2018.03.01 損保協会 定例会見、「そんぽ防災ウェブ」で利便性向上、防災事業で気象庁と連携

損保協会は2月16日、業界紙向け定例記者会見を行い、気象庁と連携して防災事業を展開していることを報告した。既に1月から取り組みを開始しており、今後も双方の防災事業や所有コンテンツ・データの連携等を進め、リスク啓発の活動領域拡大と効率化を図る。また、本年度内には同協会ウェブサイト内に、防災に関するポータルサイト「そんぽ防災ウェブ」を新設することも明らかにした。

 同協会では防災事業として、有事の備えや地震保険の普及といった、いわゆる「財産防災」を中心としたシンポジウムやセミナー等を開催することでリスク啓発してきた。一方、気象庁は台風や地震などの自然災害等に関する知見を有し、気象に関わるデータを活用したリスク啓発向けのコンテンツ(刊行物等)を多数所有。これらを基に、身の周りの安全といったいわゆる「人命防災」を中心とした出前講座等を実施している。
 同協会と気象庁では、「人命防災」「財産防災」両方の知見やコンテンツ量を増やしたいこと、費用対効果も考慮の上、より効率的・効果的なリスク啓発活動を実施していきたいこと、新たなリスク啓発を行うための活動領域を拡大したいことなど、リスク啓発活動において共通課題があった。連携することにより、トータルでのリスク啓発活動が可能になる他、知見やコンテンツの相互利用による情報拡散効果の拡大や、新たなリスク啓発を行うための活動領域の拡大・効率化にもつながる。
 既に1月から南関東支部や中国支部で連携したセミナーやイベントを実施しており、今後もさらに連携を強化するように、気象庁に働き掛けていくとしている。
 「そんぽ防災ウェブ」には、情報量の拡充と情報の質向上を図るため、新たなウェブコンテンツを新設する。具体的には、気象庁と消防庁の災害データと損保の支払い保険金に関するデータをマッチングさせた、過去の風水害(激甚災害)等に関するデータベース、災害対策情報ページ(かんたん防災)、啓発取り組み概要資料(2017年度)、同協会が提供する防災プログラムなどとしている。
 会見ではこの他、18年度自賠責運用益拠出事業について説明。高齢運転者の運転時認知障害の早期発見事業などを新規拡充する一方で、交通事故防止用機器の寄贈事業などは減額になるとした。また、原典之協会長がタイ損保協会を訪問(1月19日)し、サイバーリスクへの対応や自動車保険のノンフリート等級情報交換制度などについて意見交換したこと、ミャンマー保険協会の設立記念式典(1月15日)に併せ、各国支援団体との協力覚書締結に係る調印式が行われ、同協会は業界団体として唯一ミャンマー保険協会と協力覚書を締結したことも報告した。