2017.04.17 大学生協共済連「バイク自賠責保険加入システム」、三井住友海上と連携で開始

 全国大学生協共済生活協同組合連合会(大学生協共済連)は4月から、三井住友海上と連携してスマホから申し込みができる「バイク自賠責保険加入システム」を本格的に開始した。地方の大学を中心にバイク通学をする学生も多いが、特に車検制度に該当しない自動二輪車(排気量250㏄以下のバイク)による自賠責保険の期限切れが課題になっていた。申し込み後すぐに生協店舗でステッカー(保険標章)と自賠責証明書を受け取ることができ利便性が高いことから、課題解消の切り札になりそうだ。
 同システムでは、スマホで必要事項を入力するとQRコード付きのメールが送信される。生協店舗の職員が、そのQRコードを読み取れば顧客情報や契約内容を確認でき、その場で証明書類を発行するという仕組みだ。これにより、従来、約1週間かかっていた手続きが即日完了できる。スマホ上でクレジットカードの登録・決済を行うため、店舗での金銭の受け渡しはない。
 三井住友海上では「すでに全国の10大学で先行してシステムを導入している。今後、全国的に導入先を増やしていきたい。本スキームを通じて、大学生のバイク無保険ゼロの実現に取り組んでいきたい」と話す。大学生協共済連では「これまで通りの期限切れ点検や会員生協内での情報発信を強化して、無保険バイクをなくす取り組みを進めるとともに、順次取り扱う会員生協を広げていきたい」としている。
 2016年9月現在、大学生協共済連に加入している大学生協は全国で211ある。バイク自賠責についてはこれまで、バイク事故予防活動の一環として、生協職員(または学生委員)が駐輪場を回り自賠責の満期月を点検する「無保険事故」予防活動を実施してきた。点検時に満期が切れている場合、あるいは切れそうな場合には、はがきサイズの札をバイクのハンドルに掛けておき注意喚起を行っているが、その場で加入してもらうことができないため生協窓口では積極的に勧めることが難しかった。同システムを用いることにより、この札に記載されたQRコードをスマホで読み取って、即時にバイク自賠責の申し込み画面に進むことが可能になった。
 大学生によるバイク事故は多く、大学生協共済連の学生総合共済(生命共済)からの「交通事故による入院・通院・固定具・手術による共済金支払件数」は、15年10月~16年9月の1年間で、自転車事故が1853件、自動二輪・原付が合計1518件あった。
 一方、国土交通省の統計によると、政府保障事業の保障金支払い(加害者の賠償を肩代わりして支払う)状況は減少傾向だが依然高額だ。12年度の無保険車による事故の人数は354人、国による保障金(立て替え金)は9億8300万円。同様に13年度は261人・9億6000万円に上っている(4輪車を含む)。立て替え金に対する該当者からの回収はほとんどできていないのが実情だという。また、政府保障事業の財源は、自賠責保険料(共済掛金)の中に含まれる賦課金がその原資になっている。