2023.03.03 3メガ損保 22年度第3四半期決算、各グループとも減益基調続く

2月14日に3メガ損保各社が発表した2022年度第3四半期決算によると、上半期から引き続き各グループとも保険料収入は順調に推移しているものの、国内自然災害やコロナ影響、海外事業の損失などにより大幅な減益が続いている。通期業績予想は、各グループとも昨年11月公表の予想から変更はない。(2面に3グループ各社とAIG損保の種目別保険料・保険金の一覧表を掲載)

東京海上HDのうち東京海上日動の正味収入保険料は料率改定に伴う火災の増収を主因に順調に推移し、前年同期比4.6%増の1兆7921億円となった。国内自然災害の増加・外貨建支払備金積増の他、コロナ保険金の増加、南アフリカ洪水、自動車保険のコロナ反動、大口事故の増加などにより当期純利益は1067億円減益の1397億円。一方、海外事業の当期純利益は、台湾コロナの影響を主要拠点での好調な業績や円安進行が打ち返し、143億円増益の2034億円。連結の当期純利益は1026億円減益の2714億円だった。連結の修正純利益は同1451億円減益の3278億円で、通期予想4000億円に対して82%の進捗率を示している。
MS&ADHDの国内損保主要2社(三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保)の正味収入保険料は、火災保険や海上保険の増収を主因に合計で前年同期比3.6%増の2兆2270億円を計上した。国内自然災害ロス、新型コロナ関連ロス、自動車保険のロス、火災新種ロス(大口事故)の増加などにより、2社合計の当期純利益は同153億円減益の1473億円。海外事業は、欧州、アジア、米州ともに増収したほか円安影響もあったが、ロシア・ウクライナ関連ロスの見積額の計上や台湾現法のコロナロス等により、当期純利益は451億円減益の▲310億円となった。連結の当期純利益は、1116億円減益の879億円。連結の修正利益は同1948億円減益の812億円だが、通期予想1700億円は変更ない。
SOMPOHDのうち、損保ジャパンの正味収入保険料は引き続き火災保険・新種保険が好調で、前年同期比3.8%増の1兆6942億円を計上。自然災害のほか、自動車保険や傷害保険における新型コロナ影響による支払保険金の増加などにより、当期純利益は同727億円減益の338億円となった。海外事業では、SIコマーシャルで大幅増収があったもののハリケーン・イアンの損失もあり、同140億円減益の331億円。連結の当期純利益は、1461億円減益の376億円。修正連結利益は1216億円減益の834億円だが、通期予想1600億円は変更ない。