2017.03.09 MS&ADHD、米NSV社と提携、ICTイノベーション推進
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)は、米国シリコンバレーに拠点を置くコンサルティング会社「Net Service Ventures Group」(NSV社、注1)と提携し、2月から同社が運営する戦略的ファンド・オブ・ファンズ(注2)「NSV Wolf Capital」への投資を開始した。MS&ADHDは投資を通じて、シリコンバレーにおける情報収集力の向上とネットワークの強化を図り、アジア・欧州地域を含めたグローバルなICTイノベーションをグループ全体で推進していく考えで、5月には駐在員をシリコンバレーへ派遣する予定だという。
「NSV Wolf Capital」は、米国シリコンバレーやニューヨークの複数のベンチャーキャピタルに分散投資するファンドであり、入手した先進的なICT情報や戦略アドバイスなどを投資家に提供している。
MS&ADHDでは、ファンド・オブ・ファンズを通じて、起業初期段階のフィンテック・ベンチャー企業の情報を多く持つ「スーパー・エンジェル・ファンド」と呼ばれるベンチャーキャピタルに投資し、新たなビジネスモデルや先進的なICTに関する情報を収集する。
収集した情報は、ベンチャー企業の動きから未来事業のヒントを得るための分析手法である「ベンチャースキャン」をはじめ、新事業の創造に関して豊富なコンサルティング実績を持つNSV社のノウハウを生かして、MS&ADグループの国内外におけるICTイノベーションの推進に役立てていく。
フィンテックの波は保険分野にも押し寄せており、今後もさらなるビジネスモデルの変革が求められる。同社グループでは、こうした環境変化を好機と捉え、フィンテックの源流である米国のベンチャー企業の情報を多面的に収集するため、本提携と投資を決定したとしている。
(注1)シリコンバレーの起業家・投資家として著名なリチャード・メルモン氏と、シリコンバレーでの知見に基づいて日本企業に向け幅広いコンサルティングを手掛けてきた校條浩氏が2004年に共同で創設した戦略コンサルティング会社。
(注2)ベンチャーキャピタルに投資するファンド。