2022.06.27 第一生命 社会保険踏まえたシミュレーション必須化、「コンサル・商品」一体改革を実施、顧客の「必要資金・必要保障額」を“見える化”

 第一生命は6月6日、顧客体験価値(CX)向上に向けて、これまで以上に顧客一人一人に合った保障内容・保障額等を算出し、それに基づいた保険商品を提案することで、より顧客の納得感を高められるよう、7月1日から「コンサルティング・商品」の一体改革に取り組むと発表した。「コンサルティングの改革」では、社会保障制度も踏まえたシミュレーションに基づき「必要資金・必要保障額」を“見える化”し、、従来のライフプランのシミュレーションツール「生涯設計プラン」をより分かりやすくリニューアルする。また、「商品の改革」では、シミュレーション結果である「必要資金・必要保障額」を提案プランに反映するため、商品のラインアップをリニューアルする。

 「コンサルティング・商品」の一体改革後の保険検討・加入では、保険の提案の前に「生涯設計プラン」によるシミュレーションを原則“必須化”し、シミュレーション結果に連動したプランを提案する流れとなる。「生涯設計プラン」により一生涯にわたって準備しておきたい「必要資金・必要保障額」について、社会保障制度に沿った三つのカテゴリー(①「資産」をつくる②「所得」を守る③「費用」に備える)ごとにより分かりやすくシミュレーションを行い、「生涯設計プラン」と同じ①「資産」をつくる②「所得」を守る③「費用」に備える―の三つのカテゴリーにリニューアルした必要なもの“だけ”に加入できる商品(「保障の不足・重複」を低減し、ニーズにきめ細やかに応える商品)をより納得を得やすい保険料で提案する。
 新しい「生涯設計プラン」では、「家計見直し」や「資産形成」など、顧客の関心が特に高いテーマに加え、一生涯にわたって準備しておきたいお金について、社会保障制度も踏まえながらきめ細やかなシミュレーションを可能とすることで、顧客一人一人異なる幸せの実現に貢献する。
 将来に向けて備えておくべき金額を、社会保障制度の①老後の資産形成②働けないときなどの所得保障③医療・介護などの費用補てん―の三つの役割に沿った三つのカテゴリー①「資産」をつくる②「所得」を守る③「費用」に備える―でシミュレーションする。②の「『所得』を守る」シミュレーションは、従来の生涯設計プランにはなかった新しい機能となる。それぞれのシミュレーションでは、社会保障制度だけでは不足する部分への「自助」=「保険で備えておきたい必要保障額」を見える化し、シミュレーションで算出された必要保障額等を商品設計に連動させることで、これまで以上に顧客の納得を得られるコンサテルィングを実現し、顧客一人一人にあったプランの提示を実現する。
 「商品の改革」では、「生涯設計プラン」のシミュレーション結果である「必要資金・必要保障額」を提案プランに反映することで、より顧客満足の向上を実現できるよう、保険商品をリニューアルする。
 新たな「生涯設計プラン」のシミュレーションと同じく、商品も三つのカテゴリーに商品体系を見直し、コンサルティングと保険商品を“完全連動”させることで、分かりやすさを追求し、“保障の不足や重複”が生じにくく、これまで以上に顧客一人一人に合ったプランの提案を可能にする。
 具体的には、①分かりやすさ向上のため、「生涯設計プラン」と連動するように商品ラインアップを整理②家族のために万が一の“収入喪失”に備える新商品「家族」所得保障保険を発売③「3大疾病」「介護・身体障害状態」を保障する生前給付商品と、万が一の場合に家族のために残す「死亡保障」を分離し、顧客の意向に沿って別々に備えられるようリニューアル④「3大疾病」「介護・身体障害状態」を保障し、「所得」を守る商品「特定状態収入保障保険」について、従来の一体型の保障から、顧客のニーズにきめ細やかに対応するべく、必要な保障期間に合わせ、二つの別々の新商品で備えられるようリニューアル⑤より納得を得やすい保険料に設定―などの対応を行う。
 今回のリニューアルに伴い発売する新商品には、「『所得』を守る」カテゴリーで、▽3大疾病所得保障保険(3大疾病〈がん・急性心筋梗塞・脳卒中による所定の状態〉になったときの所得の減少をカバー)▽介護・身体障害所得保障保険(要介護状態・身体障害状態になったときの所得の減少をカバー)▽「家族」所得保障保険(死亡により所得が失われたときの遺された家族の生活費・住居費等をカバー)―の3商品がある。また、「『費用』に備える」カテゴリーで、▽3大疾病・介護・身体障害保険(3大疾病・要介護状態・身体障害状態になったときに一時的に必要な費用をカバー)▽軽度3大疾病・介護・身体障害保険(3大疾病・介護・身体障害保険の保障範囲に加え、上皮内がんなど、より幅広い状態も保障。保障範囲を選択可能〈Ⅰ型の場合〉で、糖尿病による合併症なども保障)―の2商品を発売する。
 同社では今回の対応に至る背景として、「生命保険は、顧客自身と家族のライフプランを踏まえて、自身に合った内容で備えることが大切で、自身に合った保障額、つまり生命保険における『必要資金・必要保障額』は、大きく『必要資金・必要保障額=将来必要となる金額―社会保障制度の受取金額』と考えられる。自身にとっての『必要資金・必要な保障額』は、顧客の年齢、家族構成や職業・収入や今後のライフプランを踏まえた『将来必要となる金額』から、社会保障制度からの受取金額を考慮して導き出すことが適切だと考えている。『老齢年金』を例として『必要資金』について考えてみると、夫婦ともに会社員で共働きの場合、老齢年金の平均受給金額(月額)は『30.2万円』となり、生命保険文化センターの調査結果を踏まえると、『老後の平均支出に足りるも、ゆとりある生活には足りない』水準となる。この場合、『ゆとりある生活』を送ろうと考えている人にとって、その不足分が『必要資金』となる。前記老齢年金の受給金額は平均値であり、金額は世帯・就業状態等によって大きく異なるため、一人一人の『必要資金・必要保障額』を見える化することが重要だと考えている」と説明している。