2018.02.20 MS&ADHD 17年度第3四半期決算、グループ連結 増収確保

MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が2月14日に発表した2017年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比1.9%増の4兆1457億円だった。損保の正味収入保険料は、海外保険子会社がMS Amlinなどを主因に減収したものの、米州・アジアは増収した上、国内損保子会社が同440億円の増収となり、グループ全体では同0.8%増収の2兆6282億円となった。生保では、国内生保会社の生命保険料は同18.9%減の7583億円で、グロス収入保険料は、三井住友海上プライマリー生命の商品ラインの入れ替えが主な要因となり、同1.2%減の1兆1171億円だった。連結の経常利益は、同49.3%減の1617億円。四半期純利益は、国内・海外の自然災害ロスの増加に加え、MS Amlinの一般ロスの増加を受け、同53.4%減の976億円となった。

 国内損保主要2社の業績は、保険引受利益は三井住友海上が同93億円減の581億円、あいおいニッセイ同和損保が同540億円減の▲68億円だった。2社合計は同634億円減の513億円となったが、自然災害の増加影響など一過性の要素を除いた利益は堅調に推移している。
 正味収入保険料は、火災保険などの増収を主因に、2社合計で同2.2%増収の2兆534億円となった。このうち、三井住友海上は同2.1%増収の1兆1280億円、あいおいニッセイ同和損保は同2.2%増収の9254億円だった。
 三井住友海上の正味収入保険料を種目別に見ると、火災は同7.9%増の1474億円、海上は同1.3%増の450億円、傷害は同2.7%増の1087億円、自動車は同0.9%増の4964億円、自賠責は同2.4%増の1418億円、その他は同1.0%増の1884億円と全種目で前年度実績を上回った。
 正味支払保険金は同90億円増の6053億円。家計地震・自賠責を除いた正味損害率は同0.6ポイント上昇して56.6%、正味事業費率は同0.2ポイント上昇の32.7%だった。コンバインド・レシオは同0.8ポイント上昇して89.3%となった。
 あいおいニッセイ同和損保の正味収入保険料の種目別では、火災が同17.5%増の1323億円、海上が同42.4%増の57億円、自動車が同0.5%増の5151億円、自賠責が同2.5%増の1283億円と前年度実績を上回った。傷害は同0.2%減の470億円、その他も同6.6%減の968億円と前年度に比べ減収した。
 正味支払保険金は同24億円減の4842億円。家計地震・自賠責を除く正味損害率は同0.4ポイント低下の54.3%、正味事業費率も同0.2ポイント低下し34.5%。コンバインド・レシオは同0.6ポイント低下の88.8%だった。
 国内損保事業の主要2社の資産運用・その他収支は、政策株式の売却が2社合計で1203億円と順調に進み、同382億円増益の1725億円だった。三井住友海上は同354億円増の1368億円、あいおいニッセイ同和損保は同28億円増の357億円だった。2社合計の経常利益は2238億円で同251億円の減益。このうち、三井住友海上は同260億円増の1950億円だったのに対し、あいおいニッセイ同和損保は同512億円減の288億円だった。2社合計の四半期純利益は同122億円減益の1692億円。三井住友海上は同250億円増の1501億円、あいおいニッセイ同和損保は同372億円減の190億円だった。ソルベンシー・マージン比率は三井住友海上が前年度末比69.2ポイント上昇して727.1%、あいおいニッセイ同和損保が同38.7ポイント低下の812.9%となった。
 国内生保事業では、三井住友海上あいおい生命は、新契約高(個人合計)が前年同期比29.3%増の2兆747億円と急伸。新商品を投入した収入保障保険の大幅な増加が要因となった。一方、新契約年換算保険料は同13.0%減少して292億円、このうち第三分野は同8.8%減の103億円と前年度実績を下回った。保有契約高(個人合計)は同2.2%増の23兆7137億円。保有契約年換算保険料は同2.2%増の4097億円で、このうち第三分野は同6.9%増の945億円となった。
 保険料(グロス収入保険料)は同3.2%増の3602億円、経常利益は同1.3%増の132億円。四半期純利益は、標準利率改定による責任準備金負担の増加があったものの、同0.1%増の61億円と増益を確保した。基礎利益は114億円で、同27.7%の減益となった。
 三井住友海上プライマリー生命の新契約高(個人合計)は同0.1%減の7581億円。保有契約高(個人合計)は同10.0%増収し、6兆2470億円となった。保険料(グロス収入保険料)は変額保険の販売減少により同3.2%減収したが、定額保険の販売が好調に推移したため、7568億円と、計画を上回った。経常利益は同13.1%減の423億円。四半期純利益は、保有契約増加に伴う利ざや収入の増加などが寄与したが、金利・為替のプラス影響を価格変動準備金繰入で取り込んだため、通期予想は上回ったものの同25.2%減少し253億円となった。2月に発売したトンチン年金タイプの新商品「一生涯受け取れる 人生応援年金」は好調なスタートを切ったとしている。
 海外保険子会社業績については、正味収入保険料が同4.2%減の5437億円となった。四半期純利益は、MS Amlinの自然災害ロスと一般ロスの増加などにより、同1013億円減の▲729億円。現地第4四半期に発生した米国カリフォルニア州の二つの山火事損害に対して約250億円を織り込んだことから、前四半期から赤字幅が増加した上、一般種目のロスも第3四半期で見込んでいた水準を上回ったことが影響した。自然災害リスクについては、1月から1災害に関わる再保険カバーの発動点の引き下げ、同一年度の複数の災害による保有損害額の累積を緩和するカバーの追加設定など、収益の安定性を高める取り組みを実施。その他一連の改善取り組みを通じて、今後2年での収益回復を見込んでいる。