2017.04.14 ジェンリー、サービス子会社を4月に開設、日本での競争力向上図る

 米再保険大手のジェンリーは、ジェンリー・ジャパン・サービス㈱を設立し、4月1日から活動を開始した。これまで国内損保や共済の再保険を同じジェンリー・グループの再保険会社ジェンリーAG(旧ケルン再保険)が引き受けていたが、親会社である米国のジェンリー本社にシフト。より大きなキャパシティーを迅速に提供することで、日本市場での競争力向上を図る狙いがある。
 同社の日本での損害再保険ビジネスは、1971年に駐在員事務所を設置した後、94年のケルン再保険との合併を機に両社のオフィスを統合。2010年の生命再保険の事業認可取得後はジェンリーAGの日本支店内に「ジェネラル リインシュアランス エイジイ P&C再保険オフィス」を開設して活動してきた。
 今回、1998年に傘下に入ったバークシャー・ハサウェイ・グループの再保険部門で最高責任者を務めるアジット・ジェイン氏の直接の指示により、日本の損害再保険マーケットが特別重点市場として位置付けられ、ジェンリーのカラ・レイグエルCEOが引き受け戦略と体制の抜本的見直しに着手したことを受けて、ジェンリー・ジャパン・サービスを立ち上げた。
 同社は、再保険の引き受けを従来のジェンリーAGから親会社である米国のジェンリー本社に変更することで、自然災害をはじめとする日本の損害保険リスクに対してジェンリー本社の資本に直接アクセスできるようになり、大きなキャパシティーの迅速な提供が可能になる。一方で、新会社の石井隆社長以下7人の従業員全員が「P&C再保険オフィス」から移籍したことで、日本でこれまで提供していたサービスを円滑に引き継ぐことができる。
 今後は①ジェンリーの各保険分野における高度な専門知識を日本の損保市場・共済市場に提供するとともに、再保険を通して市場の健全な発展を積極的に支援②日本の地震や風水災害などの自然災害リスク、高額な企業保険リスクに対して、特約再保険、任意再保険の両面での引き受けの大幅な伸展③国内損保の海外保険市場への進出など新たな取り組みについてジェンリーの世界的ネットワークを利用して支援―を推進していく。
 石井社長は「ジェンリーは、日本のリスクを引き受ける国内保険会社・共済組織を再保険を通して全面的かつ長期的に支援していく方針であり、当社は国内損保、共済の再保険ニーズを的確に捉えてジェンリーに伝え、最大限のサービス提供を行えるように努めていく」としている。