2018.11.28 SOMPOHD 19年3月期第2四半期決算 北米ハリケーン影響剥落で増益 国内保険引受利益減自然災害が主因

 SOMPOホールディングスが11月19日に発表した2019年3月期第2四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比2.4%減の1兆8892億円となった。このうち、正味収入保険料は同3.9%減の1兆4403億円、生命保険料は同1.2%増の1704億円だった。台風21号などが発生した一方で、前年度に北米ハリケーンを追い込み計上した影響の剥落などにより、連結経常利益は240億円増益の278億円、連結純利益は202億円増益の221億円となった。

 国内損保事業のうち、損保ジャパン日本興亜の保険引受利益は、台風21号を中心とした国内自然災害の発生損害額が対前年同期比で1216億円拡大したことを主因として、同860億円減益の▲584億円となった。
 正味収入保険料の合計は同1.2%減の1兆934億円。種目別では、火災が海外受再契約をSI(Sompoインターナショナル)へ移管したことなどを主因に1304億円と同4.0%減収した。海上は同0.7%減の233億円だった。傷害は同4.4%減の938億円で、主に一部商品をその他種目へ移管したことが影響した。自動車は同0.7%減の5340億円で、18年1月の料率改定(自動車保険全体で1.7%減)の影響を台数増で一部カバーしている。自賠責は同9.8%減の1389億円となった。その他は中小企業向けパッケージ商品の販売が引き続き好調で、同10.1%増の1728億円と大幅な伸びを示した。その他のうち、賠償責任は同8.4%増の970億円と堅調に推移した。自賠責・家計地震を除いた合計は同0.2%増の9542億円となった。
 正味支払保険金は同3.0%増の6336億円。自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は国内自然災害の発生損害額1472億円の影響を主因に同12.1ポイント上昇し、73.4%となった。正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は着実な社費の削減などにより、事業費を計画通りコントロールし、同0.3ポイント低下の33.5%となった。コンバインド・レシオ(自賠責・家計地震を除く)は同1.7ポイント上昇し、94.3%だった。
 資産運用粗利益は政策株式の着実な売却もあり、350億円増益の653億円と順調に進捗(しんちょく)した。
 経常利益は同508億円減の▲32億円、当期純利益は同323億円減の1億円となった。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比16.8ポイント低下し、718.3%だった。
 国内生保事業で、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、新契約年換算保険料が同1.2%減の179億円となった。新収入保障保険の販売好調もあり、保障性商品の新契約年換算保険料は同24.5%増の108億円と2桁の伸びを示した。保険料等収入は同1.1%増の2160億円だった。
 事業費は同2.9%減の450億円、資産運用損益は同2.9%増の230億円で、基礎利益は同68.3%増の166億円、経常利益は同72%増の154億円、当期純利益は同119.8%増の94億円と順調に進捗した。保有契約の拡大に加えて、責任準備金繰入負担の減少などもあり、当期純利益の進捗率は79%となっている。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比21.1ポイント低下し、1492.0%となった。
 介護・ヘルスケア事業等の業績は入居率が引き続き改善し、介護事業の当期純利益は12億円増益の22億円となった。
 海外保険事業の収入保険料は同476億円減の3215億円、修正利益は前年度の北米ハリケーンの追い込み計上の影響剥落を主因に624億円増益の271億円となった。なお、売却したSompoキャノピアスの17年度収入保険料は1297億円、同修正利益は▲268億円で同社売却完了に伴い18年度は影響が剥落している。17年度中間期収入保険料は695億円、同修正利益▲171億円だった。
 地域別に見ると、収入保険料は欧米が同363億円増の2423億円、アジア・中東が同41億円減の404億円、南米が同103億円減の387億円だった。修正利益は欧米が同432億円増の201億円、アジア・中東が同10億円増の63億円、南米が同10億円増の6億円となった。
 通期業績予想については、台風21号など大規模国内自然災害の発生状況とともに、期初強めに織り込んでいたSIのトップライン成長を足下の環境に合わせて調整。連結経常利益は2370億円、連結純利益は1700億円(期初予想比400億円減、対前年比301億円増)を見込む。