2019.04.02 JA共済連 19~21年度「3か年計画」、環境変化見据えた態勢構築

 JA共済連(全国共済農業協同組合連合会、柳井二三夫代表理事理事長)は3月20日開催の臨時総代会で、2019年度から21年度の「JA共済3か年計画」と、19年度の「JA共済事業計画(第70年度事業計画)」を決定した。新たな3か年計画では、「安心と信頼の『絆』を未来につなぐ~地域のくらしと農業を支えるJA共済~」をスローガンに掲げ、前3か年計画から引き継いだ課題や、農協改革およびJAグループの自己改革を踏まえた新たな課題に適切に対応し、JA共済の目指す姿に向かって確実に前進していくための実践事項を取りまとめた。また、初年度である19年度は、3か年計画と連動した事業計画とし、目指すべき将来の姿に向かって確実に前進していくための施策に取り組む。

 19年度から21年度の3か年計画では、JA共済は、JAの総合事業の一環として組合員・利用者のくらしを守り、農業と地域に貢献し続けるため、①JAと連合会の一体的事業運営を堅持しつつ、組合員・利用者との関係を強化し、強固な事業基盤を確保する②組合員・利用者の負託に応え続けるために、新技術等を活用し、他事業とも連携しながら保障提供を拡充した質の高い安心の提供を行うとともに、環境変化を見据えた態勢を構築する―としている。
 基本方向と重点取組事項は次の通り。
 【基本方向1】組合員・利用者への保障提供の徹底と新たなJAファンづくりによる強固な事業基盤の確保
 ▽JAは、支店(所)ごとの地域特性に応じ、強固な事業基盤の確保に向けて、
 ・長期にわたりライフイベント等に応じたさまざまな保障提供機会につながる生命保障を中心とする保障提供を進める。
 ・農業経営へのさらなる貢献や地域の活性化に取り組み、JAファンづくりを進める。
 ▽連合会は、JAグループ内の連携等を含めた取り組みを通じ、JAへの支援を強化する。
 【基本方向2】永続的な保障提供に向けた効率化の追求と健全性の強化
 ▽永続的な保障提供に向けて、
 ・新技術の活用等により効率化を進め、JAの事務負荷を軽減するとともに、契約者対応力を強化する。
 ・健全性規制強化への対応を行うとともに、環境変化を見据えた態勢を構築する。
 【重点取組事項1】契約者数の確保に向けた生命保障を中心とする保障提供の強化
 ①地域特性に応じた推進・保全両面でのエリア戦略の強化と体制整備
 ②対象者ごとのニーズ等に合わせた施策の一体的展開
 ③保障提供の拡大に向けた推進力の強化
 【重点取組事項2】新たなJAファンづくりに向けた農業・地域に貢献する取り組みの強化
 ④自己改革の継続・深化と組合員・地域住民等への理解促進に向けた取り組みの強化
 ⑤農業経営の安定化に向けた取り組みの強化
 ⑥組合員・地域住民等とのさらなる関係強化
 【重点取組事項3】事業の効率化・契約者対応力の強化および健全性の向上
 ⑦新技術の活用等を通じた事業の効率化と契約者対応力の強化
 ⑧永続的な保障提供に向けた健全性・信頼性の向上
 【中長期的な事業展開に向けた取組事項】
 ⑨今後の事業環境変化を見据えた検討
 また、19年度の事業計画は、3か年計画の初年度に当たることから、3か年計画の基本方向と連動した計画とする。
 【重点取組事項1】では、①地域特性に応じた推進・保全両面でのエリア戦略の強化と体制整備として、▽エリア戦略のさらなる実践▽エリア戦略の実践に向けた体制整備―に取り組む。②対象者ごとのニーズ等に合わせた施策の一体的展開では、▽ニーズを捉えた仕組み・サービスの提供▽既加入者の維持に向けた取り組みの強化▽未加入組合員対策の強化▽共済を補完する共栄火災の活用―に取り組む。また、③保障提供の拡大に向けた推進力の強化では、▽LAの実践的な研修および支店管理者による指導等の取り組みの強化▽スマイルサポーターの推進力向上および支店(所)内の情報連携強化▽JA支援機能の強化に向けた連合会職員の育成―を施策とする。
 【重点取組事項2】および【重点取組事項3】についても、3か年計画の柱立てを基本とし、3か年計画における重点取組事項を着実に実践していくための取組施策を展開する。
 19年度の共済種類別契約高(新契約高)は、生命総合共済5兆5774億円、建物更生共済17兆9819億円、医療系共済48万6000件・28億円、介護共済1440億円、生活障害共済(一時金型)3330億円(定期年金型)7718億円、年金共済839億円、自動車共済790万7000件、3500億7600万円、自賠責共済322万6000件、744億3000万円、その他短期共済70億8900万円を予定としている。