2023.05.16 MS&ADグループ 各社横断で仮名加工情報を共有化、「グループデータ連携基盤」開発

MS&ADインシュアランスグループホールディングスとグループ各社(三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保、三井ダイレクト損保、三井住友海上あいおい生命、三井住友海上プライマリー生命、MS&ADインターリスク総研)は4月25日、社会との共通価値の創造(CSV:Creating Shared Value)に向けて、グループ各社間でシームレスにデータを共有する「グループデータ連携基盤」を3月に開発したと発表した。

MS&ADグループでは現在、デジタル技術を活用しながら顧客や社会の課題を解決し顧客体験価値の向上を図るCSV×DX戦略を掲げて、新たなソリューションの創造と事業機会の創出に取り組んでいる。この戦略のさらなる推進を目指し、各社が保有するデータを安全かつスピーディーに共有する「グループデータ連携基盤」を開発した。
グループ各社が保有するさまざまなデータを特定の個人に識別できないよう仮名加工情報(法令に定める措置を講じて他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないよう加工した個人情報)にして、最先端のデータ仮想化技術(データそのものではなくデータを参照するための情報を保持し、散在するデータ格納場所から直接データ連携を行う技術)を用いて連携する。
データを仮想化することで、グループ各社のデータ格納場所から連携基盤上にデータをコピーする必要がなく、常に最新のデータをタイムリーに連携することが可能となり、各社が保有するデータを安全かつスピーディーに共有することができる。
この開発による効果として、第1にグループ各社が保有する損保・生保のデータをグループ横断で利用し、新たなソリューションの創造・既存ソリューションの高度化を目指すことが挙げられており、グループ各社のデータを統合することで、各社で扱うことができるデータの種類・数を増やし、統計データの精度向上を図るとしている。将来的には、自然災害への対応(IoTデバイスから取得したデータ、事故データ、天候データ、ハザードマップ等の分析による防災・減災に資する商品・サービスの開発)や、ヘルスケア領域への対応(契約データ、事故データ、ヘルスケアデータの掛け合わせによる商品・サービスの開発)など、さまざまな分野への活用・応用を目指していく。
また、データガバナンスの強化の面でも、各社が保有するデータをグループ全体で安全に管理するため、グループガバナンスの態勢を強化するとともに、グループ内のデータ授受を一元的にモニタリングすることで、情報漏えいや不正利用のリスクを低減する効果が期待されるとしている。