2023.03.06 T&D保険グループ 22年度第3四半期決算 修正利益は前年並843億円、中核3社新契約保険料は25%増と好調

T&D保険グループが2月14日に発表した2022年度第3四半期決算によると、連結経常収益は国内生命保険事業の契約業績好調により前年同期比25.8%増の2兆1207億円を計上。一方、コロナ関連の支払増加等により経常費用が増加したことで、連結経常利益は同2291億円減益の▲1209億円、親会社株主に帰属する四半期純利益はフォーティテュード社における米国金利上昇に伴う会計上の一時的な評価性損失等により同2229億円減益の▲1675億円だった。グループ修正利益は、T&Dフィナンシャル生命とT&Dユナイテッドキャピタルの利益が増加したものの、コロナ関連の支払増加と為替ヘッジコストの増加等により同0.5%減の843億円だった。

同グループでは同日付で「海外関連会社における評価性利益等の計上に関するお知らせ」を発表。第4四半期にフォーティテュード社で主に為替相場の変動に伴い会計上の一時的な評価性利益等を計上する見込みとなり、第4四半期にこの評価性利益等を含めT&Dホールディングスにかかる持分法による投資利益として250億円程度を計上する見込みだと報告した(注1)。グループ修正利益相当額としては120億円程度の利益を計上する見込み。
第3四半期末の中核生保3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算の保険料等収入は前年同期比22.6%増の1兆6265億円で、基礎利益は同45.4%減の697億円だった。
契約業績は、主力商品の販売好調や対面・非対面を融合した営業活動の実践により堅調に推移。中核生保3社の新契約年換算保険料は同25.9%増の1181億円だった。このうち第三分野は同11.9%増の304億円。保有契約年換算保険料は1兆5605億円で前年度末比1.1%増、このうち第三分野は2867億円で同3.3%増だった。
中核生保の業績を個社ごとに見ると、太陽生命の経常収益は前年同期比13.8%増の7420億円で、このうち保険料等収入は同2.9%減の4506億円だった。新契約年換算保険料は同2.4%増の259億円、うち第三分野は同14.0%増の162億円。年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障性新契約年換算保険料は、インフォマーシャルやインターネット広告等を経由した情報を活用し、対面・非対面を融合させた「ハイブリッド型営業」の推進や、22年5月に発売した「告知緩和型死亡保険」「選択緩和型先進医療保険」等の販売が好調だったことから、同23.3%増の170億円。保障性保有契約年換算保険料は、第三分野商品の販売好調により前年度末から2.2%増の1615億円となり、上場以来最高だった前年度末からさらに伸展した。経常費用のうち保険金等支払金は同8.8%増の5675億円で、純利益は同20.8%増の158億円、基礎利益は同62.4%減の123億円だった。
大同生命の経常収益は前年同期比4.0%増の7929億円で、このうち保険料等収入は同0.4%増の5981億円だった。新契約年換算保険料は同8.4%増の524億円、うち第三分野は同12.4%増の140億円だった。新契約高(注2)は、対面・非対面を組み合わせたコンサルティング営業の実践等により、主力である定期保険、特にオーダーメード型商品(αシリーズ)の販売が堅調に推移。「就業不能・介護保障商品」も前年同期から増加したことで、新契約高は前年同期から1182億円増の3兆4126億円となった。保有契約高(注2)は46兆8576億円で、新契約高が堅調に推移したことにより前年度末(46兆7033億円)から純増となった。経常費用のうち保険金等支払金は同6.7%増の4144億円で、純利益は同23.8%減の448億円、基礎利益は同44.0%減の547億円だった。
T&Dフィナンシャル生命の経常収益は前年同期比124.6%増の6903億円、うち保険料等収入は同116.8%増の5776億円だった。新契約年換算保険料は同97.8%増の397億円。内外金利上昇による商品の魅力度向上等の影響により一時払終身保険「生涯プレミアムワールド5」「生涯プレミアムジャパン5」の販売が堅調に推移したほか、変額保険「ハイブリッドシリーズ」も商品浸透と代理店数の拡大により着実に販売が拡大したことで新契約年換算保険料は約2倍の伸展となった。保有契約年換算保険料は前年度末から11.3%増加し1827億円だった。経常費用のうち保険金等支払金は同233.1%増の6411億円で、純利益は同74億円増の75億円、基礎利益は同55億円増の26億円だった。
損保事業のペット&ファミリー損保の経常収益は保有契約件数の増加により前年同期比1085億円増の7325億円、経常利益は同398億円増の382億円、四半期純利益は同288億円増の273億円だった。
グループ連結のソルベンシー・マージン比率は前年度末比177.0ポイント低下し849.3%。実質純資産は前年度末差1兆2475億円減の1兆4199億円となった。
(注1)フォーティテュード社の決算日は12月末であり、同社の第4四半期会計期間(22年10月1日~22年12月31日)の損益は、T&Dホールディングスの第4四半期連結会計期間(23年1月1日~23年3月31日)に反映される。
(注2)「新契約高」「保有契約高」には、「Jタイプ」の重大疾病保険金額、「Tタイプ」の就業障がい保険金額、「介護リリーフα」等の介護保険金額を含む。