2023.07.03 損保協会発表 22年度決算概況 当期純利益は25%減5015億円、正味収保は火保増収等で3.6%増
損保協会は6月28日、加盟29社の2022年度決算概況を発表した。経常収益は21年度に比べ7.6%(7765億円)増加したが、経常費用が同9.7%(9009億円)増加したため、経常利益は同▲14.0%(▲1245億円)減益の7665億円となった。経常利益に特別損益や法人税等合計を加減算した当期純利益は、同▲25.2%(▲1692億円)減益の5015億円となった。(本日付5面で金融庁発表の主要生保会社・損保会社23年3月期決算概要を掲載)
保険引受の概況では、正味収入保険料は、22年10月に商品改定した影響などにより火災保険が増収となったこと等から、21年度に比べ3.6%(3132億円)増加して9兆1195億円となった。正味支払保険金は、自然災害の影響による火災保険の支払いの増加や、交通量回復に伴う自動車保険の支払いの増加などにより、同14.3%(6718億円)増加の5兆3830億円となった。種目別の正味収入保険料、正味支払保険金は別表の通り。
損害率は、21年度に比べ5.6ポイント上昇して64.9%となった。
保険引受に係る営業費及び一般管理費は、21年度に比べ2.1%(276億円)増加して1兆3295億円となった。諸手数料及び集金費は、同3.3%(532億円)増加して1兆6458億円。これらを合計した事業費は同2.8%(808億円)増加したが、事業費率は、正味収入保険料の増収により同▲0.3ポイント低下して32.6%となった。損害率と事業費率を合計したコンバインド・レシオは、同5.3ポイント上昇して97.5%となった。
以上の増減益要因に、その他の保険引受収益および保険引受費用を加減算した保険引受利益は、21年度に比べ▲63.2%(▲1963億円)減少の1144億円となった。
資産運用の概況では、資産運用収益は、利息及び配当金収入の増加1022億円などにより、21年度に比べ21.6%(1679億円)増加して9445億円となった。資産運用費用は、有価証券売却損の増加507億円などにより、同79.5%(942億円)増加して2127億円となった。資産運用収益から資産運用費用を差し引いた資産運用粗利益は、21年度に比べ11.2%(737億円)増益の7319億円となった。
総資産は、21年度末に比べ▲2.5%(▲8153億円)減少して31兆7490億円となった。
ソルベンシー・マージン比率は、29社とも法律で求める水準を超えており、経営の健全性について問題ない水準となっている。