により近い営業現場の考えを評価基準に反映させることで、多様化する顧客ニーズに応えて持続的な成長を図っていく。

 「ミラプロ」の評価基準は、「将来への布石(50点)」と「単年度の会社への貢献(50点)」の合計100点で構成されており、地域やマーケットの課題解決に向けた中長期的な取り組みの実行状況と、全社の経営計画に基づく指標の進捗状況をバランス良く評価する体系となっている。2019年度までの組織評価制度は、「総合チャレンジ制度」という名称で、本社部門が設定したさまざまな定量目標に対する達成状況を得点化していた。
 「将来への布石」では、地方創生取り組みに代表されるCSV(Creating Shared Value)取り組みの推進等による地域やマーケットへの貢献と、人材育成、デジタライゼーション推進等による企業品質を高める項目を設定しており、各部支店が項目ごとに「3年後の目指す姿(To―Be)」とその実現に向けた方策「部支店計画(To―Do)」を策定し、計画に沿った取り組みを行う。年度末に各部支店長が実行状況を定性、定量の両面から振り返って評価した後、ブロック本部長による二次評価、本社部門によるレビューといった3段階を経て得点化する。振り返り結果は次年度の計画に反映させ、計画→実行→振り返り→計画のサイクルを回して、地域やマーケットの課題の解決に向けて持続的に取り組んでいく。
 一方、「単年度の会社への貢献」では、従来通り会社の経営計画と連動したトップライン、ボトムラインの進捗状況を得点化する。また、損害サポート部門も営業部門と同様に、「将来への布石」で中期的な取り組みを評価するとともに、従来の定量目標については各部の目指す姿や課題に応じて評価項目を自主的に選択し、目標・配点を柔軟に設定できる仕組みを導入した。
 新評価制度の導入には、同社を取り巻く環境変化が背景にある。近年、モビリティ産業の変革、デジタライゼーションの進展、自然災害の巨大化・頻発化、個人や社会の価値観や働き方の変化といった事象が進行しており、こうしたさまざまな領域での急速な環境変化に対応して、同社が今後も持続的な成長を実現していくためには、従来の評価制度から、地域やマーケットの特性をよく知る各部支店が中長期的な視点で計画を策定し、実行状況を定性・定量の両面から振り返って次の計画に反映させる、といった柔軟な制度に改定する必要があると判断した。
 新評価制度の導入を推進する同社営業企画部・営業企画チームでは、昨年6月ごろから新制度の検討を始め、昨年下期には各部支店の営業活動を統括するブロック本部や本社各部との議論を通じて、社会が同社に求めていることや、その期待に持続的に応えて顧客に選ばれ続けるために取り組むべきことなどを取りまとめ、資料やツールを用いて浸透を図っていった。同チームの永井泰右課長代理は新制度を運営する上でのポイントとして、「改定の趣旨を各部支店にしっかり理解してもらうことが重要であり、ハンドブック等も用意した。地域やマーケットの課題が複雑化する中、その解決に向けてよりお客さまに近い視点から取り組みを進めていきたい」としている。
 各部支店の本年度計画の策定および実行に当たっては、さまざまな角度からのデータの提供や他部支店の好取組事例の横展開等を行い、実効性を高めていく。現在は、各部支店が詳細を詰めている段階で、6月末には計画が確定する。同チームの幡生聡司課長は「当社は、売上高に相当する国内元受収入保険料の増収率が3年連続で大手4社中トップになるなど、高い成長率を実現してきた。今後、環境変化がますます大きくなる中においても、お客さまに選ばれ、成長し続けていくために、今回の制度改定を行った。地域ごとに異なる課題の解決に向けた対策を自ら考え、ミラプロを通して日々の活動に取り込むことで、社員一人一人が明るく元気にやりがいをもって仕事に取り組み、代理店の方々と共に地域社会へ貢献していきたい」としている。