2023.03.14 損保ジャパン、SBIトレーサビリティ 食品輸出促進スキーム構築で相互連携、サプライチェーンプラットフォーム「SHIMENAWA」に専用保険

損保ジャパンとSBIトレーサビリティ㈱(輪島智仁代表取締役)は2月7日、日本産食品のさらなる輸出促進への貢献を目的として、両社の基幹システムを相互連携し、輸出者の利便性を向上させる新たなスキームを、2023年中をめどに展開することで合意した。損保ジャパンは、SBIトレーサビリティが新たに立ち上げたサプライチェーンのプラットフォーム「SHIMENAWA(しめなわ)」上に専用保険を提供し、輸送途上での万が一の事故を補償することで、安心・安全な物流をサポートし、日本産食品の輸出促進を図る。

近年、SDGsの浸透や国内外での産地偽装などが社会問題化していることに伴い、食品の生産環境や流通経路なども消費者の購買決定要因の一つとなっている。食品関連の企業では「責任あるサプライチェーン」の構築が重要性を増している。また、「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律」の施行など、日本産食品の輸出促進も大きな課題として取り組みが強化されている。
損保ジャパンとSBIトレーサビリティは、日本産食品のブランドそのものの信用・信頼を高めることに貢献し、生産者にとってはより輸出しやすく、消費者にとってはより安心で安全な食品を購買することができる社会の実現を目指し、API連携を通じた新しいスキームの構築による協業で、これらの社会的課題の解決に向け検討してきた。
今回の相互連携では、SBIトレーサビリティのSHIMENAWAと損保ジャパンの「MARINE My Page」の連携により、従来それぞれに必要だったトレーサビリティサービスと保険の申込手続きをデジタルで一気通貫に完結する仕組みを提供する。
SBIトレーサビリティが新たに立ち上げたSHIMENAWAは、ブロックチェーンを活用し、ユニークIDが記録された厚さ0・1ミリのICタグやQRコードを商品に張り付けることで、消費者がスマートフォンを商品にかざすだけで、商品の開封有無だけでなく、生産者や商品に込められた“想い(ストーリー)”、流通履歴や産地を「見える化」することができる。商品の安全性だけでなく、真贋証明およびサプライヤーのブランドや新たな信用を創造することにもつながるもの。また、損保ジャパンの「MARINE My Page」は、インターネットを通じて外航貨物海上保険の申し込み手続きと保険証券等の印刷ができるシステム。契約内容の確認や保険事務に関する各種照会等もサイト内で行える。
SHIMENAWAのトレーサビリティサービスを利用する輸出者(生産者)が外航貨物海上保険の手配を希望する場合に、同プラットフォーム上の情報を「MARINE My Page」にAPI連携することで、トレーサビリティサービスと保険の申し込みをシームレスに完結することができ、これにより、輸出者(生産者)は申し込みに関する煩雑な手続きが省略されるとともに、輸入者は対象品目に合致した補償が付帯された食品をスムーズに入手できる。
両社は今後、本サービスの拡大による食品品目ごとの専用保険の拡充のほか、食品以外の製品やこれらの国内物流についても専用保険の開発を検討していく。また、外航貨物海上保険以外の生産物賠償責任やリコールリスクに対応する専用保険の開発も見据えた協業を進めていくとしている。