2019.08.29 あいおいニッセイ同和損保 オンデマンド交通事業者向けプラン提供 基本リスクをパッケージ補償

 あいおいニッセイ同和損保は8月16日、今後拡大するオンデマンド交通事業に伴うリスクに対応するため、MaaS保険第1弾として、オンデマンド交通事業者向けプランを提供することを発表した。オンデマンド交通とは、定時・定路線ではなく、利用者の予約時間や場所に合わせて運行する公共交通機関のこと。同プランでは、オンデマンド交通事業に関わる基本リスク補償をパッケージ化することで、さまざまな事故に対応できる分かりやすい商品設計としている他、利用者の満足度向上をサポートする補償も追加で選択することができる。

 同プランでは、運行中に自動車事故を起こして通行人や乗客にけがを負わせた場合や、運行中に自動車事故を起こして車両が壊れた場合など、オンデマンド交通事業者が業務に使用する自動車の運行に伴って発生し得る損害を補償。また、バス停留所の雨よけが倒れて通行人にけがを負わせたなど、事業者が業務の遂行や管理する施設・設備等に関連した事故を起こし、法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害について補償する。
 さらに、利用者の満足度向上をサポートする補償として、乗客がバス内に忘れ物をして自宅まで届けた際の費用や、配車予定時間から到着が大幅に遅れたため、おわびとして次回乗車時に使用できる電子クーポンを配布した際の費用など、オンデマンド交通事業者が提供するサービスにおいて、サービス約款に基づく約定を履行することによって負担した費用を損害保険金として補償する。
 現在、多くの自治体や企業が、地域の公共機関の一つである路線バスや自治体バスの利用者減少に伴う路線維持に係る費用負担の増加や、免許証返納後の交通手段という地域の喫緊の交通課題解決に向け、MaaS等の新しいモビリティサービスの取り組みを検討している。
 あいおいニッセイ同和損保においても、経済産業省・国土交通省主催のスマートモビリティチャレンジ推進協議会やMONET Technologies㈱のMONETコンソーシアムなどに参画し、新しいモビリティサービスの普及促進を目指し、MaaS向け保険の検討・開発を進めている。
 今回、路線バスや自治体バスを利用者の都合に合わせて運行するオンデマンド化の取り組みが加速していることを受け、同社ではオンデマンド交通を運営する自治体・事業者向けに、万が一の際の安全・安心に加え、サービスの魅力を増すことに対応した保険を提供することとした。
 同社は行動指針として地域密着を掲げ、250以上の自治体と連携協定を締結するなど地方創生に力を注いでおり、今後はオンデマンドバス等を検討する自治体や企業等に本プランを提案していく方針。また、本年度中にMaaS保険第2弾の発売を予定しており、今後もMaaS等、新しいリスクに対応した保険の提供を通じ、安全・安心で快適なモビリティ社会の実現や地域の持続的な発展に貢献していくとしている。