2019.04.04 JA共済連 生命総合共済・建物更生共済で仕組改訂 一時払終身に生存給付特則新設 年金支払開始年齢 90歳に拡大

 JA共済連は4月1日、「生命総合共済」「建物更生共済」の仕組改訂と共済掛金率等の変更を行った。生命総合共済では、一時払終身共済(平28・10)に生存給付特則を新設した他、定期生命共済の共済期間のバリエーションを拡充。予定利率変動型年金共済では年金支払開始年齢・加入年齢等を拡大し、生活障害共済(一時金型)は法人契約を可能とした。建物更生共済では、費用保障を拡充するとともに、「農業に関連する施設」への火災共済金額の最高限度額を、現行の3億円から20億円に引き上げた。

 【生命総合共済の仕組改訂等】
 生命総合共済の仕組改訂では、JAの組合員層が全国平均よりも高齢化が進んでおり、正組合員の多くが70歳代以上に至ることから、次世代層・次々世代層への資産継承を図るための生前贈与ニーズに応えるため、一時払終身共済(平28・10)に「生存給付特則」を新設し、生前贈与として活用できる仕組みとした。
 生存給付特則付一時払終身共済(平28・10)では、被共済者が生存給付金支払期間(契約時に5・10・15・20年から選択)中の各共済年度の満了時に生存している場合、共済金額×20%を生存給付金として生存給付金受取人に支払う。また、被共済者が死亡した場合、①共済金額と同額②共済金額×20%×生存給付金支払期間の残存期間(死亡共済金の支払事由が発生した時から生存給付金支払期間の満了時までの年数。1年未満の端数がある場合は切り上げ)により計算される額―の合計額を、死亡共済金として死亡共済金受取人に支払う。なお、生存給付金支払期間の満了後に死亡した場合は、共済金額と同額の死亡共済金を支払う(終身保障)。
 特則なしの一時払終身共済(平28・10)と同様、2項目のみの簡単な告知で申し込みが可能。生存給付金は生前贈与として活用できることに加え、死亡共済金は相続に活用できる。また、JA共済が生存給付金の支払い後に発行する「支払証明書」を贈与の記録として利用できるため、贈与契約書の作成は不要。
 定期生命共済については、組合員の若年層(20~30代)では、共済加入に当たって価格(掛金)を最も重視していることから、低廉な共済掛金で大型の万一保障を確保できる歳満了タイプの共済期間を拡充。現行の80・90・99歳に、今回の改訂で50・55・60・65・70・75歳を追加した。また、定期生命共済でも、生前給付特約の付加を可能とした。
 予定利率変動型年金共済については、これまで18~65歳だった加入年齢範囲を拡大し、66歳以上でも引退後の年金保障を確保することのできる仕組みとした。なお、昨今の金利情勢等を踏まえた共済事業の健全性を確保するため、一時払契約は引受停止とした。
 年金支払開始年齢・共済掛金払込終了年齢は、現行の50~70歳(5歳刻み)から50~90歳(5歳刻み)に拡大。加入年齢は、現行の18~65歳から18~85歳に拡大した。また、年金支払開始年齢の拡大に伴い、保証期間付終身年金の新たな保証期間として、年金支払開始年齢75歳では保証期間10年、80・85・90歳では5年とした。50・55・60・65歳は15年、70歳は10年で従来通り。
 生活障害共済(一時金型)については、農業法人等のニーズに対応するため、法人契約を可能とした。
 【建物更生共済の仕組改訂等】
 建物更生共済の仕組改訂では、費用保障を拡充し、失火見舞費用共済金(主契約)の1被災世帯当たりの支払額を、現行の20万円から50万円に引き上げた(1事故について火災共済金額×20%限度)。また、水道管凍結修理費用共済金(建物・特定建築物主契約)を新設し、専用水道管が凍結によって破損した場合に、修理費用を保障する(1事故について10万円限度)他、ドアロック交換費用共済金(家財・営業用什器備品主契約)を新設し、鍵が盗難された場合にドアロックの交換費用を保障する(1事故について5万円限度)。
 その他、農業法人の増加や6次産業化の進展に伴い、「農業に関連する施設」の大型化が進む中、再取得価額が3億円を超える「農業に関連する施設」を保障するため、普通物件のうち、「農業に関連する施設」の火災共済金額の最高限度額を、現行の3億円から20億円に引き上げた。