2019.08.28 損保ジャパン日本興亜 フリーランス協会一般会員向け 弁護士費用保険「フリーガル」提供
損保ジャパン日本興亜は8月17日から、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(以下、フリーランス協会)の一般会員を対象に、報酬トラブル弁護士費用保険「フリーガル」の提供を開始した。同保険では、業務妨害行為に該当するような報酬未払い等、法的トラブルに対応する際の弁護士費用を補償する。また、電話相談窓口では、フリーランスの報酬トラブル等に関する相談に対して適切なアドバイスを実施し、速やかな解決を支援する他、当事者間でのトラブル解決が困難な場合は、日弁連リーガル・アクセス・センターを通じて、全国各地の弁護士会から弁護士を紹介。法的対応を行った場合、かかった弁護士費用を保険金として支払う。
フリーランス協会は、「誰もが自律的なキャリアを築ける世の中へ」をビジョンに掲げる、自分の名前で仕事をしたい人のためのインフラ&コミュニティ。キャリア支援プロジェクトやジョブ創出プロジェクト、パーソナルスコアリングプロジェクト、地方創生プロジェクト、子育て支援プロジェクト、フェアパートナーシッププロジェクトなど、さまざまなプロジェクトを進行する他、実態調査や政策提言、多彩なイベント運営等を行っている。
同協会では、2017年7月にフリーランス向け福利厚生制度「ベネフィットプラン」の提供を開始。年会費1万円で、各種優待に加え、一般会員への入会で自動付帯となる賠償責任補償や、任意加入で就労不能に備える所得補償制度が利用できる。このうち、賠償責任補償と所得補償制度については、損保ジャパン日本興亜が提供しており、今回新たに任意加入の報酬トラブル弁護士費用保険「フリーガル」の提供を開始した。
同保険は、フリーランス協会の公式ホームページを通じて、年間保険料5000円から加入できる。電話相談窓口では、フリーランスの取引における報酬トラブル防止に向けた契約締結前の事前相談や、報酬未払い等が発生した場合の一般的な法律相談を無料で行うことができる他、当事者間で解決ができない場合は損保ジャパン日本興亜から日弁連リーガル・アクセス・センターを通じて弁護士を紹介。報酬の未払いや支払い遅延、一方的な減額を受けた場合等において、法的対応にかかった弁護士費用を保険金として支払う。
近年、一億総活躍社会の実現に向けて、時間・場所・雇用関係などに捉われず、柔軟に働くフリーランスのさらなる活躍が期待されており、内閣府が19年7月に発表した推計によると、副業も含めたフリーランス人口は約341万人に上る。フリーランスが取引先との関係で不利になることに対して、政府でもフリーランスの課題に関する論点整理がされており、フリーランス協会が一般会員向けに実施したアンケート調査によると、約7割のフリーランスが取引先との報酬トラブルを経験している。
同協会が18年12月に実施した「未払い報酬に関するアンケート調査」では、「フリーランスになってから現在までの間で、仕事をしたがクライアントが報酬を払ってくれないという経験はあるか(報酬の一部が未払いの場合も含む)」との質問に対し、69.7%が「経験がある」と回答。「報酬未払いが起きた際にどのようなアクションを起こしたか」との質問では、42.2%が「泣き寝入りをした」と回答し、そのうち、36.9%が「どうすればいいか分からなかったから」、32.6%が「弁護士費用が負担に感じたから」を理由として挙げている。
また、「報酬未払いが発生したときに、弁護士費用無料で、督促状の送付、和解交渉や訴訟手続きなど実施してくれる保険商品があれば加入したいと思うか」との質問では、16.5%が「加入したい」、64.2%が「保険料が安ければ加入したい」と回答した。
損保ジャパン日本興亜では、このような状況を踏まえ、今回、フリーランス協会の一般会員専用商品として、報酬トラブル弁護士費用保険「フリーガル」を開発した。
今後、損保ジャパン日本興亜とフリーランス協会では、同保険を含めた「ベネフィットプラン」の提供を通じて、フリーランスをはじめ、兼業や副業など多様な働き方を選択する人々が安心して働くことができる環境づくりに貢献していくとしている。
フリーランス協会の概要は次の通り。
▽設立年月日:17年1月26日(同年4月20日に一般社団法人化)
▽代表理事:平田麻莉
▽会員数:一般会員2400人、無料会員1万4040人(19年7月末現在)
▽賛助企業:163社(同)