2018.03.02 生保協会 定例会見、スポーティライフ大賞発表、221団体から12団体選出

生命保険協会の橋本雅博協会長は2月16日、日銀記者クラブ定例会見を行い、2017年9月に公表した「健康増進サポートプロジェクト」の取り組みの一つである「スポーティライフ大賞」について、応募総数221団体から、選考の結果12団体を表彰することを決定したと報告した。地域コミュニティ部門では、美しい山形・最上川フォーラムが、企業部門では、けんせつ体幹体操製作委員会(一般財団法人建設業振興基金)がそれぞれグランプリを獲得した。

 「スポーティライフ大賞」は健康を意識した前向きな取り組みを推進している団体・企業を、地域コミュニティ部門(地域で健康活動を支援している団体、地域スポーツ教室、NPO・NGO法人、学校、地方自治体等)と、企業部門(自社の従業員〈家族を含む〉の健康活動を支援している企業)の2部門に分けて全国から募集し、優れた取り組みを表彰するもの。
 17年10月から11月の募集期間に応募のあった221団体の中から、活動の規模や効果、ロールモデル性などの観点から選考した結果、会見同日に開催された理事会で12団体を表彰することを決定した。
 地域コミュニティ部門では、清掃活動とスポーツを組み合わせた活動や、行政の主導で市民に対してさまざまな健康支援を行っている取り組み、被災地での幅広い層を対象にした活動など、健康づくりを生活の一部に落とし込んだ、創意工夫を凝らした取り組みが数多く寄せられた。
 企業部門においても、日常業務が従業員の健康に与える影響を分析して独自の課題解決を図る取り組みや、健康づくりに無関心な層を巻き込む工夫をしている取り組みが見られた。
 橋本協会長は「この募集や選考を通じて、皆さまの健康増進への関心が非常に高いことをあらためて実感した」と感想を述べた上で、6月にはこうした優れた健康づくりの取り組みや、生保会社における従業員や地域に対する健康サポート事例を取りまとめた報告書を公表する予定であることを報告した。
 この他、金融市場動向の見通しに関する記者からの質問に対しては、2月の米国の雇用統計における賃金上昇率の高まりを受けて米国の長期金利が上昇しているものの、過度なリスク回避ムードが収まれば株価は徐々に持ち直すとの見込みを示した。
 為替についても、株価の下落によってリスク回避姿勢が強まり、円高が進行しているものの、日銀による緩和的な金融政策が当面維持される一方、米国ではFRBが利上げの継続を明確にしているため、市場が落ち着けば円安方向に戻るのではないか、とした。
 また、生保各社の第3四半期の決算状況と年度末に向けての見通しに関する質問に対しては、決算がまだ出そろっていないことを前置きした上で、発表を終えた会社の累計の収入保険料は、17年4月の標準利率の引き下げの影響を受けて貯蓄性商品の販売量が減少していることを大きな要因として、前年同期比マイナスになっていると説明。
 一方、運用面では、低金利環境が続く中で、日本国債中心の運用から、海外のソブリン債や公社債、クレジットリスクを取ったクレジット投資の拡大など、各社がリスク管理を伴った資産運用の高度化に取り組んだ結果、基礎利益そのものは増益基調にあると報告。円高や株価の問題はあるものの、足元のボラティリティーの大きさが業績に与える影響はかなり限定的であり、第3四半期の傾向が年度末決算まで続くとの予想を示した。