2022.12.14 東京海上日動 商工3団体会員向けビジネス総合保険制度、全契約でサイバーリスクを補償

東京海上日動は11月18日、日本商工会議所・全国商工会連合会・全国中小企業団体中央会(以下、商工3団体)の会員を対象とした中小企業向け団体保険「ビジネス総合保険制度(団体超ビジネス保険)」の2023年1月以降始期の全契約(生産物の賠償・リコールのリスクのみを補償する一部の契約を除く)を対象に、サイバー攻撃を受けた際に必要となる費用等の一定限度額までの補償とサイバーリスクの無料の連絡・相談窓口「緊急時ホットラインサービス」をセットで提供すると発表した。増加するサイバー攻撃から中小企業を守るとともに、今後も企業のさまざまな課題解決につながる保険商品・サービスやソリューションを届けることで、中小企業の挑戦・成長を支援していく。

近年、「Emotet」などのマルウエア(コンピューターウイルス)への感染など、中小企業がサイバー攻撃の被害に遭う事例が増えており、帝国データバンクが今年3月に実施したアンケートによると、直近1年間でサイバー攻撃を受けたことがある企業は36.1%と高水準に上っている。今年4月には改正個人情報保護法が施行され、個人情報漏えい時の報告が義務化されるなど、中小企業にも有事の際の適切な初動対応が求められるようになっているが、対応できる専門人材の確保が難しく、サイバーリスク対策は重要な経営課題となっている。
東京海上日動ではこれまでも、商工3団体および都道府県警察と連携したサイバーリスクセミナーの実施やサイバーセキュリティ情報発信サイト「Tokio Cyber Port」を通じたサイバー攻撃模擬訓練サービスなどの提供により保険の加入を含めた中小企業のサイバーリスク対策を促進してきたが、その一方で、損保協会によると中小企業のサイバー保険加入率は約7%といまだ普及が進んでおらず、大きな社会課題となっている。
そこで同社では商工3団体と連携し、中小企業向け団体保険「ビジネス総合保険制度」の全ての契約に対し、サイバー攻撃を受けた際に必要となる費用等の補償とサイバーリスクに関するトラブルの無料の連絡・相談窓口「緊急時ホットラインサービス」をセットで提供することを決めた。
取り組みでは、「ビジネス総合保険制度」で、これまでサイバーリスクの補償をセットしていない契約についても、サイバー攻撃を受けた際に企業が取引先などに対して負う賠償責任や、不正アクセス等の原因調査や広報対応にかかるコンサルティングなどに係る費用等を補償するプランを新設した。
また、サイバーリスクに関するトラブルの無料の連絡・相談窓口である「緊急時ホットラインサービス」を併せて提供することで、サイバー攻撃の被害発生時の初動対応だけでなく、トラブル発生時の緊急処置、対応計画の策定、再発防止策の提案に至るまで、「初動対応」から「事態収束」に至る一連の対応を支援する。
なお、同プランの補償の限度額は賠償責任、費用ともに50万円だが、実際にサイバー攻撃を受けた場合は数百万円以上の費用が発生する可能性もあり必ずしも十分な補償とはいえないことから、顧客に十分な備えを提供するため、より充実した補償も用意している。