2023.02.20 日本生命 米国既契約受託事業に追加出資、レゾリューションライフに10億米ドル

日本生命は1月24日、既契約受託事業を展開しているレゾリューションライフグループホールディングスリミテッド(バミューダ、クライブ・カウダリー創業者兼会長。以下、レゾリューションライフ)に出資する投資事業有限責任組合に対し、10億米ドル(約1300億円、1米ドル=132.70円換算〈2022年12月30日時点〉)を上限とする追加出資を行うと発表した。一連の認可取得を経て23年下半期の実行を予定している。累計出資額は16.5億米ドル(約2000億円)となる見込み。

既契約受託事業は、元受生保から新契約販売を停止した商品の保有契約ブロック(クローズドブック)を取得・集約し、収益化するビジネスモデル。既契約受託市場は米国が最もアクティブなマーケットで、資本規制の強化、資本効率向上への投資家要求の高まり、低金利環境の継続等を背景とした非中核ブロックの切り出しニーズの増大等により、過去数年で急拡大しているという。レゾリューションライフはグローバルに事業を展開しているが、負債割合では米国・オーストラリアが大半を占め、中でも米国が過半を占めているとのこと。
日本生命は、レゾリューションライフに出資する投資事業有限責任組合に対し、19年以降累計6.5億米ドル(約700億円、出金時の為替レートによる)の出資を行っており、今回の追加出資の結果、累計出資額は16.5億米ドル(約2000億円)となる見込み。日本生命グループの海外事業への出資額では、オーストラリアのMLCに次ぐ規模となる。
日本生命が出資する投資事業有限責任組合は、レゾリューションライフとブラックストーンインク(スティーブン・シュワルツマン会長兼CEO兼共同創業者。以下、ブラックストーン)との戦略的提携に際し新設されたBLACKSTONE ISG INVESTMENT PARTNERS―R(BMU)L.P.で、同組合設立に伴って、日本生命の既存持分6.5億米ドルの出資先である投資事業有限責任組合Resolution Life Group Holdings L.P.は清算されるが、当該既存持分はBLACKSTONE ISG INVESTMENT PARTNERSに移行し、日本生命が継続保有する。
今回の出資によってレゾリューションライフは日本生命グループの持分法適用会社となる見込みで、同グループの基礎利益が一定程度押し上げられることになるとしている。
レゾリューションライフは22年10月にグローバルに事業展開する資産運用会社ブラックストーンと戦略的提携を行い、同社へのプライベートクレジット、不動産、資産担保証券等の特定領域の運用資産の委託、ならびに、両社による30億米ドルの新規資金調達計画を発表している。資金調達完了後のレゾリューションライフの累計資金調達額は、今回の日本生命出資額も含め約80億米ドルとなる見込み。
日本生命は、「両社の戦略的提携はレゾリューションライフの成長と発展に寄与するものと考える。今後もブラックストーンとともに、レゾリューションライフのさらなる成長と発展に貢献していく。また、生命保険会社の社会的使命として、顧客への保障責任を全うし、安心を提供できるよう収益性向上に努めており、今回の出資を通じ契約者利益の拡大を図っていく」としている。