2023.07.07 東京海上日動、プレミア・エイド 自動運転レベル4公道走行の実装に対応、遠隔監視・インシデント対応サービス開始 リスクアセス含む導入・運行支援パッケージも提供

東京海上日動と㈱プレミア・エイド(吉澤成一朗代表取締役)は6月14日、自動運転レベル4の社会実装を支えるために、「自動運転向け遠隔監視・インシデント対応サービス」を開始すると発表した。プレミア・エイドは㈱プレステージ・インターナショナル(東京都千代田区、玉上進一代表取締役)の連結子会社。また、両社および東京海上ディーアールの3社は、リスクアセスメントに遠隔監視・インシデント対応サービスと保険を組み合わせた「自動運転導入・運行支援パッケージ“Hawk SafEye(ホークセーフアイ)”」の提供を併せて開始する。

東京海上日動とプレミア・エイドが構築した「自動運転向け遠隔監視・インシデント対応サービス」は、自動運転レベル4の社会実装を見据え、安心・安全な走行を支える遠隔監視や事故対応を含めたインシデントサポートなどの各種サービスを提供する。プレミア・エイドは東京都千代田区神田に「自動運転向け遠隔監視センター」を開設し、自動運転関連事業者や自治体等のニーズに応じてサービスを提供する。
具体的なサービスとしては、▽各種問合せコールセンター(自動運転車の顧客〈乗客等〉向けにコールセンターを提供することで、自動運転車の走行状況・乗車方法・トラブルなどの相談に幅広く対応)▽遠隔監視(自動運転車等の走行・運行状態を遠隔監視することで、事故やトラブルを未然に防止するとともに、トラブル等が生じた際にはオペレーターから乗客への呼びかけを行うことで、自動運転関連事業者と乗客の走行・運行をサポート)▽インシデント対応サービス(事故やトラブルが生じた際に、消防等への連携、現場への駆け付け、代替交通手段の手配といった必要な対応を手配)▽円滑な事故対応サービス(東京海上日動の自動車保険に加入している場合、インシデント対応サービス提供時に把握した事故・トラブルの状況をプレミア・エイドと東京海上日動で連携することで円滑な事故対応サービスを提供)―が挙げられており、今後両社で、自動運転の各種インシデント発生時に必要となるサービスや緊急通報サービスから保険事故受付・示談交渉までのサービス等をシームレスに提供する仕組みの構築を進めていくという。
また、自動運転導入・運行支援パッケージ“Hawk SafEye”は、自動運転車の走行前、走行中、事故時の各フェーズを守ることをコンセプトとするパッケージ商品。具体的には、東京海上ディーアールが提供する自動運転の「リスクアセスメント」、プレミア・エイドの「遠隔監視・インシデント対応サービス」、東京海上日動の「保険」を自動運転関連事業者のニーズに合わせて提供する。東京海上ディーアールが提供するリスクアセスメントは、▽運行体制・マニュアル整備▽各種申請サポート▽走行ルート評価▽走行・オペレーション評価▽想定事故ケースにおける責任関係整理〈東京海上日動〉―といったソリューションで構成される。22年1月に東京海上ホールディングスが資本業務提携を行った米国のMay Mobilityの自動運転システムのデータ等を活用しパッケージの高度化に向けた協業を進めていくことにしており、今後、May Mobilityの同システムを用いた実証実験等にパッケージを提供する。
今年4月からは改正道路交通法の施行により自動運転レベル4の公道走行が可能となり、政府は、限定エリアにおける無人自動運転移動サービスの実装を2025年までに全国50カ所以上に拡大する目標を掲げている。公道走行にあたっては、安全な運行確認や事故時の対応などのため、自動運転事業者には車両内もしくは遠隔で自動運転車の監視にあたる「特定自動運行主任者」の配置が義務付けられている。また、自動運転車を用いた運送事業について遠隔監視等の一部業務の外部委託を可能とする方向性も示されているという(「自動運転車を用いた自動車運送事業における輸送の安全確保等に関する検討会報告書」による)。
東京海上日動とプレミア・エイドは、17年4月から東京海上日動が提供する通信機能付きドライブレコーダーを活用した緊急通報サービスの協業を通じて、保険金の支払いにとどまらない価値提供を追求してきており、今回、自動運転車の安心・安全な社会実装を支えるために、自動運転向け遠隔監視・インシデント対応サービスの提供を開始することにした。