2022.06.24 NTT東日本・東京海上日動・トレンドマイクロ リスクマネジメント事業会社設立、地域課題解決でワンストップサービス提供 代理店としてサイバーリスク保険販売も
NTT東日本・東京海上日動・トレンドマイクロの3社は7月1日に、共同出資でリスクマネジメント事業会社「NTTリスクマネージャー」を設立する。地域社会の課題解決の支援としてリスクマネジメント分野に関するコンサルティングやサイバーリスク保険、リスク対策サービスをワンストップで提供する。6月15日には、東京オペラシティタワー(東京都新宿区)内のNTTインターコミュニケーション・センターで記者会見が行われ、新会社の社長に就任予定の一ノ瀬勝美氏(現NTT東日本ネットワークセキュリティ推進室室長)、副社長に就任予定の白石涼子氏(現NTT東日本経営企画部営業戦略推進室担当部長)、NTT東日本執行役員経営企画部営業戦略推進室室長の加藤成晴氏の3氏が新会社設立の背景や事業概要について説明した。会見はハイブリッドで行われ、会場とオンラインで多数の報道関係者が参加した。
NTTリスクマネージャーは、東京都新宿区に本社を置き、資本金は2億5000万円。出資割合はNTT東日本が50%以上を占める。設立当初の社員数は10人弱で、5年後に30人体制を計画している。
一ノ瀬氏は新会社の設立背景として、地域の企業やコミュニティーを取り巻く環境を挙げた。ESG経営の進展や個人情報保護法の改正などリスクマネジメントの重要性が増す一方、高度化するサイバーセキュリティーへの対策の他、頻発する自然災害や新型コロナウイルスへの対応など状況がより複雑化しており、日々不安を抱える地域のコミュニティーや企業、個人に多く接してきたことから、「地域の課題解決を支援する目的で、損害保険分野で広範囲にリスク対策に取り組んでいる東京海上日動、サイバーセキュリティー分野を中心に卓越した技術を有するトレンドマイクロ、さまざまな脅威から通信インフラを守り続けてきたNTT東日本の3社が保有するリスクマネジメントに関する知見を生かしたサービスをワンストップで提供可能な新会社を設立する」と述べた。
新会社では主に、①コンサルティング事業②損害保険代理業③リスク対策サービス開発事業―に取り組む。コンサルティング事業では、内部監査・点検支援やリスクマネジメント分野における人材育成、認証取得支援を手掛け、損害保険代理業では当面、東京海上日動のサイバーリスク保険や各種サービスへの補償機能を付与する保険を販売していく。リスク対策サービス開発事業では、主にトレンドマイクロの技術を活用してリアル・サイバー空間両面に関わるリスク対策サービスや、コンサルティング事業、人材育成事業で使われるツールの開発・提供を図る。
今後の計画として、NTT東日本の顧客である地方自治体、地域の中小・中堅企業やコミュニティーなどのニーズを聞きながら提案を行い、5年間で20億円程度の収益を目指す。そのうち損害保険代理業で1割程度を見込む。
白石氏は、「今回出資した3社の連携により、安心・安全な地域社会の構築に貢献していくことを新会社の目指すところとして、今後、事業運営を図っていきたい」と述べた。