2023.05.11 損保ジャパン、㈱日新 フォワーディングシステムと貨物保険手配をAPI連携、貿易のデジタル化で業務提携
損保ジャパンと国際総合物流業の㈱日新(筒井雅洋代表取締役社長)は4月12日、貿易手続きのデジタル化の推進を目的として、両社の基幹システムを相互連携し、荷主の利便性を向上させる新たなスキームを2023年度中をめどに展開することで合意したと発表した。損保ジャパンは、日新が新たに立ち上げたデジタルフォワーディングシステム「Forward ONE(フォワードワン)」上に専用保険を提供し、荷主のシームレスな保険申し込みを可能にする。
相互連携では、日新の「Forward ONE」のフォワーディングサービスを利用する荷主が外航貨物海上保険の手配を希望する場合に、同プラットフォーム上の情報を損保ジャパンの「MARINE My Page」にAPI連携することで、従来それぞれで手続きが必要だったフォワーディングサービスと保険の申し込みがシームレスに完結する仕組みを提供する予定。現在のところ「保険見積り」のみ対応可能で、23年度中をめどに「保険申込み」機能のAPI連携を開発中とのこと。これにより、荷主は申し込みに関する煩雑な手続きが省略されるとともに、専用の保険プランに加入することが可能になる。また、両社は今後、本サービス拡大による申し込み以降の保険サービスの開発も進めるとしている。
日新は、「物流サービスを通じて社会の持続的な発展に貢献すること」を使命とする企業。同社の世界24カ国のネットワークと85年間にわたる国際物流のノウハウを落とし込んだデジタルフォワーディングサービス「Forward ONE」は、荷主とフォワーダーの間の「国際輸送費の算出、本船スケジュール・輸送スペースの確認、ブッキング依頼、書類のやり取り、船積み作業の進捗管理、本船のトラッキング」などをオンラインサイト上で一貫して行うことで、各関係者の業務効率化・負担低減を図るサービス。日新では新たなサービス・付加価値を顧客に提供し、諸外国と比較して後れを取っている日本の貿易実務・輸出入手配の効率化に貢献するとしている。
一方、損保ジャパンの「MARINE My Page」は、インターネットを通じて外航貨物海上保険の申込み手続きと保険証券等の印刷ができるシステム。契約内容の確認や保険事務に関する各種照会等も本サイト内で行うことが可能。
近年はレジリエントなサプライチェーンの構築に向け、デジタル技術の活用が注目されているが、サプライチェーンのデジタル化促進の課題の一つとして、貿易取引の過程で多数のアナログな手続きが発生し、手作業での書類作成や整合性の確認、保険の手配などに多大な時間を要する点があった。このような課題を解決するため、損保ジャパンと日新はAPI連携を通じた新しいスキームの構築により、荷主(輸出入者)のサプライチェーン構築の課題解決に向け検討、今回の相互連携により、貿易実務・輸出入手配のデジタル化による荷主の業務効率化に貢献するとともに、輸送途上での万が一の事故を補償することで、安心・安全な物流をサポートする。また、これをきっかけに、レジリエントなサプライチェーンを目指し、デジタル化の取り組みを推進するとしている。